SWEET SWEET SWEET

ケータラーのゴルディが数々の災難に見舞われながらも、大事な人を守るため、または自分を守るため危険な殺人事件をケータリングの仕事の合間に捜査して解決しちゃうという話。
なんとシリーズ１２作目。
まぁ、１２作目までくるとマンネリ感も否めませんが、ゴルディのその後が気になって買ってしまいます。
ここまで来ると、水戸黄門とか寅さんみたいに話の流れが予測できてしまう『偉大なるマンネリ』具合がまた良かったりして。

主人公がケータラーだけあって、作中で作られる料理、スイーツ（チョコレート好きは特に必読！）の数々がほんとにおいしそう！レシピまでついてます。
レシピは作者自身が料理好きなだけに、ものすごく本格的。
すごく凝ったサラダや前菜・メインディッシュ・デザートの数々。材料も最高級のものを使うことを要求されます。レシピのまま作ったら、かなり豪華なディナーが出来ますよ。
ま、超金持ち相手のケータリングで、アメリカーンなレシピなのでカロリーも相当。高脂肪、高たんぱく質、高炭水化物・三拍子そろってます。
ゴルディはヨーロピアンな料理が好き。
ゴルディの旦那のトムはメキシカン料理の達人です。
たまに低脂肪料理と銘打っていても、日本人の感覚ではついていけない油の量。（単に、バターをサラダ油に変えただけでは？と突っ込みたくなる場合もしばしば…）
特にスイーツに使われる砂糖の量には目を見張ります。
しかし、たまに手軽に作れるものも配置してあったりして、作者の気配りを感じます。

いくつか実際に試したこともあるんですよ。
おいしかったのは、
スカウトのブラウニー、シュリンプ　オン　ウィールズ（えびのチーズクリームパスタ）、中華風牛肉の炒め物（これは家族絶賛！）
逆にどうしても「…？( ＞Д＜；)」と、理解不能だったのは、
キラーパンケーキ。
病気になった親友・マーラのために開発された低脂肪の朝食。
しかし！
サラダ油、砂糖の量が半端でない！
砂糖なんて溶けきれずに、焼いた後、ぷつぷつと後が残るほど！
甘すぎて、申し訳ないけどゴミ箱行きでした…。
でも、食文化の違いか、ゴルディの息子はこのケーキにさらにシロップをかけて、ホットチョコレートで「朝ごはんとして」流し込んでいた…。
(´-ω-`)
後、ミスプリントなのか、作者の勘違いか、どう考えてもそのままの量では再現不可能のレシピがあって、いまだに試すのをためらわれるものがあるのですが、
このシリーズを読んでいる方、もしいらしたら意見ください。

今回のレシピでイッチバンおいしそうなのが、手錠形のクロワッサン。マジで読みながら唾出ました。料理の過程や、食べ物の描写がホントにうまいんですよね。
だって、
「半分に切ったクロワッサンに、カニ肉とアーティチョーク、ワケギをマヨネーズとチーズで和えたものをはさみ、にんにくとパン粉、パセリをバターでいためたものを上からまぶし、オーブンに入れる。チーズがぐつぐついう頃にはクロワッサンのはじっこがカリカリに焼きあがっている」っていう料理ですよ！！
まさにダイエッターの敵！！っていう料理ですが、おいしそうでしょ？

今回、ゴルディの前夫（ジョン・リチャード）がついに殺害されてしまいます。
かなり衝撃でした…。
（ネタばれになるので詳しくは言えませんが）ソレを言うならかつて、あの二人が殺されたときもびっくりしたけどね…。
こうなったら、次はジュリアンか、リズが危ないな…（笑）。

あ、でも、表紙のイラストレーターさんが変わってしまったのもちょっと寂しい…。かなり独特でしたからねぇ。
また、今まではレシピが話しの途中で出てきたんですが、今回からは巻末。途中のほうが、味を想像したり、ゴルディの調理過程を想像できたりして、楽しかったんですがね。
今回はいろいろ驚かされました。

ミステリーなのにものすごくお腹の空く本です･･･。