SWEET SWEET SWEET

手作りのお菓子やパン、料理など美味しいもの、
そして大好きな本など紹介します♪

天の梯・葛の水せん。

みをつくし料理帖です。

みをつくし料理帖の最終巻「天の梯」が発売されました!
いやー、ついに最終巻が来てしまいましたよ!
前の巻「美雪晴れ」でははっきり言ってまだまだ終われないんじゃない?と思っていたのですが、この巻では見事に「にくいねぇ!」って感じにすっきりとまとまって終わりを迎えました。(なんじゃそれ)

澪が鼈甲玉でかなえたい夢、ご寮さんの夢、佐兵衛さんのわだかまり、一柳の旦那様の夢、源斉先生は最後までいい人で終わるのか?美緒さんはどうなるの?ふきちゃんと建坊は?つる家と登龍楼の因縁対決は?つる家を継ぐのは誰?あのお武家様ってどうなったの?などなど、読者の興味は尽きぬのですが、この最終巻では、全てに決着をつけてくださいますよ〜。
何と言いますか、この作者、一つの設定も無駄がないというか、とことん使い倒す!ってところが読者にとっては気持ちいいですよね。
伏線と思えないところも伏線だった!っていうのが。
あ、ここらへんは読まないとわかりません!

ここから完全ネタバレです

そして…。
私は最後の最後で泣かされてしまいました。
りうさんの最後の瓦版も終わって、作者様が最後に残しておいてくれたお楽しみ。
最後の料理番付。

いやね、大関位がどこの店かっていうのは、もう言わずもがななんですよ。
それより私が泣いてしまったのは。
番付行司役の元勧進の店名を見たとき。
ああ〜、完全にやられました。
ご寮さん、佐兵衛さんの笑顔が見えるようで…。

それに、西の小結、「寒天尽くし」の井川屋!
ああ〜、井川屋が〜!って。
銀二貫の井川屋ですよ!
井川屋が二号店で料理屋さんを出したのかなぁとか、もういろいろ考えてしまいましたよ。

もちろん本編でも泣きました。
いっぱい泣かされたのは「親父泣かせ」の章。
あれほど種市さんがこだわっていた料理番付。でもつる家を退く澪はもう料理番付を目標とはしていない。それならば誰がそれを実現するの?
その答えも、このお話は鮮やかに決着をつけています。
でもそう、私もその決着が一番だと思うの。
もうそれは澪の役目じゃなくなった。それでいい。
真剣に今の、これからのつる家を背負っている人、その人に取ってもらうのが一番だよって。
それに、その人のうれしさが一番伝わってくるのって、料理番付に載った日じゃないもんね。
初めてあの料理がお客に認められた日、その日の政吉さんの様子が本当に感動しましたよ。


さて、感想はいろいろありますがまた料理を再現するときなどにおいおい語っていくとして、ひとまず澪のお料理を作っていきましょう!
今回作るのは「天の梯」の第一章結び草より、

葛の水せん」です。

前の巻で、家が火事に遭い、財産を失ってしまった澪の友達である美緒。
何とか両替商を再開できるのですが、以前の贅沢な暮らしは望むべくもなく、慣れない家事に疲れ切ってしまう美緒です。
それでも、わがままなお嬢様時代からは考えられないくらい健気に働く姿に、澪は心を打たれ、料理を届けて励まします。
今回の料理は、美緒に何とか元気になってもらいたいと葛尽くしの料理を作った中の一品。
贅沢で雅な食べ物に慣れた美緒に何を食べさせたらいいか、澪は悩むのですが、源斉先生からも葛の料理を教えてもらったりして、料理を決めていきます。
葛料理の中でも苦労したのがこの水せん・つまり葛きりです。
あの透明で綺麗で柔らかな葛きりをどうやって作るのか?
料理書を見ても今一つ実践してもいいのか悩む澪。
確かに、私はテレビで和菓子屋さんが作っているのを見たことがありましたが、何とも乱暴というか、思い切ったやり方だなぁと感心した覚えがあります。

澪は水せんに柚子の香りをつけていましたが、今の季節柚子は手に入らないので、試作の段階で澪が作った味付けでやっていきたいと思います。

まず葛を水に溶かします。

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こし器でこしてから流し缶に薄く入れて、沸かした鍋のお湯に浮かべる。
これ、レシピでは布巾で持ちながらと書いてありますが、場合によってはやけどする恐れがあります。はい、やけどしそうになりました(笑)。
ここはひとつ、和菓子屋さんがやるようにやっとこで挟んで持ったほうが安全ですね。
やっとこがなければ、工具箱に入っている大き目のペンチとかがいいと思います。
さて、葛の表面が白いながらも乾いて動かないようになります。
そうしたらすかさず鍋のに流し缶を深く沈めて(というか、鍋のお湯を流し缶に入れて)しばらく置きます。
するとあら不思議。白かった葛が完全に透明になりまする〜。

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透明になったら今度は水を張ったボウルに沈めて葛を冷やします。
流し缶から葛をはがして、細く切れば出来上がり!

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熱くて危険だけど(笑)、こんなに簡単にできました〜。
あとは残りの葛を何回かに分けて繰り返し作ればいいのです。

今回は清右衛門先生たちが召し上がったように

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きな粉と黒蜜で食べました。

食む。

う〜ん!
おいしい〜!
葛きりが本当になめらかで柔らかでつるんとのど越しさわやか〜。
でもところてんとはまた違った歯ごたえで楽しめます。
本当に簡単!
でも和菓子屋さんみたいに本格的〜。
思いついたらすぐできますのでお勧めです!

柚子の季節になったら、美緒さんが食べたように柚子葛きりにして食べたいです!
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みをつくし料理帖ドラマ第二弾の感想。

昨日みをつくし料理帖のドラマが9時から放送されていましたね。

前回はいろいろお祭り騒ぎしましたが(笑)、今回そんな余裕がなくて申し訳ありませんでした。

ドラマは前回のお話の続きからでした。
第二巻の花散らしの雨、第三巻の想い雲、第四巻の「今朝の春」を少しずつ抜粋したという感じでしょうか。
2時間ちょっとのドラマ枠に納めなくてはならないので、いろいろギュッとまとめていました。
それにしても、前回のドラマは2012年9月だったので、原作を読んでいない方は覚えているのかしら?(笑)。
いろいろ前作のドラマを見ていないと分からないところが多かったので、せめて半年くらいの間隔で作られていたらなぁって、ちょっと残念でしたね。

それはともかく、主人公澪役の北川景子さんは、より美しくなっていましたねぇ〜。そして痩せている!着物姿だと痩せているのがより目立つような気がしました。肩や胸のラインがすごく薄いんですよね〜。華奢なんです。
そんな彼女ですが、涙の場面では美に構わずにびえ〜んって大泣きしていましたから、なんというか、女優魂を感じましたよ(汗)。
今回は小松原様が美味しいところをかなり持って行ってました。二時間枠に納めるには、登場人物が多いので、いいセリフを小松原様が言わないとちょっと散漫とした印象になるからでしょうけどね。小松原様役のTOKIOの松岡氏が、すごく大人の男に見える演技をしていましたねぇ。北川さんの澪も、そんな小松原様にハートマーク飛ばしてました(笑)。

というわけで、今回のドラマは源斉先生の存在感が超薄かったです(笑)。
今回からいよいよ清右衛門先生(片岡鶴太郎氏)の登場です。もう少し若くてもいいと思いますけど、もうちょっと若いと、清右衛門先生を演じきるのは難しいかなぁ。
坂村堂さんも早めの登場でしたね。坂村堂さんは単なる清右衛門先生のお供になっていましたけど(笑)、最後いいお役目があって良かったです!
ふきちゃん役の子役さんはかわいらしかったですねぇ。健気な様子がふきちゃんにピッタリでした。ふき飯を食べたときの演技は本当に涙が出てしまいましたよ。

そしてあさひ太夫、とっても美しかった!
貫地谷しほりさんは、北島マヤが美少女の王女になったときのように、誰もが納得する美しさだったのではないでしょうか?女優さんだなぁって思いました。
あの八朔の白狐の場面。原作でも幻想的に描かれていましたが、ドラマでもとっても綺麗に映像で見せてくれましたね。ここには満足しています。

そして、今回見た感想は、やはりこの作品は、連続ドラマにしてほしいなぁということです。
確かにみをつくし料理帖の作品をもとに作られているし、江戸時代の女料理人の生き方、人情の機微を描いてはいるのですが、肝心の料理とのリンクがいまいちだなぁって思ってしまいました。最初の最初、澪があさひ太夫に金柑の蜜煮を作るところも、作る場面は一切映らず、ちらっと完成品が写っただけなんですよね。なぜ金柑なのか、なぜ澪に作らせたのかっていうところが原作では大事な部分だったのに、あさひ太夫が食べる場面すらなかったというのは非常に残念でした。
これが連続ドラマだったら、あさひ太夫がなぜ金柑の蜜煮を食べたかるのかを、違和感なく説明できたと思うんですよねぇ。2時間の枠に納めるとなると、あそこで大阪の思い出を長々としたら、視聴者はポカーンだったでしょうけど。

今回、澪の最大の目標がドラマの最後で明示されてしまいましたが、ドラマの第3弾、あるんでしょうかねぇ?あるとしたら、今度はもう少し早い時期にやってほしいです!
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金柑の蜜煮。

みをつくし料理帖です。

今回は第2巻「花散らしの雨」より。

金柑の蜜煮 です。

この料理は、この巻の2章、「花散らしの雨ーこぼれ梅」に出てきます。
再現仲間のkabatanさんも作られていますので、そちらもどうぞ!

つる家を訪れた又次さんを見て、澪は息を飲みます。以前会ったときより、気苦労を重ねた様子ですっかり面窶れしていたのです。
驚く澪に、又次さんはいつものお弁当箱を取り出して、金柑の蜜煮を作ってくれるように頼みます。お弁当箱の持ち主に金柑の蜜煮を食べさせたい理由、遠い昔の思い出が甦ってくるうちに、澪はその理由に思い当るのです。
澪の母わかも、特別美味しく作った金柑の蜜煮。
澪にとって水害がある前の思い出は、全て本当に大切なものだったんだねと感じられるお話ですね。思い出を大事にしているからこそ、親友の危機を知ることができたんですから。本当に細かいサインを逃さず、相手のことを思いやる。気の利かない私には途方もないことですねぇ…(涙)。

この料理のポイントは、途中で酢を少量加えることで味がまろやかになり、少し長く置けるようになることだそうす。

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我が家はあまり金柑を食べる習慣がないのですが、今回綺麗な金柑をお店で見つけたので、作ってみました。
たくさんある種を全て取り除くので、結構根気がいりますね。

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ひたひたの水とたっぷりの砂糖で煮ていきます。
今回は、上白糖とグラニュー糖半々で作ってみました。金柑は250gで作っています。
シロップが煮詰まってきたら酢を垂らしてひと煮立ちさせたら出来上がり。

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綺麗につやつやしていますね〜。

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出来上がり!
甘くておいしいです〜。
苦みがないあっさりしたマーマレードみたい。
澪の時代には白砂糖は超高級品だったそうなので、三温糖を使ったほうがより江戸時代っぽいかもしれませんね。
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浅利の御神酒蒸し。

みをつくし料理帖です。

今回は、第5巻「小夜しぐれ」より。

浅利の御神酒蒸し です。

澪が料理人を務める「つる家」の店主種市。彼にはかつて一人娘がいました。
娘の名前は「おつる」。つる家の屋号は、種市の娘の名前から取ったものだったのです。
いつもは陽気で優しい種市さんですが、今回は彼とおつるさんのの哀しい過去が明らかになります。

今まで封じ込めていた種市さんの悲しみと怒りが、ある人物の登場によって一気にあふれだし、衝撃的な事件が起こってしまいます。
人は、大切な人のためなら鬼にもなれる。
優しい種市さんしか知らなかったふきちゃんは、そんな人の業に触れてショックを受けますが、ご寮さんは彼女を厳しく諭すのでした。
人にはいろんな面があって当然。恐ろしい激しい一面を見たと言っても、その行動の裏にある真の心に気づけるようになりなさいと。
そうですよね。怖い面を見たと言っても、今まで長い間受けてきた優しさ、本当の種市さんが消えるわけではないですもんね。
ふきちゃんが又次さんをやたらと怖がらないようになったのも、この一件の影響があるかもしれません。
事件が起こった後、ご寮さんが種市さんの様子を見に行ったとき、もしかしたらみんな、とりわけふきちゃんに恐ろしい姿を見せて傷つけたと、悲しんでいたのかなぁと思いました。だからご寮さんは、あえてこの時に諭したのかも。

事件が起こってしばらく、つる家の空気にくらい影が落ちますが、澪は少しでも種市さんに元気になってほしいと、好物の浅利を使って気が晴れるような、それでいて元気を取り戻せるような料理を作ります。
それが今回の浅利の御神酒蒸しです。

余談ですが、このお話で澪とふきちゃんがお店の大掃除をしていた時に、坂村堂さんが大福を差し入れてくれるのですが、その時の描写がとっても美味しそうで好きなんですよね〜。私、おもちは苦手なんですが、「たねや」の大福だけはびっくりするくらい美味しくて夢中で食べてしまった覚えがあるんです。あの時の美味しい思い出が甦って、また食べたいなぁって、いつも思います(杜の都では、残念ながら手に入りません)。はぁ〜、美味しそう。
さらに差し出してくれる坂村堂さんがいかにものんきそうで、気が利いていて、うれしくなってしまうんですよね〜。昼餉を食べようとつる家の前を通りかかったけれど、大掃除をしている澪たちを見て、何も言わずに大福を買ってきてくれたのかなぁって思います。

閑話休題。

作り方は、ごま油で生姜と鷹の爪を炒めて香りを移した所に浅利をざざっと加え、軽く炒めてから酒をとくとくと流しいれてすかさず蓋をし、浅利が口を開けるまで熱すれば出来上がり。
とても簡単ですが、浅利の砂だしは、澪も抜かりなくやっています。

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画像では目立ちませんが、お汁もたっぷりよそっていますよ。
では早速…。

辛いのはあまり得意でないので、生姜と鷹の爪は少な目に入れました。
でも!
ごま油と生姜、鷹の爪の風味が浅利に十分に移って美味しい!
酒蒸しをさらに豪華にした感じですね。
ごま油っていうのが目新しいです。
塩味は全く入れていませんが、浅利から出たうまみと塩分で十分に塩味は効いています。逆に塩辛いくらいかも(笑)。
みをつくしシリーズのレシピは、優しい味が多いのですが、この浅利の御神酒蒸しはそのイメージを覆す、ガツンとパンチ力のある味です。
美味しかったですよ♪
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昔ながら。

みをつくし料理帖です。

今回は、第9巻「美雪晴れ」より、

昔ながら です。

こちらは再現仲間のkabatanさんも作られていますので、そちらもどうぞ!

主人公の澪にとって大事なお友達となった、同じ名前の美緒。彼女が出産をし、無事に母となりました。けれども、赤ちゃんに飲ませるお乳が出なくてもらい乳をしているとのこと。澪は友達を励ますために、昔からお乳が良く出る食べ物として母から教えられたことを思い出し、芋茎(ずいき)料理を届けることにします。
「昔ながらの食養生として(女性の間で)食べ継がれてきた」との母わかの言葉を思い出して、澪は料理の名前を「昔ながら」としました。
昔はもちろん粉ミルクなんてありませんので、お母さんのお乳が出ないと、大変だったでしょうね。
芋茎。私の母は芋がらとも言っています。母は生の芋茎を、お揚げさんとともに煮物にしていたようです。

今回の料理は、干し芋茎をもどして湯葉で巻いて出汁で煮る料理です。湯葉も滋養のある食べ物として、産後の美緒のために選ばれた食材です。
澪は湯葉も干したものを使っていましたが、なぜか忘れて生湯葉を買ってしまいましたので、今回はそれで作りました(汗)。でも、干し湯葉の方が扱うのは楽だろうし、色目もいいかなぁと思います。

澪は湯葉を芋茎で縛っていましたが、どうも太くて(笑)、湯葉が隠れてしまうので、今回は干瓢を使いました。
それと、レシピでは湯葉に3本の芋茎を巻くとなっていますが、どうも頼りないので、巻く数は増やしています。

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こんな感じです。

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確かに芋茎と湯葉の歯ごたえの違いが際立って、味だけでなく食感で楽しめるようになっていますね〜。
味醂の甘さが上品に効いて美味しいですよ♪
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浅草海苔、政吉風。

みをつくし料理帖です。

今回は第9巻「美雪晴れ」より、

浅草海苔、政吉風です。

いえね、これは私が勝手につけた名前(?)なんですが、本文には特にこれという名前で呼ばれなかったので、暫定的にこうしておきます。

つる家に新しく入った政吉。
さまざまな料理店を渡り歩いただけあって、世事に長け、お客の心を掴むコツも心得ており、お酒も大好き。澪も教わることがたくさんあるようです。
生粋の江戸っ子である政吉は、地元の食材である浅草海苔の使い方も抜群に上手い様子。
澪が見ている前で、すばらしく美味しい物に変化させていきます。

作り方は簡単。
海苔の片面にごま油を刷毛で塗り、油を塗った面同士を貼り付け、七輪でさっとあぶる。海苔をはがして、油を塗った面に塩をパラリ。またその面同士を貼り付け、切りわけて召し上がれ。

はい。
お察しの通り、まぁ、今で言う韓国海苔という感じでしょうか。
でも澪の時代にすでに海苔、ごま油、塩は存在していたわけなので・・・。
まぁ、そこら辺は想像力ですよね。

海苔をあぶる方法ですが、我が家に七輪はないので、トースターのパン温めで焼くことにしました。
我が家はガスコンロなのですが、以前テレビでガスコンロの火には水蒸気が含まれているので、海苔をあぶるには向いていないというのをやっていたんですよね。代わりにトースターでちょっと焼くのがいいとのことでした。
でも気をつけないと、すぐこげて炭になってしまうのでご注意ください!(経験者は語る)

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海苔にごま油を塗りつけて、貼る・・・。
・・・貼れない!(笑)
ごま油が足りないのでしょうか。
なんとなく、ぴったりくっつくのを想像していましたが、特にそんなことはないです(笑)。
トースターでさっと焼いて。我が家のトースターは、ロールパンなどを温める機能があるのでそれを使いましたが、普通のトースト機能だとさらに焦げやすいと思いますので、気を付けて焼いてください。
ごま油を塗った面に塩をパラっとかけて、また海苔を重ね、しばらくおきます。(しばらく置いたほうが塩がなじむかな)

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食べやすい大きさに切って、出来上がり!

ごま油のいい香りがしています。

食む。

それほどごま油の香りはしつこくないです。
ここはごま油の量によって変わるでしょうか。
それにしても焼いて香ばしくなった海苔にさらにごま油の香ばしさがプラスされて、美味しいです。
市販の韓国海苔だとごま油や塩味が強すぎると感じるときに作ると、自分にちょうどいい加減に出来ていいかも知れませんね。
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又次の炙り若布。

みをつくし料理帖です。

なんというか、ちょっと地味系です(笑)。

今回は、第7巻「夏天の虹」より、

又次の炙り若布です

ある出来事が原因で、体調を崩してしまった澪。料理人としてつる家の調理場を預かる自信が揺らいでしまいます。その澪を助けるために、種市は吉原の翁屋に頼み込んで、料理番の又次を助っ人として連れてきます。
今回はその又次が吉原のお客から教わったという料理です。

炙り若布。小説にレシピはないのですが、本文中に作り方が書いてあるので、挑戦してみることにしました。
と言っても、基本的に若布を乾燥させるだけ。でもこれが不思議に後を引く美味しさなのですって。
作っている最中の描写が面白いし、いかにもおいしそうに書いてあるので、食べてみたかったんですよね〜。
でも!
私途中で気づいてしまったんです。本文に使われているのは、若布は若布でも、「」若布であることに!

私が今回使ったのは、普通に塩で処理した若布なんですよね(笑)。なので、同じものができたのかどうかわかりませんが、とりあえず食べてみることにしました(汗)。

作り方は簡単。

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生若布を綺麗に広げて、本文では戸板、我が家ではざるに張り付けて天日で半日、ぱりぱりになるまで乾かすだけ。
私は塩で処理した若布を水で塩出ししてから使いました。
手のひらほどの大きさに切り揃え、手で崩してそのまま食べたりご飯に振りかけて食べる。

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出来上がり!
こんなんでいいんでしょうか(汗)。

本文では優しく握るだけで粗く砕けるとなっていますが、私のはなんというか、紙みたいで、結構弾力性(?)があり、指で裂いたら切れました。
では早速。

食む。


これは…。
お酒のおつまみにちょうどいいです!
口に入れてすぐはそれほどでもないのですが、よく噛んでいくと、磯の香、うまみが口に広がって美味しい。
噛めば噛むほど味が出る、するめのような食べ心地なんです。
これはつる家のお客さんがお酒を欲しがったのがよく理解できますね〜。
すごく素朴な味なんですけど、ずっと楽しめるような美味しさです。
ご飯と一緒に食べるのも、ちょうどふりかけワカメになって塩をパラリとやれば、美味しく食べられると思います。
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牡蠣の宝船。

みをつくし料理帖です。

今回は、第7巻「夏天の虹」より。

牡蠣の宝船です。

牡蠣が旬の季節。澪はつる家の献立に、牡蠣で新しい料理を考えようと試行錯誤を繰り返します。
しかし牡蠣はシンプルな牡蠣殻焼きが一番おいしいと考える江戸っ子に、それ以上の満足を感じてもらうのは至難の業。凝った料理にすればするほどつる家の店主種市さんやお運びのりうさんからは首を横に振られるのです。
考えに考えた末、澪が出した答えとは・・・。

この話の牡蠣料理は、本当に苦心の末考え出したって言うのが読んでいてよく伝わりました。
確かに、牡蠣を殻のまま焼いたり蒸したりしたのっておいしいですよね!別にこれ以上何も足さなくてもいいんじゃ・・・って気になるのは仕方ないと思います。
でも澪はそれでは納得しないんですよね。
こういう、これで最高、もういいじゃないってところで満足しない姿勢は頭が下がります。私みたいなものぐさ太郎には真似できないことですよ・・・(汗)。
さて、澪が考え出した牡蠣料理とは、いつも出汁をとるのに使っている真昆布より薄い日高昆布を船のような形にして、そこに牡蠣を詰め、七輪であぶり、少量のお酒で酒蒸しにするというもの。
つけた名前は牡蠣の宝船。
折り紙の宝船で弟を励ましたふきちゃんを見て、思いついた名前です。

このたび偶然に昆布を縛る干瓢をいただいたので、作ってみることにしました。
作り方は簡単で、日高昆布を水にぬらして柔らかくし、しわなどを広げてからこちらも水で戻した干瓢で船のような形になるように両端を縛ります。

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塩水で洗った牡蠣を中に詰め、網の上であぶり、熱くなってきたらお酒を牡蠣に降りかけてさらに熱する。

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十分熱が入ったら柚子を添えて出来上がり。
牡蠣は今回加熱用を使いましたが、生食用を使ったほうが安全かもしれませんね(汗)。

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牡蠣に火が通ってふっくらと膨らんでいます。

では早速。

食む。

お、おいしい〜!!
すっごい甘みとうまみ。
口に入れた途端にうまみが口いっぱいに広がります。
それに牡蠣の甘みが重なって美味しい!!
醤油などかけなくてもこのままで十分美味しいです。
お酒のおかげか、臭みは全くありません。
柚子をちょっと絞ると爽やかさがプラスされてまた違った美味しさ。
食べた後の昆布も裂いて食べてしまいました。
これはいいですね〜。
殻付きの牡蠣って、家庭ではなかなか難しいですが、これならパック入りの牡蠣でも殻焼きのような味わいを楽しめて、さらに昆布のうまみもプラスされるのでとってもいいと思いますよ♪
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立春大吉もち。

いやー、浅田選手すごかったですね。ほんと、素晴らしい人ですよ。
オリンピックの感想はそのうちきちんと書きたいと思いますが、まだ興奮冷めやらぬって感じで、ビデオ見まくっています(笑)。

さて、今回はみをつくし料理帖です。

今回は、第九巻「美雪晴れ」より

立春大吉もちです


師走に入ってにわかにあわただしくなる世間。
今年一年の締めくくりとして、つる家の主人種市は、料理人の澪に「嫌なこと、哀しいことの多かったこの一年を締めくくる料理を考えて」と頼みます。
その注文に澪は、初春を寿ぐ言葉で縁起がいいとされる「立春大吉」という言葉を料理に用いたいと考え、それには「餅」が合うのでは、と思いつきます。
もちろん、澪が単純におもちを使うはずもなく、思いがけない食材で、餅のような味わいを作り出すのでした。

この料理は、一口で説明するのは難しく、食材の取り合わせの妙が光る料理になっています。
餅のような食感を生み出すのは蓮根。
卸して火を入れると、もちもちとした食感になるのです。
蓮根は「見通しが良くする」吉祥な食材。
でもそれだけでは物足りず、冬に美味しくなるものは風邪に効くという母の教えを思い出し、蕪と合わせることで甘味を増し、さらに「腰が曲がるまで元気に」という海老を使って、お腹いっぱいに福を詰め込んでもらう料理になりました。
蓮根、蕪をすりおろして海老をたたいたもの、卵白、上新粉を合わせて蒸し、表面をごま油でこんがりと焼いて醤油で香りをつけたら出来上がり。

もちろん坂村堂さんもご満悦の感想を述べていますが、正直言って、読んでいても味を想像するのが難しく、何となくさつま揚げみたいな物かなぁと思ったのですが、さてどうでしょうか。

早速作ってみました。

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蓮根、蕪、海老、卵白、上新粉、塩が主な材料です。

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材料を良く混ぜて蒸します。

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蒸す作業が2回ありますので手間はかかりますね。
蒸すとおもちのようなるということですが、私の作ったものはかなり柔らかかったです。もちというか、クリームコロッケの種みたいな。手水をつけて小判型にまとめるとやりやすいです。
ごま油でこんがり両面を焼く。
醤油を鍋肌に回しかけて出来上がり!

すごくいい匂い。
実は焼いている間もフライ返しや箸に種がくっついてひっくり返すのはかなり難しかったです。そういう点で確かにおもちっぽいですね。

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ではさっそく。

食む。

!おいしい!!
これは…。
すごく不思議な食感。
私おもちは苦手なんですが、確かにおもちみたいなねっとりもちもちした食感はあります。でも口の中でとろけていくような感じなのです。
そして表面のカリッとした香ばしさ、醤油とごま油のいい香りと本体のエビの美味しさ、蕪や蓮根の甘さが絶妙に口の中で混ざり合って美味しいです。
どこかで食べたことがあるような懐かしいような気がするのですが、その何かが思い出せず、でもすんなり美味しいと思える美味しさ。
海老真薯みたいな感じでしょうか。
語彙力が乏しく本当に申し訳ないことです(汗)。
うーん、不思議。
一つはそれほど大きくないのですが、結構お腹にたまりますよ。

見た目に派手さはないのですが、口の中では美味しさによってなんだか明るくなっておめでたい気分になる不思議な料理です。
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みをつくし料理帖新刊・美雪晴れ 感想

ついに出ました♪
みをつくし料理帖シリーズ最新刊「美雪晴れ」です。

ようやくご寮さんの幸せが見えてきた所から今回はスタート!
そして澪も・・・。
野江を救う金を工面するための商いを始めるには、どうしたってつる家と決別しなければならない。
いつ?どうやって?
今までつる家を中心とした話を読んできた読者にとっても、そんなこと想像もつかないこと。
まして女の身で、吉原という大きな未知の世界で商いをしなければならないなんて、澪自身全く見通しが立つはずもなく・・・。
とは言いつつ、月日は流れ、澪のあずかり知らぬところで吉原の再建は容赦なく進んでいきます。
まだまだ時間はある。
そう読者も澪も思っていたはずが、そうのんびりしてもいられなくなっていきます。

正直、前巻、今巻とどんどん話が進んでいって、もう少し澪のために時間をあげて〜って、お願いしたくなるほどです。
でもこのスピード感が、澪の感じている不安、緊張を読者にも伝えてくれいるようです。

今とにかく一読したばかりで、最後の最後、衝撃のお知らせを読んだところなので、感想をまとめようにもまとまらない感じです・・・。
だってだって!

次巻

最終巻!

おお・・・。
寂しいよう〜!
つる家、種市さん、ふきちゃん、りうさん、おりょうさん、坂村堂さん、清右衛門先生、みんなと会えなくなるなんて!!

寂しい・・・。

でも!
やっぱりスターウォーズじゃないけど「新たなる希望」がいろいろ見えたお話でしたね。
なんといっても若旦那・佐兵衛さん!
貧しいながらも全然すれてない、育ちの良さは争えないもので・・・。
初めて正式につる屋を訪れた佐兵衛一家。
前回の邂逅以来、なかなか母を訪ねなかったのは、新しい土地で生活の基盤を立てて、心配かけないように、身の回りの着物なども見苦しくなく整えるために時間が必要だったのかなぁなんて、想像してしまいました。
しかし、佐兵衛さんの奥様は結構上品ですね。もしかしてしのぶさんのように、もとはちゃんとした家の出で、家のためにやむなく・・・って感じかも、ってこれまた要らぬ想像をめぐらせております(笑)。
それにしても、婚礼の前日あまりにも自然に包丁を握る佐兵衛さんに涙が出そうになりました。
母のために出来る精一杯のお祝い。それこそ昔父に仕込まれ、自ら研鑽した技。
それが自然に出来るなんて・・・。佐兵衛さんはどんな気持ちで包丁を握ったのか。
だって釣りしのぶを持ってくるでもなく、植木を持ってくるでもなく、捨てたはずの技で母を祝う。
捨ててない、捨ててないんよ!
また、その背中を声もなく見つめる澪の緊張感、私も同じ思いを味わっていましたよ!
天満一兆庵そのものの背中を見つめつつ。ずっと目標として求めていた背中を見つめつつ。
この時間が永遠に続いて欲しい・・・。一緒に包丁を握っていたい。澪はそう思ったんじゃないかな。
とにかく、佐兵衛さんが包丁を握る場面は名場面ですよ。

前巻、あまりにもあっけないと感じた天満一兆庵の終焉に、光が差した瞬間ですよね。

坂村堂さん!
あんたええ男や!
坂村堂さんはずっと好きでしたが、いいキャラですよね〜。

なんだかまとまりませんが、今回の一回目の感想ということで。
澪についてとか、全然書いていませんので、また書くかも知れませんけど!
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