SWEET SWEET SWEET

手作りのお菓子やパン、料理など美味しいもの、
そして大好きな本など紹介します♪

世界名作劇場の赤毛のアン。

近頃、なぜか世界名作劇場をもう一度見たいなぁ・・・と思ったりしています。

今って、どうなんでしょう、私が小さい頃のように、毎日夕方に再放送してたりするのでしょうか。
昔のものは、ほとんど再放送でその内容を知っているようなものですが、毎週毎週、日曜夜の本放送で、話の内容をじっくりと楽しみながら見たとはっきり記憶しているのは、小公女セーラからだと思います。
その前のアンネットや、カトリなどは、本放送を見たことは覚えているのですが、お話の内容が理解できたのは再放送でだと思いますので。

そんな中、今回特に赤毛のアンのことが頭から離れません。
赤毛のアンは、昔から大好きで、アニメはもちろん再放送で初めて見たのですが、その時のことは今でもよく覚えています。特に、再放送第一回を見終わって、次の日に友達と話した内容。
これが
「ちょっと、あの主題歌とエンディング、すごくない?」
ということだったのを、強烈に記憶していました。

おそらく、過去に見たことがなくて、現代になって初めてアニメ「赤毛のアン」を見るという人も、その主題歌とエンディングには、度肝をぬかれると思うんですよね。
なんと申しますか、その当時子供だった私たちには、一回目の強烈な印象は、驚きと共に、今となっては大変申し訳ないのですが、爆笑で捉えられたのです。
アニメの常識を打ち破るオーケストラの迫力ある伴奏。ピアノを習っていながら、全く意識しなかった対位法という技法が、それとは分からないながらも、いやおうなく見せ付けられたのです。(対位法でいいのかな?)
それまで、歌の伴奏といえば、本当に歌手が歌う部分の添えものとしか思えなかったのですが、アンの主題歌やエンディングは、伴奏と歌がお互いになくてはならないものであり、お互いを高めあって、ひとつの音楽になっている、と体験させられたのです。

全てが初めての体験なのですが、何か、それがどうもアニメにしては大げさ過ぎるようにに思われて、冗談のような面白さで捉えられたのです。

しかし!

こういう強烈な印象がもたらすものが往々にしてそうであるように、その主題歌とエンディングは、私の心を、次第にわしづかみにしていったんですね。
ちょっと使い方が違うかも知れませんが、「じわじわ来る」ってやつです。

そうなると、主題歌が始まる瞬間からエンディングの最後まで、一秒も目が離せないんですよ。
まぁ、当時のアニメの見方として、主題歌やエンディングも、そのお話を構成する重要なファクターであったわけです。主題歌の時間では、前回の予告編をおさらいし、今日のお話の想像する。エンディングは、その日のお話の余韻を余すところなく味わう為の時間なわけですよね。

それが、赤毛のアンの主題歌「きこえるかしら」(←クリックで動画が開きます)とエンディング「さめないゆめ」(←クリックで動画が開きます)は、見事に赤毛のアンにハマリまくって、アンの世界にどっぷりと浸らせてくれるんですよねー。
特に、「さめないゆめ」は、本当に素晴らしく、最初に聞いた時あっけに取られて、次の日に友達と笑いあったのが嘘のように、私の心を捉えました。
最初大げさだと思われた曲は、聴けば聴くほど、まさにアンそのもの、ロマンチックで、心の中は大げさと言えるほど美しくきらめき、大きな感情のうねりを湛えているのにもかかわらず、どこまでも軽やか瑞々しい少女を表現しているように思えて、感動するのです。
このエンディングの見せ方も、また変わっていて、なんと、曲が流れている間、アニメーションは無し。画面を取り囲む葡萄のツタの絵だけで、その中に、スタッフの名前が表示されるだけなのです。
絵がないというのも、これまたびっくりして呆れる要素だったのでありますが、次第に、絵がないだけに、私の脳内では、この曲の歌詞のように、アンがお花畑をひたすら走って幸せそうな様子が展開されるようになり、最終的には、コーデリア・フィッツジェラルド姫になったアンが、夢の世界を軽やかにどこまでも走っていく様子がアニメーションで勝手に脳内再生されるようになったのです。

今回、この文を書くにあたって、動画を見てみましたが、改めて、エンディングにアニメーションがなかったことに驚きました。
私の中では、もう勝手にアンの想像が出来上がっていたので、アニメーションがないことは、それほど重要ではなくなっていたんですよね。
むしろ、映像など必要ないと言ったほうがいいかも知れません。
この音楽の前には、どんな映像も余計なものなんです。
完成された音楽には、映像などいらないのです。
必要なのは、聴覚のみ。
いやー、ここまで狙って演出した高畑勲氏には、ただただ脱帽。
いや、狙ったのかどうか知りませんが(笑)。
偉い人には、それが分かっていたんでしょう(爆)。

それにしても、この作曲家・三善晃氏と作詞家・岸田衿子女史は、本当に有名な方がたですが、この二曲を、この世に送り出しくれて、本当にお礼を申し上げます。
というか、この歌詞も、いかにもアンが言いそうなことではありませんか。
ダイアナやマリラ、マシュウに語って聞かせるアンが、目に浮かぶようです。
もちろん、歌手の方も素晴らしいのです。
この伸びやかで透明感のある歌声は、なんと、ワンツードンの、ドンちゃんの声の人なんですって(分かる?)。いやー、最高です。

あとね、劇中に流れる挿入曲もいいんですよ。
いまだにいろんなところで使われていると、「あ、アンの曲だ」って、すぐに分かります。今、次回予告の曲を思い浮かべましたが、全部再生出来ました(笑)。
あ、曲のことばっかりじゃんか、これ。

本編の内容も、いいんですよ。
なんといっても、絵で見る赤毛のアンというかんじで、小説が完全再現されています。
本を読んだだけではよく分からない箇所が、映像で表現されているというのは、いつの時代でも感動するものです。
特に、グリン・ゲイブルズの地下室の様子が絵で見れたときは、すごく感動しました。
あと、大包丁でツケギをすごい剣幕で削るマリラとか、靴脱ぎ器でブーツを脱ぐマシュウとか、どう考えても、日本の小学生には想像が及ばないでしょ?

ちょっと映像が荒いところがあって、カクカクする場面があって、中でもアンがミニーメイを救う回では、なぜか完全に静止画状態になった放送事故状態を見たので、その回についてはトラウマなんですが、二回目に再放送を見たときは、ちゃんと動いてました。

そんな感じで、思い出深い世界名作劇場の赤毛のアン。
とにかく、主題歌とエンディングだけでも見てください。
そして、DVDなどで本編を見る機会があったら、是非主題歌、予告編、エンディングまで、1話分だけでも飛ばさず見てください。あれは、全部ひっくるめて見ることで、完全になりますので。
comments (8) : trackbacks (0) : Edit
1/1