赤い激流・第十四回

2011.09.14 Wednesday 20:26
hirorin


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「あゝ晴れのコンクールの日殺人罪で!」

敏夫と武が毎朝ホールでのピアノ練習を終え、自宅に戻ると、なんと由美子が田代清司の殺人容疑で逮捕された後だった。敏夫と武は、警察に赴き、由美子の無実を訴えるが、夫と子供の証言は相手にされない。由美子は実際清司を殺すつもりだったが清司の改心を知って9時過ぎにマンションを出ていた。由美子を救うには弁護士が必要だった。武は全く心当たりがないが、検事である信一が優秀な刑事事件専門の山田タメ子弁護士を紹介してくれる。由美子は面会に訪れた二人に、本当のアリバイを話す。マンションを出た後、東山正彦が不倫相手のクラブのママと会っているところに出くわしていたのだ。由美子は正彦に、大学での復職をその場で頼み込んでおり、正彦はここで自分と会ったことを黙っていれば、考えてもいいと答えていたのだ。武は早速正彦に証言を頼むが、不倫の発覚を恐れた正彦は知らないと答える。さらにアリバイは、息子の明彦とピアノのレッスンをしていたと答えるのだった。それを聞いた敏夫は、明彦を呼び出し、刑務所の前で、母を犯罪者にする気かと迫る。敏夫は明彦を殴るが、自分も殴り返して来いと、何かの配管用と思われるパイプを渡す。明彦は敏夫を殴りつけるが、やがて泣きながら謝り、敏夫のように強くなりたいと訴える。
正彦のもとに帰った明彦は、勇気をつけるために、敏夫の洋服を着ていた。正彦に反抗し、真実をすべて話す。明彦は、正彦に脅されて嘘をついていたのだ。妻の菊子にばらすと言われ、あわてて警察に証言する正彦。明彦は、正彦に初めて反抗したことで、自分の何かが変わったと、敏夫に礼を言った。由美子は晴れて釈放された。
しかし、真犯人は分からない。清司のマンションに残された血で汚れた白バラが最後の手がかりだった。江上刑事は、清司のマンションで聞き込みをする。隣の部屋の女性が、白バラのことは知らないが、犯人は清司の息子だと決めつける。かつて敏夫が清司を絞め殺そうとしたところを目撃した女性だったのだ。その話を聞いて、江上刑事は敏夫に目を向ける。敏夫は、事件の日清司との乱闘でボロボロになったスーツを、洋品店に修理に出したが、尾行していた刑事によって、押収される。信一が江上刑事を伴って大沢家に現れた。大沢夫妻を二度にわたって誤認逮捕したお詫びを言うためだ。そこで事件の当日、敏夫が白バラを身に着けていたことを華江の話で知る。信一は、話の成り行きを黙って聞いていた。華江は信一に、「叔父様と叔母様の容疑が晴れ、コンクールはすぐ。良かったわね」と話しかけるが、信一の表情は晴れない。「嵐の前の静けさかもしれない・・・」とつぶやくだけだった。

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