赤い激流・第五回 レビュー
なんだかすごく読みにくくなっていますね(笑)。
赤い激流・第二回目レビューを再アップしました。
なぜか改行が反映されないのです。非常に読みづらいですが、すみません。
治せれば治したいです・・・。
第四回レビューはコチラ
「きかせてよ愛の曲を」
あらすじ
武の手の痛みはひどくなるばかりだ。
敏夫のコンクールまで、一秒も無駄にできないと、大沢家で連日レッスンを行う。英雄ポロネーズに込めたショパンの心を敏夫に説く武。
武を苦しめるため大沢家に居座る田代清司は、毎日その音色を聞かされている。課題曲である英雄ポロネーズは、武に敗れた過去の自分を思いださせ、逆に清司は追い詰められていくのだった。そんな時、武の誕生祝のため、親戚一同が大沢家を訪れる。必死で清司を隠す敏夫だが、清司は、訪れた人間が宮島学長であることを思い出す。清司はいまだに、学長と武が手を組んで、不正にコンクールの審査を操作し、自分が負けたと思い込んでいた。誕生会の席で、学長や華江に請われてピアノを弾くことになる敏夫。ほんのさわりの部分だけだったが、学長や華江の盛大な拍手を得た。思わず学長の前に姿を現す清司だが、武の弟・実が間一髪で訪れ、その場をうまくごまかした。別室で実に叱責される清司は一瞬気弱な表情になり、つぶやいた。「幽霊にだって心はある。どうしても辛抱できないときが、あるんだ・・・」由美子はいっそのこと自分が大沢家を出ていくことを提案するが、実はそれよりも清司を警察に引き渡すことを提案。武は、清司だけ不幸にすることはできないと強硬に反対する。「彼も苦しいのだ。同じ芸術家として、痛いほど気持ちがわかる」と言って、清司をかばう。実は武の人の好さに呆れるが、兄らしいと溜息をつく。
敏夫のレッスンは続く。その音色をずっと聞いていた清司は、由美子に「敏夫はうまくなった。大沢の指導力にだけは、兜を脱ぐ」と漏らすのだった。
武の息子・信一は検事としてこのような生活に我慢が出来ず、警察に公文書偽造と不法入国の容疑で引き渡す。
清司は武に陥れられたと叫ぶが、連行されてしまう。信一が独断でやったことだが、敏夫は武を責めなかった。父の連行を冷静に受け止め、大沢家は出ていかないし、レッスンも続けると宣言する。
清司が逮捕されたことで、結果的に二重結婚になってしまったことが宮島音楽大学のスキャンダルとして報道されてしまった。
宮島家に謝罪に訪れた武と由美子は、宮島学長から、スキャンダルに関係している敏夫は、権威と格式を重んずる毎朝音楽コンクールには、出場すら難しいと言われる。遅れて宮島家に謝罪に来た敏夫はそれを聞いて、宮島家を飛び出した。
由美子は学長の娘・菊子から清司との復縁を迫られるが、それは拒否し、単に大沢家から出ていくと申し出る。しかし武は、絶対に由美子を幸せにする、絶対に離さないと宣言。由美子もできることなら武と離れたくないと涙ながらに訴える。それを聞いた学長の妻・あやは、二人は絶対に別れるべきではないと応援する。学長も、しぶしぶ、今回は二人を許すのだった。
宮島家を飛び出した敏夫は、華江にデートに誘われる。敏夫は、コンクールに出られず、武の夢をかなえられないと自暴自棄になるが、華江に説得され、コンクールに出られずとも、武のピアノの腕を継ぐことを改めて決心する。
検察庁を訪れた武は、検事である信一に、清司のための保釈金を渡す。呆れる信一だが、武は「人を不幸にして、自分だけ幸せでいることなどできない」と、いつもの理論で息子に迫る。信一は、「父さんの人の好さにはついていけない、けれども、それが父さんだ」と、あきらめたように言うと、保釈金を受け取り、最後は父に笑顔を向けるのだった。
信一は、敏夫に父親が保釈になることを告げる。武が金を工面したことも説明した。「これ以上お人よしの父に付け込まないでくれ。今後大沢家に近づくな」信一からの命令を、敏夫は黙って聞いていた。
保釈の知らせを聞いた清司は、「裁判が始まるまでに大沢をめちゃくちゃにしてぶっ潰す」と宣言。保釈金の出所を聞いても、それっぽっちで、自分の人生をめちゃくちゃにした罪は消えないと言う。敏夫は、それなら自分は大沢家を出て、レッスンもやめるから、武と由美子に手出しはしないでくれと頼む。由美子手を出したら、「父さんを殺すかもしれない」とつぶやく。
清司は、そんな息子と、無言でにらみ合った。
その夜、敏夫は大沢家を出た。祖国のために戦い、それでも敗れ首都を占領された人々のように、敏夫も清司に敗れてしまった。
保釈の日、拘置所の前で待つ敏夫に、武と由美子が近づいた。二人は敏夫を大沢家に連れ戻すために来た。
敏夫は武に、大学を辞め、コンクールもあきらめ、清司と二人で暮らすことを告げる。武は敏夫を激しく叱責する。「スキャンダルがあったくらいでコンクールをあきらめるな。すべてに勝つほど練習しろ、余計なことは考えるな!」しかし、敏夫は武にすがりついて言う。「わかっている。わかっています!でも・・・どうにもならないんです」清司が拘置所の門から出てきた。敏夫は清司に何か言わせる隙を与えず、車に押し込んで走り去る。敏夫は初めて、なぜ父は生きて帰ってきてしまったのか、と考えていた。
武は息子と弟子を一度に失った悲しみに、絶望していた。
毎朝音楽コンクールまで、あと3か月。
感想
うーん。辛い。みんな辛いね。
そんな中の笑えるポイント。
宮島家に謝罪に来た大沢夫妻。
スキャンダルを責められ、親戚一同の前で、別れる別れないの愁嘆場を演じることになる。
「由美子さん、君は、私と別れるというのか!?」とか何とかやりだしたのを見て、前田吟が「君、そういう話は帰ってやりたまえよ」と至極まっとうな意見を言う。
しかし武はすかさず
「あなたは黙っててください!」と喰い気味に一喝。
そして、怒涛の二人の愛の告白場面へなだれ込む。
多分、前田吟の台詞は「おいおい、ここでやるのか!?」という、視聴者全員が思っていたことの代弁と思われるが、あっさりとその思惑は武に封じられる。
つまり、このシーンを親戚一同の前でやることはありえないってことはスタッフも分かっていたのだろうが、その違和感を「あなたは黙っててください」という台詞によって解消したということだろう。
しかしその笑えるポイントの後に襲ってくるのが感動ポイントだ。
ほんと、このドラマは笑ったと思った直後に泣かせてくれるので、息つく暇がない。コメディならば最高の流れなのだが、困ったことに、このドラマはコメディではない。
感動するのは、武の由美子への愛だ。未亡人だった彼女を幸せにしたいと、武は考え抜いて結婚した。「結婚した以上、私は由美子を最後まで守り抜く。共に生きていく。それが結婚ではないか」
それを聞いて、由美子も泣きながら心情を告白する。武とは離れたくはないが、大沢家のために身を引くしかないという切ない女心。
ザ・昭和を体現する女優・松尾嘉代の面目躍如である。
その話に感動した宮島あや(赤木春江)は、二人を応援する立場を取る。
私も武の結婚観に感動した。結婚したら一蓮托生・相手に不都合が現れたとしても、二人一緒に乗り越えていくのだ。逃げたりしない。
それだけの覚悟を、現代のコンクリートジャングルで、どれだけの人が持っているだろうか?
赤木春江演ずるあやは、あの体裁を重んじる宮島家の中にあって、華江と共に人を色眼鏡で見ない人物だ。敏夫に対しても、乱暴な様子を見せられても、若くて元気がいいのはいいことだというスタンスをくずさない。今回のスキャンダルに対しても、宮島家の他の人々が非難するだけなのに対し、彼女は大沢家を心から心配している。やはりいいおばあちゃんである。
そして今回、見逃してはいけないポイントがある。
拘置所の前での武と敏夫のぶつかり合いである。
大沢家から姿を消した敏夫。レッスンを辞め、大学も辞めるという義理の息子を、武は頬をひっぱたいて叱る。いつもの「余計なことを考えず、一流ピアニストになれ!」というアレだ。
しかし、幾度となく視聴者の心を打ってきた武の叫びは、今回初めて、むなしく響く。
視聴者は、武の知らない敏夫の真の思惑を知っているからだ。
敏夫とて、武と心はひとつなのだ。師と共にありたいと心から願っているのだ。
「分かっている、分かっています!」という切ない叫びで私の涙腺は崩壊。
しかし、清司がいる限り、それはかなわない。この師と弟子の心のズレを、視聴者は痛いほど感じて、今回は武に同調できないのだ。
そして、同調できないストレスによって、敏夫と同様、清司に対して「なぜ生きて帰ってきた」と不満を募らせることになる。
困ったもんだ。
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赤い激流・第二回目レビューを再アップしました。
なぜか改行が反映されないのです。非常に読みづらいですが、すみません。
治せれば治したいです・・・。
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「きかせてよ愛の曲を」
あらすじ
武の手の痛みはひどくなるばかりだ。
敏夫のコンクールまで、一秒も無駄にできないと、大沢家で連日レッスンを行う。英雄ポロネーズに込めたショパンの心を敏夫に説く武。
武を苦しめるため大沢家に居座る田代清司は、毎日その音色を聞かされている。課題曲である英雄ポロネーズは、武に敗れた過去の自分を思いださせ、逆に清司は追い詰められていくのだった。そんな時、武の誕生祝のため、親戚一同が大沢家を訪れる。必死で清司を隠す敏夫だが、清司は、訪れた人間が宮島学長であることを思い出す。清司はいまだに、学長と武が手を組んで、不正にコンクールの審査を操作し、自分が負けたと思い込んでいた。誕生会の席で、学長や華江に請われてピアノを弾くことになる敏夫。ほんのさわりの部分だけだったが、学長や華江の盛大な拍手を得た。思わず学長の前に姿を現す清司だが、武の弟・実が間一髪で訪れ、その場をうまくごまかした。別室で実に叱責される清司は一瞬気弱な表情になり、つぶやいた。「幽霊にだって心はある。どうしても辛抱できないときが、あるんだ・・・」由美子はいっそのこと自分が大沢家を出ていくことを提案するが、実はそれよりも清司を警察に引き渡すことを提案。武は、清司だけ不幸にすることはできないと強硬に反対する。「彼も苦しいのだ。同じ芸術家として、痛いほど気持ちがわかる」と言って、清司をかばう。実は武の人の好さに呆れるが、兄らしいと溜息をつく。
敏夫のレッスンは続く。その音色をずっと聞いていた清司は、由美子に「敏夫はうまくなった。大沢の指導力にだけは、兜を脱ぐ」と漏らすのだった。
武の息子・信一は検事としてこのような生活に我慢が出来ず、警察に公文書偽造と不法入国の容疑で引き渡す。
清司は武に陥れられたと叫ぶが、連行されてしまう。信一が独断でやったことだが、敏夫は武を責めなかった。父の連行を冷静に受け止め、大沢家は出ていかないし、レッスンも続けると宣言する。
清司が逮捕されたことで、結果的に二重結婚になってしまったことが宮島音楽大学のスキャンダルとして報道されてしまった。
宮島家に謝罪に訪れた武と由美子は、宮島学長から、スキャンダルに関係している敏夫は、権威と格式を重んずる毎朝音楽コンクールには、出場すら難しいと言われる。遅れて宮島家に謝罪に来た敏夫はそれを聞いて、宮島家を飛び出した。
由美子は学長の娘・菊子から清司との復縁を迫られるが、それは拒否し、単に大沢家から出ていくと申し出る。しかし武は、絶対に由美子を幸せにする、絶対に離さないと宣言。由美子もできることなら武と離れたくないと涙ながらに訴える。それを聞いた学長の妻・あやは、二人は絶対に別れるべきではないと応援する。学長も、しぶしぶ、今回は二人を許すのだった。
宮島家を飛び出した敏夫は、華江にデートに誘われる。敏夫は、コンクールに出られず、武の夢をかなえられないと自暴自棄になるが、華江に説得され、コンクールに出られずとも、武のピアノの腕を継ぐことを改めて決心する。
検察庁を訪れた武は、検事である信一に、清司のための保釈金を渡す。呆れる信一だが、武は「人を不幸にして、自分だけ幸せでいることなどできない」と、いつもの理論で息子に迫る。信一は、「父さんの人の好さにはついていけない、けれども、それが父さんだ」と、あきらめたように言うと、保釈金を受け取り、最後は父に笑顔を向けるのだった。
信一は、敏夫に父親が保釈になることを告げる。武が金を工面したことも説明した。「これ以上お人よしの父に付け込まないでくれ。今後大沢家に近づくな」信一からの命令を、敏夫は黙って聞いていた。
保釈の知らせを聞いた清司は、「裁判が始まるまでに大沢をめちゃくちゃにしてぶっ潰す」と宣言。保釈金の出所を聞いても、それっぽっちで、自分の人生をめちゃくちゃにした罪は消えないと言う。敏夫は、それなら自分は大沢家を出て、レッスンもやめるから、武と由美子に手出しはしないでくれと頼む。由美子手を出したら、「父さんを殺すかもしれない」とつぶやく。
清司は、そんな息子と、無言でにらみ合った。
その夜、敏夫は大沢家を出た。祖国のために戦い、それでも敗れ首都を占領された人々のように、敏夫も清司に敗れてしまった。
保釈の日、拘置所の前で待つ敏夫に、武と由美子が近づいた。二人は敏夫を大沢家に連れ戻すために来た。
敏夫は武に、大学を辞め、コンクールもあきらめ、清司と二人で暮らすことを告げる。武は敏夫を激しく叱責する。「スキャンダルがあったくらいでコンクールをあきらめるな。すべてに勝つほど練習しろ、余計なことは考えるな!」しかし、敏夫は武にすがりついて言う。「わかっている。わかっています!でも・・・どうにもならないんです」清司が拘置所の門から出てきた。敏夫は清司に何か言わせる隙を与えず、車に押し込んで走り去る。敏夫は初めて、なぜ父は生きて帰ってきてしまったのか、と考えていた。
武は息子と弟子を一度に失った悲しみに、絶望していた。
毎朝音楽コンクールまで、あと3か月。
感想
うーん。辛い。みんな辛いね。
そんな中の笑えるポイント。
宮島家に謝罪に来た大沢夫妻。
スキャンダルを責められ、親戚一同の前で、別れる別れないの愁嘆場を演じることになる。
「由美子さん、君は、私と別れるというのか!?」とか何とかやりだしたのを見て、前田吟が「君、そういう話は帰ってやりたまえよ」と至極まっとうな意見を言う。
しかし武はすかさず
「あなたは黙っててください!」と喰い気味に一喝。
そして、怒涛の二人の愛の告白場面へなだれ込む。
多分、前田吟の台詞は「おいおい、ここでやるのか!?」という、視聴者全員が思っていたことの代弁と思われるが、あっさりとその思惑は武に封じられる。
つまり、このシーンを親戚一同の前でやることはありえないってことはスタッフも分かっていたのだろうが、その違和感を「あなたは黙っててください」という台詞によって解消したということだろう。
しかしその笑えるポイントの後に襲ってくるのが感動ポイントだ。
ほんと、このドラマは笑ったと思った直後に泣かせてくれるので、息つく暇がない。コメディならば最高の流れなのだが、困ったことに、このドラマはコメディではない。
感動するのは、武の由美子への愛だ。未亡人だった彼女を幸せにしたいと、武は考え抜いて結婚した。「結婚した以上、私は由美子を最後まで守り抜く。共に生きていく。それが結婚ではないか」
それを聞いて、由美子も泣きながら心情を告白する。武とは離れたくはないが、大沢家のために身を引くしかないという切ない女心。
ザ・昭和を体現する女優・松尾嘉代の面目躍如である。
その話に感動した宮島あや(赤木春江)は、二人を応援する立場を取る。
私も武の結婚観に感動した。結婚したら一蓮托生・相手に不都合が現れたとしても、二人一緒に乗り越えていくのだ。逃げたりしない。
それだけの覚悟を、現代のコンクリートジャングルで、どれだけの人が持っているだろうか?
赤木春江演ずるあやは、あの体裁を重んじる宮島家の中にあって、華江と共に人を色眼鏡で見ない人物だ。敏夫に対しても、乱暴な様子を見せられても、若くて元気がいいのはいいことだというスタンスをくずさない。今回のスキャンダルに対しても、宮島家の他の人々が非難するだけなのに対し、彼女は大沢家を心から心配している。やはりいいおばあちゃんである。
そして今回、見逃してはいけないポイントがある。
拘置所の前での武と敏夫のぶつかり合いである。
大沢家から姿を消した敏夫。レッスンを辞め、大学も辞めるという義理の息子を、武は頬をひっぱたいて叱る。いつもの「余計なことを考えず、一流ピアニストになれ!」というアレだ。
しかし、幾度となく視聴者の心を打ってきた武の叫びは、今回初めて、むなしく響く。
視聴者は、武の知らない敏夫の真の思惑を知っているからだ。
敏夫とて、武と心はひとつなのだ。師と共にありたいと心から願っているのだ。
「分かっている、分かっています!」という切ない叫びで私の涙腺は崩壊。
しかし、清司がいる限り、それはかなわない。この師と弟子の心のズレを、視聴者は痛いほど感じて、今回は武に同調できないのだ。
そして、同調できないストレスによって、敏夫と同様、清司に対して「なぜ生きて帰ってきた」と不満を募らせることになる。
困ったもんだ。
第六回レビューはコチラ
Comments
ありがとうございます!
敏夫と武の今回のぶつかり合いですが、まさにいつものアレとしか言いようがなく・・・(笑)。でもやる前からあきらめる敏夫に、武は非常に怒り、すごい勢いでビンタを張りました。「スキャンダルがなんだ!俺が鍛えれば、コンクールには勝つ!勝つに決まっているんだよ!下らんことを気にするな!俺を信じろ!俺を信じてピアノを弾け!弾いてコンクールで優勝しろ!俺に代わって、一流ピアニストになるんだよ!どんなに苦しくても、男ならくじけるな!夢を貫き通せ。私と一緒に戦え!戦ってくれ!」
そんな感じです。