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赤い激流・第十七回レビュー

第十六回はコチラ
「私の息子を殺さないで!」

あらすじ

毎朝音楽コンクール第二次予選まで、あと3日。
敏夫は大沢家でピアノを練習を続けた。今日は検察による論告求刑の日である。不安で一睡もできない大沢夫妻だが、武は、どんな求刑だろうと、敏夫君は私が守ると決意する。
裁判が始まった。検察側の証人として、大沢信一検事が呼ばれる。信一は、今までの敏夫に迷惑をかけられていたことを強調して・・・というより、ありのままに話す。乱暴でうそつき、自分に何度も喧嘩を吹っかけていたこと、何度も父親を殺したいと言っていたこと、妙子の気持ちを傷つけ、華江にちょっかいを出していたことも話す。弁護側の証人は武だった。武は、乱暴でうそつきということを否定し、繊細で、傷つきやすく、それゆえいつも悩んでいる青年だと証言する。真の芸術家が人を殺せるわけがないことを訴えた。
正反対の証言だが、検察側は、武が義理の息子、ピアノの弟子として敏夫をかばっていること、弁護側は、信一が華江にちょっかいを出す敏夫を憎んでいることを指摘する。
検察側の求刑は、尊属殺及び放火の罪で、死刑だった。
敏夫は死刑の求刑に絶望し、検察庁の屋上で父に「生きているなら出てきてくれ」と語りかける。そんな敏夫を華江は勇気づけようとし、敏夫は華江を連れて出かけようとするが、信一が止める。信一は敏夫と清司の今までの行為を責め、こうなったのも田代親子の責任だと言う。敏夫は、「自分が責められるのはいいが、父さんを侮辱されるのは許せない」と、信一を殴りつける。そんな二人を、東山夫妻は、冷笑的に眺めていた。それを武と由美子が止める。敏夫は、信一の大事な華江をめちゃくちゃにすると言って、華江を連れ去る。信一は、すぐに保釈の取り消しを求めようとするが、武と由美子に、「死刑の求刑をされたのだから、少し落ち着かないだけだ」と止められる。由美子が信一に取りすがって「あの子は華江さんに乱暴をするような子ではない」と、息子が死刑になる恐怖におののきながら訴えるさまを見て、「今回だけは見逃すが、次はない」と言って信一は去る。
敏夫と華江は、海辺に来た。帰れと言う敏夫に、華江は、命令されるのは嫌い!と言って、どこまでもついてくる。敏夫は、華江をめちゃくちゃにすると言って、襲いかかろうとするが、華江が無抵抗なのを見て、すぐにやめる。敏夫は、「あんたは信一のような上品な奴らに飽きているだけ。俺みたいのが珍しいだけだ」と言って笑う。華江は「確かに信一さんと婚約しているけど、私が好きなのはあなたです」と告白してしまう。
敏夫は、「何も信じられない。裁判所や検事に殺されるくらいなら自分で死ぬ」と、海に飛び込む。華江も追いかけるが、やはり敏夫は死にきれない。
華江に助けられ、海や空、自然が生きていることを感じて、「死にたくない。生きていたい」と漏らす。
東山夫妻は中川検事に敏夫が華江を連れて逃げたことを伝え、中川検事は、敏夫の保釈取り消しを決める。宮島家では華江のことを心配していたが、華江から電話があり、宮島家の別荘に二人でいることがわかる。敏夫はその別荘でひたすらピアノを弾いていた。武と由美子が別荘につくと、敏夫は「ピアノさえあれば、裁判も、死刑も、何もかも忘れて生きられる。俺は何も怖くない」と話す。その時、別荘に検事が来た。保釈を取り消すと言う。弁護士の山田は、たった一度、保釈の要件を破っただけで保釈取り消しはやりすぎだと訴えるが、聞く耳は持たれない。
宮島学長と、東山正彦が大沢家を訪れた。宮島学長がコンクールの審査委員長、正彦が審査員に選ばれたのだ。コンクールの内規では、犯罪の容疑者は、出場を認められないと言う。武には、どうしようもなかった。
拘置所で、武は敏夫に保釈が認められないことと、コンクールに出場できないことを伝える。敏夫はやけになり、「先生は俺をだました」と言って笑いながら面会室を出て行く。武は、自分の力のなさを謝るが、由美子はあなたを責められる人間は誰もいないと言う。
武の弟、実がアメリカのコンサートツアーから戻った。久しぶりに飲み屋で語り合う兄弟。法律と内規の前に、自分の無力さを嘆く武に、「法律は、人間が作ったもの。それは人間にしか壊せない。規則や法律よりも強いもの、それは真実だ。真実が、負けるはずがない」と、諦め顔の武を励ます。どうすればいいのかわからないと言う武に、「負けと決めてかかるのは兄貴らしくない。コンクールのほうは俺がやる。兄貴は検事のほうをあたれ。真実の塊になってぶつかれ。」「兄貴、相撲と同じだ」と、昔武が相撲で強かったことを上げて、「真実で思いっきりぶつかれそうすれば、相手はひっくり返る」と励ます。その言葉に、武は命懸けでやることを誓う。
コンクール当日。実は審査員の前で、訴えた。「内規により田代敏夫という素晴らしい才能が消えようとしている。尊属殺の容疑者、それだけで出場を認めないのはばかげている。犯罪の容疑くらいで、音楽的才能を見捨てるのか。それはこのコンクールをつぶすことだ。くだらないことは忘れて音楽だけを愛してください。田代敏夫のピアノを聞いてあげてください。音楽の前に人間は平等だ。音楽の才能を発見するのがあなた方の仕事だ。真実の音楽を殺さないでいただきたい」一人の音楽家として、大沢実が頭を下げた。
「実君。わかった。田代敏夫を出場させる」宮島学長が、敏夫の出場を許可した。
変わって検察庁。
武が相変わらず中川検事に頼み込んでいるところに、山田弁護士が、華江を連れてきた。敏夫が東京を出たのは、華江が無理やり連れだしたからだと。華江の証言だけでは信じられないと言う中川に、山田は証人をもう一人連れてくる。信一だった。信一は、確かに華江が敏夫を連れ出すのを見たと言う。今から裁判所が保釈を認めるのでは間に合わないため、検事の権限で即保釈にしてほしいと信一は中川に頼んだ。
信一は、「華江さんのためじゃない。父さんのために証言した」と言って、部屋を出て行った。
拘置所から敏夫が出てきた。武と由美子はそれを迎えるが、敏夫の手を見て、武は仰天する。やけになった敏夫が拘置所の壁で手を傷つけ、血だらけだったのだ。こんな手では、ピアノは弾けないと言う武に、敏夫と由美子は、ピアノを弾かせてほしいと頼む。怒っていた武だが、由美子の剣幕に押されて、ピアノを弾くことを許可する。
コンクール会場では、敏夫の順番が来ていた。会場の客席入口から姿を現す敏夫。舞台に近づきながら、武は、「私や由美子、田代君を愛しているなら、その愛をこめて、力いっぱい弾いてくれ」と最後に話す。舞台に上がろうとする息子を止め、由美子は血だらけの手を口で拭い、送り出す。敏夫が弾き始める。由美子は泣き崩れながら聞いていた。
演奏が終わる。武は、「技術はともかく最高に心のこもった美しい、きれいなカンパネラだった」と弟子をほめた。敏夫は、「これからは、先生のために、母さんのために、おやじのために、俺を愛してくれるみんなのために、弾いて弾いて、弾き続ける」と宣言する。


感想

今回は、なんというか・・・いろいろとアレな回だった。

まぁ、最もアレな内容は、最後に回すとして。

とうとう敏夫の死刑が求刑された。
検察側の証人・信一と弁護側の証人・武の意見の食い違いがここまで顕著なのは、かなり笑えるが、ここまで周囲の者に対する印象が違う敏夫という人間を、どこかの研究者が論文のテーマにしてもいいのではないかと思う。

あー、それにしても東山夫妻は頭にくる。あんたら一体何がしたいんだと言う感じ。検事に告げ口するわ、コンクールの審査員になるわ、いいとこなしである。この時点で、視聴者が考える容疑者No.1に、正彦先生が躍り出たはずだが、どうだろう。大体、息子の明彦がコンクールに出ると言うのに、審査員になるのはどうなんじゃ。それこそ辞退すれば?それを言うなら、宮島学長もだけど。孫が出場するんだもんね。

今回もおいしいところは実叔父さんが持って行ってしまった。
さらに、名言きた。
兄貴、相撲と同じだよ
ど、どどど、どこら辺がですかー?(@_@;)
と言うのは現代の視聴者の突っ込みであるが、ここでも時代を感じる。
当時の相撲人気は、それこそ現代と比べ物にならなかったんだろう。
「相撲だよ」というセリフで得心した視聴者が多かったんだろう。そうなんだろう。
そういうことにしておこうゼ☆
さらに、「尊属殺人、それだけで」とか「(殺人の容疑者だとか、)くだらないことは忘れて
・・・マエストロ・大沢実にしか言えないセリフであろう・・・。
凡人には、結構くだらなくないように聞こえるがな。

敏夫が海で自殺未遂。
華江が、敏夫の水難を救助するのは、これで三度目の春。
なかなか艶っぽいシーンであったが、なるほど、敏夫がカナヅチだという設定は、ここで生きてきたのね。海の波が結構高かったので、割と危険な撮影だったのだろう。宮島華江は、真っ赤なワンピースでの撮影だった。
本当に体当たりの演技だ。

そして残念だったのは、武が保釈になった敏夫の傷ついた手を見て、激怒するが、由美子の剣幕に押されてピアノ演奏を許可する・・・というところ。これが、かなり駆け足になっちゃって、視聴者的に「なんだったの、いまのは・・・(?Д?)」と、ぽかーんとするシーンになってしまった。「時間が足りない詰め込み最終回」みたいな駆け足シーンだった。
しかし、敏夫の演奏が、完璧で素晴らしいと言うことにしなかったのは好感が持てた。武も、「技術はともかく」と言っている。いくらなんでもほとんど本物のピアノで練習していないのに、最高の演奏というのは嘘であろうから。そこはバランスが取れていてよかった。

とにかく、今回のピアノ演奏で、敏夫はピアノを弾くことが自分の人生であること、さらにピアノを弾くことは武、由美子、清司、さらには自分が愛する者のためであることを悟る。今までひたすら恩返しの為に弾いていた敏夫から、一つ成長したと言えるだろう。

さて、最後に、最もアレな部分。
今回は編集の問題だが、また時系列が狂っちゃったんだよね。
コンクールが始まって、観客席にいたはずの華江が、なぜか次のシーンで検察庁にいて、敏夫のために証言する。で、喜んだ武と由美子が敏夫を連れてコンクール会場に来ると、また華江が客席にいる・・・と。ちょっとつじつまが合わないのでした・・・。

第十七回につづく・・・。
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Comments

キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/19 10:45 AM
この第17話はYou Tube にアップロードされております
キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/19 01:26 AM
ちなみにラカンパネラは大学の時も映画研究会で実際にフィルム撮影でラカンパネラというタイトルのドラマを作ったことがありますがこの時のラカンパネラの演奏は当時ピアノを専攻していた当時の現役の女子大生の方にお願いしましたが彼女は教育実習の時もラカンパネラを弾いたそうですが生徒はもう赤い激流を知らなかった笑
キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/19 01:14 AM
ちなみに岸辺のアルバムのテーマ曲のジャニスイアンのWill you dance?も名曲なので是非お聞きくださいてか赤い激流のハゲ死いいや激しい音楽のあとにこの岸辺のアルバムのテーマ音楽を聞くといつもホッとしました笑
キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/19 01:08 AM
ちなみに岸辺のアルバムは現在はなんとかつてキャンディキャンディがそうだった講談社の少女漫画シリーズKC なかよしシリーズの少女漫画としてなんと出版がなされていてこちらはキャンディキャンディとは違って封印絶版状態ではないので是非一度読まれることをお薦めします
キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/19 01:03 AM
キャンディキャンディの封印と赤い激流の時系列ミスいやもはやここまでいつも時系列がおかしいとミスとは呼べなくてわざとやっているような気もしないではないけれどまあとにかくそのせいでDVD 化できないというのは国家的な損失のような気がしますというか商品にならないわけだ岸辺のアルバムはTBS オンデマンドで商品になっているちなみに岸辺のアルバムは赤い激流のこの回がリアルで放送された1977年昭和52年9月23日の次の週が最終回で本当は岸辺のアルバムのネタバレもしたいところですがこれまたなかなかハゲ死いいや激しいドラマなので今回取り上げるのは見送りますが次週いや次回はあまりにも感動的なラスト感動的な名台詞なのでコメント致します
キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/19 12:47 AM
キャンディキャンディのイライザ赤い激流の緒形拳前田吟と赤い疑惑の長門裕之赤い運命の三国連太郎赤い衝撃中条静夫赤い激突の前田吟は悪役としてはどれも最高ですね爆笑もっともキャンディキャンディの場合一番意地悪な悪役は作者ということになるのかもしれないがこれを書くと話が脱線するのでやめておくが実際にこれのためこのキャンディキャンディが封印状態に追い込まれてしまってます
キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/19 12:28 AM
Rの女のネタになったのはアメリカのミステリー作家のウイリアムアイリッシュの幻の女というサスペンスですちなみに意外な人物がR の女ということになりますけどそれはひみつひみつひみつひみつのアッコちゃんだ爆笑
キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/19 12:20 AM
ちなみにマジレスですがラカンパネラといえば個人的にフジコヘミングさんのラカンパネラが最高だと思います
キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/19 12:17 AM
あと時系列といえば今年のカレンダーはこの赤い激流が放送された1977年昭和52年と全く同じなので私は今年のカレンダー今年の曜日今年の月日を調べる時には脳内の1977年昭和52年のカレンダーを使っていますがこれは単に私がバッバアということだけなんでしょうけど爆笑
キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/19 12:11 AM
ちなみに冠婚葬祭の時にこのラカンパネラを使ったのは親類友人の結婚式の時であと最近ではオルゴール編曲のラカンパネラをこれまた赤い激流のようにハゲ死いいや短くも激しい一生を送って三十三歳でこの世から去った後輩の葬式の時にいくら何でもその若さで葬送行進曲のBGM だけでは可哀想だろうということでまあ特別にラカンパネラを彼女の告別式葬式でかけたことがあった
キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/19 12:00 AM
今回でラカンパネラの放送はいったん終了ということになるがクライマックスになるともう一度出てくることになるがこれはネタバレということになりますのでそれは秘密秘密秘密秘密のアッコちゃんということにしますね時系列の不自然さは相変わらずのようですがこの1977年昭和52年9月23日金曜日秋分の日夜9時から放送したこの回に限っては恐らくラカンパネラが大好きなスタッフがラカンパネラをBGM にしてドラマを作ろうとして少し冒険無茶をしすぎたのではないのかとフォローをします全く個人的な話ながら私は自分が作ったドラマBGM にラカンパネラを使ったしそのドラマのテーマの音楽にもラカンパネラを使ったし個人的な冠婚葬祭時の音楽にもラカンパネラを使ったし中学校の時のダンスの音楽にもラカンパネラを使ったし個人的なデートの時の音楽にもラカンパネラを使ったしとにかく私はこのラカンパネラこの曲が大好きで使って使って使って使いまくった爆笑

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