赤い激流・第十八回 レビュー

2011.09.20 Tuesday 22:43
hirorin


第十七回はコチラ

「死刑判決に父と母の涙」

あらすじ

敏夫の判決が出る裁判が、2日後に迫った。判決の内容を恐れておびえる由美子だが、敏夫はひたすらピアノを弾いてすごし恐怖と戦っている。ピアノの音色を聞いて、武は由美子を励まし、妹の妙子は涙した。山田弁護士は、今のままでは敏夫に死刑判決が下る見通しが高いと説明する。しかし、高裁、最高裁まで戦うと言う。五年、十年はかかると言う山田に武は反論する。「そんなに待てない。ピアノが弾けなくては、敏夫君は生きている甲斐がない。敏夫が生きるには、高裁も最高裁もない。明後日の判決を無罪にするしかない」そのためには、真犯人を見つけるしかなかった。
大沢家に、髪を切ってさっぱりした明彦が訪れた。毎朝コンクールの本選の課題曲が決まったと言う。ベートーベンのテンペスト。明彦は二次予選で敗れたが、敏夫に優勝してほしくて、伝えに来たと言う。敏夫は明彦の分まで頑張ると宣言し、二人は握手を交わした。
敏夫が武のテンペストの楽譜を開くと、由美子が若いころの写真が挟まっていた。
武は弟の実とともに、検察庁の信一のもとへ行き、敏夫の無実を証明する方法を尋ねる。
信一は、敏夫が犯人だと納得させるため、本当は許されないことだが、検察庁の資料室へ二人を通し、資料を読むように話す。信一は父武の姿を見かねて、清司が死の前に言った、「これから1億円持ってくるやつがいる」という言葉を、もう一度洗いなおしたらどうかと去り際に言い残す。刑事は黙殺したが、1億円を持ってきた人間が清司に最後に会った人物には間違いない。武は、今まですっかり忘れていた事実を、実に話す。実は、それを聞いてアメリカに発つ前、宮島家の人間が清司にゆすられていたことを思い出す。宮島学長がゆすりの理由を実に教えるという約束を果たしてもらうため、宮島家に乗り込む。東山夫妻は、宮島学長が不在だと言い、武をゆすり呼ばわりし、名誉棄損で訴えると怒る。実は、宮島学長が真実を話す約束をしていたことを理由に迫るが、そこへ宮島あやが「大沢家や敏夫のことは心配しているが、ゆすられていた事実はない」と断言する。学長は、宮島家にはいなかった。
その押し問答を明彦が聞いていた。明彦は華江に武と実の訪問を話す。東山夫妻とあやは、華江を止めるが、武や敏夫の窮状を黙ってみていられない華江。あやは、そんな華江に迫る。「あなたも宮島家の人間なら、私たちの苦しさが分かるでしょう。田代清司にゆすられていた事実が知れれば、宮島家も、大学もおしまいなのよ。大学を失って、おじい様はどうやって生きていくの?おじい様を苦しめないで」しかし、華江は祖父と敏夫への愛に心を裂かれながらも、敏夫に会って、宮島学長が入院している病院を話す。

[9] >>
comments (1)
trackbacks (0)


<< 赤い激流・第十七回レビュー
台風。 >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.23R]