赤い激流・第十七回レビュー

2011.09.18 Sunday 20:13
hirorin


コンクール当日。実は審査員の前で、訴えた。「内規により田代敏夫という素晴らしい才能が消えようとしている。尊属殺の容疑者、それだけで出場を認めないのはばかげている。犯罪の容疑くらいで、音楽的才能を見捨てるのか。それはこのコンクールをつぶすことだ。くだらないことは忘れて、音楽だけを愛してください。田代敏夫のピアノを聞いてあげてください。音楽の前に人間は平等だ。音楽の才能を発見するのがあなた方の仕事だ。真実の音楽を殺さないでいただきたい」一人の音楽家として、大沢実が頭を下げた。
「実君。わかった。田代敏夫を出場させる」宮島学長が、敏夫の出場を許可した。
変わって検察庁。
武が相変わらず中川検事に頼み込んでいるところに、山田弁護士が、華江を連れてきた。敏夫が東京を出たのは、華江が無理やり連れだしたからだと。華江の証言だけでは信じられないと言う中川に、山田は証人をもう一人連れてくる。信一だった。信一は、確かに華江が敏夫を連れ出すのを見たと言う。今から裁判所が保釈を認めるのでは間に合わないため、検事の権限で即保釈にしてほしいと信一は中川に頼んだ。
信一は、「華江さんのためじゃない。父さんのために証言した」と言って、部屋を出て行った。
拘置所から敏夫が出てきた。武と由美子はそれを迎えるが、敏夫の手を見て、武は仰天する。やけになった敏夫が拘置所の壁で手を傷つけ、血だらけだったのだ。こんな手では、ピアノは弾けないと言う武に、敏夫と由美子は、ピアノを弾かせてほしいと頼む。怒っていた武だが、由美子の剣幕に押されて、ピアノを弾くことを許可する。
コンクール会場では、敏夫の順番が来ていた。会場の客席入口から姿を現す敏夫。舞台に近づきながら、武は、「私や由美子、田代君を愛しているなら、その愛をこめて、力いっぱい弾いてくれ」と最後に話す。舞台に上がろうとする息子を止め、由美子は血だらけの手を口で拭い、送り出す。敏夫が弾き始める。由美子は泣き崩れながら聞いていた。
演奏が終わる。武は、「技術はともかく、最高に心のこもった美しい、きれいなカンパネラだった」と弟子をほめた。敏夫は、「これからは、先生のために、母さんのために、おやじのために、俺を愛してくれるみんなのために、弾いて弾いて、弾き続ける」と宣言する。


感想

今回は、なんというか・・・いろいろとアレな回だった。

まぁ、最もアレな内容は、最後に回すとして。

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