SWEET SWEET SWEET

手作りのお菓子やパン、料理など美味しいもの、
そして大好きな本など紹介します♪

女中部屋のウェルシュラビット その2.

前回のその1に引き続き、ジェーンエアの物語の食卓です。

今回は、リード夫人宅の小間使いアボットと、保母のベッシィが食べようとしていたウェルシュラビットを作ります。

ウェールズ地方のチーズトーストで、なぜラビットと言うのかは、はっきりしないようですが、貧しい人がウサギ肉の代わりに食べたからなど、諸説あるそうです。

では早速作ります!
パンを軽くトーストします。
チェダーチーズを細かくおろし、

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ビール(イギリスではエール)、マスタード(私は和がらしで代用)、ウスターソースを加え、良く混ぜる。
マスタードは、本来粉マスタードのようですが、粒マスタードでもいいのではないでしょうか。家にはどちらもなかったのです…。
お子様向けや、苦手な方はビールの部分を牛乳に置き換えると良いです。

混ざったものを、バターを溶かした鍋に入れ、チーズが溶けるまでかきまぜながら火を通します。
この時、沸騰させない方がいいようですので、弱火で。塩コショウで味を調えます。でもチーズが塩味なので、こしょうだけにしました。

本文中で、ベッシィが
「焼き玉ねぎを添えてね」
と言っているので、玉ねぎを甘味が出るまで、塩コショウをして炒めたものを使います。

トーストしたパンに、半分は炒めた玉ねぎをのせ、

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溶かしたチーズを上から載せます。
もう一度トースターに入れ、チーズがブクブクしてくるまで焼きます。

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出来上がり!

おお。
チーズがとろっとして、おいしそうです。イメージはハイジのチーズ乗せパンみたいですね。

食む。

!!
熱い!!

チーズが非常に熱くて、上あごをやけどしてしまいました。

ですが。
おいしい!

予想以上にからしの風味がピリッと聞いて、ビールの風味も相まってかなり大人の味。
そして、ベッシィの言葉に従って、焼き玉ねぎを乗せたものは…。

もっとおいしい!

玉ねぎの甘さがチーズの大人風味をいい具合に中和して、とっても美味。
もちろんなしでもおいしいのですが、玉ねぎありの方が、子供にはウケると思います(もちろんビールを牛乳に変えて)。

チーズたっぷりなので、かなりお腹にたまりますが…。

それにしても、からしやビールの風味が何ともジャンクな雰囲気を醸し出しています。お手軽な食事にぴったりですねー。
こんな感じでいかがでしょうか。

食堂で同僚たちみんなでワイワイ言いながら食べる雰囲気を想像しながら…。
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女中部屋のウェルシュラビット その1。

久しぶりに物語の食卓です。

今回は、イギリスの女流作家シャーロット・ブロンテ著
ジェーンエア」より。
女中部屋のウェルシュラビットです。

いわずと知れた名作、ジェーンエアですが、子供のころ初めて読んだとき、その執拗な暗さと描写が印象的でした。畳み掛けるような情報量なんですが、次が気になってやめられない。
特に第一部のジェーンの幼少時代。義理の叔母、リード夫人一家から繰り返し受ける虐待や、ジェーン自身の恨み節、ローウッド寄宿学校での劣悪な環境を並べたてる描写は、壮絶です。
ジェーンは、確かに孤児なのですが、決して身分がリード夫人たちより劣っているというわけではなく、リード夫人の夫・つまりジェーンのお金持ちの実の叔父が生きていれば、おそらく叔父からは愛され、慈しまれて育ったのだと思われます。しかし、実際叔父は死んでおり、叔母のやり方は、その真逆でありました。
そんな中、ジェーンは必死に誇りを保ちつつ、自分の中に閉じこもって生きています。
孤児であることをことさら周囲から強調され、召使からも虐げられつつ、なおも誇りを持ち、召使は召使として自分より一段低いものとして彼らを見るジェーンの視線には、現代の日本人から見れば、どうも理解しがたいものがあります。
けれども、これが書かれた当時は、このようなプライドはあってしかるべきだったのでしょうね。
このジェーンの考え方は、徹頭徹尾一貫しています。

成長してからも、召使や田舎の貧しい人々に対するジェーンの厳しい視線は変わりません。
おそらく、幼少のころは、自分が得るはずだったのに得られなかった叔父からの愛が、ジェーンの根拠のないプライドの元だと思われますが、成長して、教師となってからは、完全でないながらも、学校で得た教養がジェーンを支えたのでしょう。
と、身分制度に詳しくない私なんかは、そう考えてしまいますが、おそらく実際はもっと単純で、「自分はあの階級ではない」という意識だけが、ジェーンのあの態度や考え方の元だったのかも知れませんが。
といっても、ジェーンがかたくなにその階級の人々を受け入れなかったのかというとそうではなく、ジェーンが受け持った学校では、田舎者の生徒たちの個性や性格を尊重するようにもなりますから、きっと、「無教養=下品」というジェーンの固定観念が拒否反応を起こさせたのかもしれません。

さてさて、また前置きが長くなりましたが、本題の女中部屋のウェルシュラビットについてです。
これが出てくる場面は、第一部のジェーン幼少期のころです。
例によって、リード夫人たちに虐められたジェーン。
リード夫人による、人間性無視な虐待に、ついにジェーンは激しい恐怖から失神してしまします。その時、ジェーンにとって、唯一わずかながら自分を尊重してくれる(?)と感じている保母・ベッシィと、ジェーンを完全に馬鹿にしている小間使いのアボットとの会話で、ウェルシュラビットが出てきます。
ベッシィは少なくともジェーンを心配するのですが、アボットはまったく同情せず、あまつさえ夫人の娘でジェーンを苛めている美しい従姉のジョージアナを褒め称えます。

「ええ、あたしは、ジョージアナさんが大好きよ!可愛い方だわ!
長い巻き毛と青い目、あの綺麗な肌の色、まるで絵に描いたようだわ!
ベッシィ、あたし、夕食にはウェルシュラビットが食べたいわ」

このアボットの台詞。女中の無神経さと軽薄さがよく現れた台詞です。
リード夫人の娘が美しいとほめるところまでは分かるのですが、まったく脈絡もなくウェルシュラビットが食べたいわ。と言い出すのは、異常に唐突に思えます。
これはつまり、アボットが話しをするうちに、ジェーンのことをすっかり忘れていることをあらわしているのでしょうか。それほど、この女中にとって、ジェーンのことは取るに足りないことだと。
この無関心さに、読者は改めて、ジェーンの孤独を知ることになるのでしょう。
イギリスの貴族は、目の前にご馳走が並んでいても、がっつくことはマナーとしてマイナスで、まるで食べ物がそこにないように振舞うのが好しとされる・・・とどこかで読んだ覚えがありますが、そんな事情もあるのかな。
あからさまに何か食べたいと口にするアボットはやはり下品な召使階級であると言いたいのか・・・。
(日本文学でも、平安時代の読み物などでは、何か食べたり飲んだりする主人公は珍しいとされていたようですが。)
対して、幼少期のこのころのジェーンは、食べ物に対して、異常に消極的です。
何か食べ物を用意されても、その前に起こった事件のショックによって、まったく食欲を失っていたり、緊張しすぎて、食べられなかったり・・・。
まるで夢の中の食べ物のように、おいしそうなものはジェーンの前を素通りします。
また、保母のベッシィも、ジェーンが食べられなさそうな時に限って、おいしそうなものを用意してくれるんですよね。ベッシィにしてみれば、心配して用意しているのですが。どうしても、タイミングが合わないようなのです。
これはもしかしたら、ジェーンが肉体的な充足以前に、精神的な充足、つまり愛情を欲してるのに、それがかなえられないことをあらわしているのかな、なんて思いました。

さて、ウェルシュラビットです。
ウェールズ地方の食べ物で、言ってみればチーズトーストらしいのですが、文中では「チーズを溶かし、ビールと混ぜて焼きパンにぬったもの」 と説明されています。
ビールが入っているというところが、子供心になんとも不可思議だなぁと思っていました。
それこそ、貴族の食卓には出てきそうにはありませんが、いかにも庶民の食べ物に思えます。でも想像するだけで、熱々で、お手軽にできそうだけど、とってもおいしそうです。

というわけで、前置きが長くなりすぎましたので、次の記事で作ってみようと思います・・・。
いつもすみません。
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レモンパイのホイップクリームのせ。

大変お久しぶりです〜!
ずっとご無沙汰で申し訳ありません。
何というか・・・
サボってました!
言い訳のしようがなく。
暑いと何もやる気が起こらず・・・スミマセン。
実は某ドラマの再放送をCSで毎日視聴中でして・・・。
それに夢中になっております(爆)
それのレビューなどをこれから書いていこうと思っております。


というわけで、作ったのはずいぶん前ですが。
第二「赤毛のアン」の「アンの青春」より。
レモンパイのホイップクリーム乗せです。
アンの物語にレモンパイは何度も出てきますが、パイにはメレンゲではなく、ホイップクリームを乗せているという描写があります。
「アンの青春」には、アンの愛読書作者であるモーガン夫人をお招きしたときに張り切って用意されます。
とても素敵にできましたが、モーガン夫人は食べてくれたのでしょうか・・・?
続きは、本文を読んでいただくとして、レモンパイの生クリーム乗せを作ってみました。
レシピは、飯田奈美さんの、「LIFE3」より。
レモンメレンゲパイって、とってもおいしいです。
私が初めて作ったのは中学生くらいだったと思いますが、その夢のようなおいしさに、感動しました。
けれど、初めて作ったときから、悩みの種は、メレンゲから水が出てしまうこと。
水が出ないようにするコツなども、当時知りませんでしたので、すぐ水が出てしまうお菓子が不可思議でならなかったんですよね。
外国では、水が出ないうちに、全部食べてしまうのかなぁ?って。
でも、アンは生クリームを泡立てたものを使っています。
これなら、水も出ず、おいしいだろうなぁって、思っていました。

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ちょっと、レモンクリームの煮詰めが甘かったみたいで、切り分けたときどろどろになってしまいました・・・。

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お味は・・・
おいしい!
でも、やっぱり私はメレンゲのほうが好きかな・・・(笑)。
生クリームでレモンの酸味が和らいでまろやかになるのですが、生クリームだけに、ちょっと重く感じてしまうのです。
姉も同じ感想でした。
でも甥っ子のゆうたんは、生クリームのほうがいいって。

それに、生クリームだと、卵白が余ってしまうのよね・・・。
アンは、ちょうど夏の盛りに作っていたようですが、卵が豊富にとれる夏ならではのデザートだったのではないでしょうか。
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肉のゼリー寄せ。

物語の食卓です。

今回は、「赤毛のアン」と、「少女パレアナ」の両方をイメージして作ってみました。

肉のゼリー寄せ。
赤毛のアンでは、アラン牧師夫妻をはじめてお茶に招待した時に、グリン・ゲイブルズで出された料理の、「チキンのゼリー寄せ」。
少女パレアナでは、体の不自由なスノー夫人のためにパレアナがお見舞いの品として持っていく「牛肉のゼリー寄せ」。
どちらも昔から美味しそうだなぁ〜、と思って読んでいましたが、ゼリー寄せと聞いて、強く思い浮かべるのは、パレアナのほうが印象深いでしょうか。

寝たきりのスノー夫人のお見舞いは、夫人が愚痴っぽいこともあって、他の人々は皆イヤイヤしています。しかしパレアナはそれも喜びに変えてしまうんだから、恐れ入りますね。パレアナの家のメイド、メアリーは、お見舞いの品のメニューを牛肉のゼリー寄せ、チキン、羊のスープのどれかをローテーションで持っていくようですが、どれを持っていっても、スノー夫人は喜んでくれません。
必ず、持っていったものとは違うものが食べたかったと愚痴をこぼすのです。
そこで、パレアナが取った秘策とは・・・?
これが子供ならではの発想なんですが、当時はメアリー大変だったろうなーとしか、思えなかったんですけど・・・。
それは、牛肉のゼリー寄せ、チキン、羊のスープを全て少しずつ持っていくというもの。
三種類も作るのはいかにも大変そうですが、パレアナの魔法にかかってしまっているメアリーでは、嫌とはいえなかったのでしょうね・・・(笑)。

その中でも、牛肉のゼリー寄せは、一番大変そうな気がします。
多分アスピックというもので、昔だから、ゼリーじゃなくて、煮こごりをちゃんと作っているような気もします・・・。どうなんでしょうか。
まぁ、今回は、簡単にゼラチンでスープを固めたゼリー寄せです。
しかも、牛肉ではなくて、チキンですが・・・。

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キラキラと、綺麗に出来ました。
参考にしたのは、「赤毛のアンのお料理BOOK」より、チキンのゼリー寄せからです。
赤と黄色のパプリカ、トマト、グリンピースも入っています。
ゼリーがちょっと柔らかすぎて、取り分けるとほとんど冷たいスープのようになってしまいましたが、暑い夏にはピッタリです。
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エミイのジェリーとメグのジェリーその2

物語の食卓です。

前回に続いて、今回は「続・若草物語」のメグのジェリーについてです。

大変な自信を持って、ジェリー作りをはじめたメグ。しかし、材料を煮て、濾して・・・何度やってもうまく固まらず、とうとう泣き出してしまいます。
このジェリーって、どういうものだったのでしょうか。
ここで大事なのが、メグが作るジェリーとは、おなじみのゼラチンで作るゼリーではないという事です。
ここで言うジェリーは、果物のジャムの一種なんです。

言葉で言っても良く分からないと思いますので、画像を上げますね。

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はい。
メグが作ったのは、カレンツのジェリーなのですが、材料がなかったので、私はアップルジェリーにしてみました。
ジャムといっても、透明で綺麗ですよね。
そして、ちゃんと固まっています。
作り方は、りんごを水とレモン汁で煮たものを、ガーゼで濾して液を取り、砂糖を加えて”jellying point"(ジェリーが固まる温度)まで煮詰めます。それを容器に移して冷ますと、固まったジェリーが出来るというわけです。
このジェリー作りに大事なのは、果汁を固める、元から果物に含まれるペクチンももちろんなのですが、何よりも”jellying point"になるまで煮詰めることが重要です。
これがなかなか難しい!
jellying pointとは、摂氏約104.4度以上のことで、現代では温度計があるので見極めは簡単ですが、温度計がない場合は、つめたく冷やしたスプーンを煮汁に浸して、スプーンから垂れる汁状態を見るとか、冷やした小皿に煮汁を垂らして、しばらく置き、指をつけて膜ができて、さらに動かすと皺が出来る・・・など、もうはっきり言って、経験がものを言う職人技の域なんですよね。

では、なぜメグのジェリーは固まらなかったのでしょう?

これは、作者のオルコットがさりげなくヒントを教えてくれているようです。
と言うのは、メグは「ハンナ(マーチ家のお手伝いさん)が100ぺんもやるのをみてきた」と言うのです。
つまり、見ていただけで、実際作ったことはなかったんですね。
私は今回作って、本を見ただけで作るのは、かなり難しいと感じました。
大体、メグは100度以上の温度計を持っていないでしょうし、ジェリーを作ったのは暑い日でした。そんな日につめたく冷やしたスプーンや、お皿を用意するのは難しく、jellying pointを見極めるのは至難の業だったのではないでしょうか。
しかも初心者のクセに、大量に仕込んだようですから、煮詰めるのにも時間がかかるでしょうしね。
仮に煮詰まったとしても、容器に移して冷ますにはまた時間がかかり、言うまでもなく、冷めないことには固まらないのです。
かくいう私も、なかなか固まらず、辛い思いをしました。一晩たって、ようやく固まったと確信した時は、ホッとしましたよ。
そんな風ですから、暑い日にメグが「固まらない」と思い込んだのは無理ないと思います。

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それにしても、固まったジェリーは、とても綺麗です。
私のジェリーは、かなり甘くなってしまいましたが、リンゴのエキスがギュッとつまっているのに、透明感のある味は、普通のジャムとは全く違っていますよ。

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パンにつけると、さらに綺麗。
紅玉などで作ると、色が真っ赤に染まって、まるでルビーのようになるんですよ。
今回のリンゴは、色が薄かったです。

以前私が赤毛のアンで作った木苺水は、煮詰めすぎて、偶然にもジェリーになってしまっていたんですよね(笑)。

いかがでしょう?
エミイのジェリーとメグのジェリー。
エミイのジェリーは、単にゼリーのことをジェリーと書いてあるだけなのに、いつも食べているゼリーではなく、なんとなく特別なもののように感じられます。
きっと、透明で、甘くて柔らかくて、宝石のようなな食べ物なんじゃないかと・・・。
イメージとしては、まさにメグのジェリーのような感じを想像していました。
まぁ、どちらもジェリーには変わりないのですが・・・。
言葉って、本当に不思議ですね。
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エミイのジェリーとメグのジェリー その1

物語の食卓です!

今回は、ルイザ・メイ・オルコットの「若草物語」です。

これまた超有名な少女小説ですね。
ルイザ・メイ・オルコットの自伝的要素も多分に含んだ小説で、貧しいながらも、誇り高く、また愛にあふれた四姉妹のお話。
皆さんは、四姉妹の中で誰が好きですか?
美しくて優しく、ちょっぴり虚栄心のあるメグ、独立心が強くて、活発なジョー、はにかみやだけど、音楽が大好きで、誰よりも優しいベス、おしゃれで無邪気だけどちょっぴり我侭なエミイ。
一番の人気は、やはりジョーだと思いますが、私は断然エミイが好きでした。
甘えっ子でかなりの自意識過剰、さらに我侭娘なのですが、なぜか憎めないエミイ。
と言うのも、なんとなく、エミイと自分が似てるなぁ・・・なんて思っていたんですよね。
私って、自分で言うのもなんですが、相当我侭で、自分のことしか考えていない子供でした。
特に、ジョーとエミイが史上最大の大喧嘩をするエピソードでは、エミイのかんしゃくが、すごく身にしみたんです。
私も姉と喧嘩をしたりすると、エミイのように何をするか分からないほど爆発したものです。
今思えば、よく姉は許してくれたものです。
そんなエミイも、家族の危機を共に乗り越えるうちに、我侭を抑制し、皆のために働くことを覚えるのですが・・・、私はどうも成長しませんね(笑)。

若草物語といえば、なんといってもブランマンジェやライムのピクルスが有名ですが、今回は、あえて「ジェリー」を取り上げたいと思います。
タイトルの「エミイのジェリーとメグのジェリー」、何のことだかお分かりでしょうか。
若草物語で、ジェリーのことが強く印象付けられる場面があるのですが、一つは、「若草物語」の終盤、ワシントンにいる両親に宛てた手紙に、エミイが「メグ姉さまは、お夕食のときにジェリーを食べさせてくださいます。ジョー姉さまは、ジェリーは私の性質をよくするから大そうためになるとおっしゃいます」という個所と、クリスマスの夕食では、素晴らしい出来栄えのジェリーをエミイが蜜壷に入り込んだはえのように食べたという個所のエミイの「ジェリー」。
もう一つは、「続・若草物語」で新婚のメグが腕によりをかけて作る「カレンツのジェリー」。

この、エミイの大好きなジェリーと、メグが作るジェリーは同じモノなのでしょうか?
ジェリーには、デザートとしておなじみの、ゼラチンで作るあのプルンとした日本で言う「ゼリー」と、果物を煮詰めて作ったジャムの、「ジェリー」があります。
エミイが好きなジェリーのほうは、「夕食に食べる」という記述から、多分デザートとしての、ゼラチンで固めた「ゼリー」だと思いますが、優美な食べ物が大好きなエミイが満足そうにゼリーを沢山食べる光景は、想像するとコチラまでニコニコしてしまいます。
それに対して、メグが作るジェリーは、多分ペクチンなどで固めるジャムのようなものと考えられます。
最初この記述を読んだ時は、この、メグが作る「ジェリー」の意味が分からず、ジャムが固まらなくらいで、なぜメグが絶望するのだろう?と不思議に思っていました。
大体、
「ジェリーが固まらないの、どうしたらいいでしょう!」って、どういう意味なのでしょう?

また長くなってしまったので、メグのジェリーについては次回にします。
次回は、ジェリーを実際に作ってみました。
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いちご水。

物語の食卓です。
もう、題名からして、外すことが出来ない飲み物ですよね。

今回は、言わずもがなで超有名な「赤毛のアン」より、
全少女憧れの的と思われる、「いちご水」
です。

マリラから、ダイアナを呼んでお茶会をしていいと言われたアン。
そのとっておきのご馳走いちご水によって大騒動が持ち上がります。
そのいちご水とは・・・?

これ、村岡花子氏の翻訳で育った世代はなんと言ってもいちご水ですよね。
その後の松本侑子氏の翻訳だと、「木苺水(ラズベリーコーデュアル)」となっているはずです。
いちご水。
果たしてどんな飲み物だろうと思いを馳せた人は圧倒的に多いと思います。
大体、いちごジュースと言うものすら、日常的に口にする物ではありませんものね。
しかも、文中のやり取りから、単なるいちごをつぶしたジュースでもないことは明らかです。
「赤い色の飲み物って大好きよ」
とアンは言いますが、日本で子供が飲める「赤い色」の飲み物って、すぐにこれでございって、出てくるでしょうか?
葡萄ジュース?
ちょっと思いつきません。ファンタ?
それだけに、さらに憧れの飲み物になったような気がします。
いちごオーレでは絶対にありません。

さて、現代では、いちご水が「ラズベリーコーデュアル」であるとわかっていますので、作ってみたいと思います。
と言っても、やはり日本ではなじみのない飲み物ですよね。
レシピは、「赤毛のアンのお料理BOOK」より。
まず、ラズベリーを用意します。
冷凍ラズベリーでも可なようですが、あいにく近所のスーパーで冷凍が売り切れていました。
でも!代わりに生が売っていました。

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しかも!
半額!に値段が下がっていた!
これは、作れと天が命令しているとしか思えない・・・。

と言うわけで、とっても美味しい生のラズベリーを泣く泣く使いましたよ。
もったいないねー。
水を加えて、柔らかくなるまで煮ます。

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アクが沢山出てくるので、丁寧に掬います。
ガーゼで、巾着袋を作って、中身を漉します。

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かなり時間がかかるのですが、手で絞ったりすると、透明感がなくなるのです。
残ったのはほんのちょっとですが、
それをまた鍋にもどして、砂糖を加えて煮溶かします。

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殺菌した瓶に入れて、出来上がり!

・・・なのですが。
私、煮詰めすぎたのか、冷めたらゼリーっぽくなってしまいました。

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けれども、プルプルと、とっても綺麗。
これを水で薄めて飲む。
はるか彼方少女時代に憧れた飲み物が今ここに・・・。

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こ、これは!!
とっても美味しい!!
なんと言うんでしょう、ラズベリーの美味しさがそのままで、全く雑味がなく、すっきりとした後味。
砂糖を沢山加えるので、どうかなぁと思っていましたが、水で薄めるので、ちょうどいい感じです。
本当に美味しい。夢のような飲み物です。
これならば、ダイアナが「本当に」いちご水を飲んだとしても、大満足だったのではないでしょうか。

アンシリーズではお茶会が何度も出てきますが、そこに出される食べ物の多さは、びっくりしますよね。
本当に皆食べていたんでしょうか。
しかも、お茶を何杯も飲むのに、さらにいちご水が出たりして、相当時間がかかったのでしょうね。
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サリーせんべい作った!

前回のつづきです。

新たに物語の食卓として、カテゴリーを作ることにしました。また何か食べたい児童文学があれば(笑)作りたいと思います。

さて、「続あしながおじさん」に出てくる、主人公につけられたあだ名
サリーせんべい」とはなんぞや。
というのが今回のテーマですが。

結論から言うと、サリーせんべいという食べ物は存在しません。
これは翻訳者の苦肉の策というか、実際の食べ物が、日本ではあまりにも知られていないため、そのまま単語を使ったのでは、シャレにもジョークにもならず、読者が置いてけぼりになるという判断から、こういうことになったのだと思われます。
こういうものって、結構ありますよね。今ほど海外の食べ物に触れる事のなかった子供のために、翻訳者の方々は、さまざまな独創的な言葉を作り上げてくれたのでしょう。

で、サリーせんべい。
これは、つまり、
サリーランブレッド(Sally Lunn bread)の事らしいです。
原書を読んだ事はないのですが、おそらく「サリーラン」とマックレイ先生は言ったのではないでしょうか。
サリーランブレッドとは、ふんわりと軽いパンで、卵や牛乳がたっぷり入っています。
もともとサリー・ランという名前のイギリス人女性が作ったパンらしいのですが、アメリカではポピュラーなもののようです。

えーと、主人公の名前はサリーなので、そのサリーに向かって、「サリーラン」というあだ名をつける・・・。
・・・。
日本で言えば、「前田さん」に向かって「あたり前田のクラッカー」と言うようなものでしょうか。(って、つくづくいつの時代の人やねん・・・)

このサリーランのことを全く知らなかった私は、「サリー先生」の先生をせんべいとかけて、サリーを貶める為につけたあだ名かしらん?なんて思っていました。(サリーは孤児院の院長先生なので)
まぁ、とにかく、サリーランブレッドを作ってみましょう。

レシピはアメリカのサイトのものを使いました。
とにかく水分量が多くて、生地を捏ねるというより、混ぜると言ったほうがいいでしょう。ゴムベラで最後まで混ぜられます。
捏ねあがりは、お菓子で言うと、サヴァランの生地に良く似ています。
というか、そのものかも・・・。
それか、お好み焼の具を入れる前の硬めの生地に似ています。
とても柔らかいので、ハンドミキサーで混ぜるのが楽ですよ。
捏ねあがりはこんな感じ。

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ゴムベラで掬ったところを撮影すればよかったですね・・・。
普通のパン生地とは全く違いますので、ご注意。
発酵はとてもよく膨らみます。
釜伸びも面白いくらいいいので、パン作り初心者にはとてもお勧め。
伝統的な形だと、エンゼル型で作ればいいと書いてあったので、クグロフ型にしました。

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こんな感じ。
綺麗に焼けました。
切ってみると・・・。

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キメは荒めですが、表面はサクっとしていて、中はすごくふんわりと柔らかいです。翌日でも硬くなったりしませんでした。
アメリカのレシピだからか、ちょっとしょっぱかったので、次回は塩を減らしたいと思います。
簡単で美味しいですよ。
お勧めです!

「続あしながおじさん」
日本ではかなりマイナーで、相当差別的な内容もありますので、新版などは出そうもないのですが、それを別にすれば、ロマンチックで、楽しくて、幸せな気分になれるお話だと思います。サリーはもちろんですが、周囲のキャラクターも立っていて、孤児なども愉快な面々がそろっています。
機会があれば、是非。
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サリーせんべい。

物語の食卓です。

今回、新たに物語の食卓というカテゴリーを作りました。
ミステリークッキングのように、物語の中で、想像もつかないような食べ物の名前や、ものすごく美味しそうな描写に行き当たったことってあると思います。そんな思い出の食べ物の再現が出来ればなと思います。

私にとって、長年何のことだか分からなくて悩まされてきた食べ物が一つありました。

その食べ物とは。
サリーせんべい

この単語(?)を聞いて、ピンと来る人は、絶対的に少ないと思いますが、あえて書きます。
出典はかの有名な、
あしながおじさん」の、続編「Dear Enemy」、
日本語題では「続あしながおじさん」です。
この物語は、私、はっきり言って「あしながおじさん」よりよっぽど好きです。
主人公は、「あしながおじさん」のジュディの親友・サリー・マクブライドです。超大金持ちの奥様になったジュディから、孤児院の経営と建て直しを任された(というか、押し付けられた)サリーが、最初はイヤイヤながら、しかしだんだんと仕事と子供に対する愛に目覚め、最終的に高い理想を持って孤児院をより良いものにしていく成長記なんです。
こう書くと、味も素っ気もないんですが、その内容たるや、滅茶苦茶おもろいです

とは言っても、この本は、精神疾患や遺伝子疾患に対する思想として、現代の常識には全く当てはまらないことが非常に多く出てきますので、子供には読ませられない部類の本です。
実はその私も子供の頃に読んだのですけどね・・・(笑)。
その思想というのが、なんと言いますか、言い方が過激かも知れませんが、ナチスドイツのユダヤ人への政策とか、日本における以前のハンセン氏病政策を彷彿とさせるようなものが平気でかいてあるのです。しかし、これは1915年のアメリカで普通に出版された内容なのです。書いたのは当時のアメリカで大学教育を受けた女性で、しかも福祉の勉強などをした女性です。
なので、そういう歴史を知らない子供に読ませるのは非常に危険であることは確かです。
かくいう私は、どうだったでしょうね。とりあえず、サリーの主張がなんだか変だと思ったことは覚えています。

そのようなことを分かった上で、1900年代初頭の思想を元に書かれた事を理解して、現代と合わないところに目を瞑って読むならば、相当愉快な本で、そこさえなければ、超お勧め本だと思います。
で、ここからはそういうことに目を瞑る前提で書いていきます。

お話は、「あしながおじさん」と同じく、孤児院を任されたサリーによる書簡集という形で進むのですが、その手紙が、ジュディの手紙なんかより、よっぽどユーモアがあって、絶対いいのです。
私には、ジュディは、どこか暗くて、引け目を感じ、でもプライドは人一倍で・・・という感じでどうも好きになれないのですが、サリーは本当に明るくて素直であけっぴろげで、手紙で上品に(笑)ずけずけと本心を書くのですが、それを上手くユーモアに包んであるので、全く厭味でないんですよねー。
怒っていても、悲しんでいても、どこか一つは笑える文章が出てくるのです。
最初は周囲に対して不満タラタラで(というか、不満しかない)、早く仕事をやめたい!とジュディに訴えるのですが、それだけで終わらないのがサリーです。だんだん周囲を上手く動かすことを覚えて、もちろん自分でも人一倍働き、それに対して手ごたえと喜びを感じ始めます。
そう、周囲に変わってもらうことを望むのではなく、自分が変わることで、自分を幸せにしているんですよね。
なんだかこれって、現代の働く女性にも通じることじゃないかなぁって思います。最初は、何もかもうまくいかなくて、周囲が全て敵のように感じるけれど、時間が経つと、そうじゃない、自分にも悪いところがあったと気付いたり、そう気付いた途端、どうすればいいか分かってきたり・・・。
しかも、サリーは妙齢の女性ということで、恋愛模様も華やかです。
その恋愛も、かーなーり、ロマンチックです[:ラブ:]
私は「あしながおじさん」より、断然感動しました。

・・・
てか、全然サリーせんべいに到達しない!

ここからが本題。
サリーには敵が沢山います。自分でも敵を作る天才だと言っております。
最初、お嬢様で贅沢に慣れ、楽しいことばかりの生活をしていたサリーにしてみれば、無知で言うことを聞かない孤児院の職員や、あら捜しばかりする評議委員たちは、全く敵にしか見えないのです。
そんな中でも最強の敵は、
「ドクター ロビン・マックレイ」
近所に住む、新しく孤児院の嘱託医となった先生ですが、サリーとドクトルは、ことあるごとに大衝突を繰り返します。
その衝突が、お互い孤児のことを思うあまりというのが、また笑えるのですが。
そして、サリーが最終的にドクターに捧げたあだ名が
「敵様」
これを面と向かって言ってしまうのだから、サリーの開けっぴろげさは推して知るべしです。しかし、こう言っても深刻な事態にはならないところが、サリーの上手い(というか、可愛い)ところなんでしょうね。
そういうわけで、原題の「Dear Enemy」とは、サリーがドクトルに対して手紙を書くときの呼びかけの文なんです。
それに対して、ドクトルがサリーに捧げたあだ名こそ、
サリーせんべい
です。
あー、やっとここまで来た・・・。

で、サリーせんべいって、なんなんや、というのが、長年の謎で・・・。

てか、この文が長すぎや!
すみません!
続きは次回に・・・。
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