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赤い激流・第二十四回 レビュー

弟二十三回はコチラ
このレビューも、今回を入れてあと3回。
あらすじがどうしても長くなります。ご容赦ください。

「パリからの美しい殺人者?」

あらすじ

敏夫は信一を含めた家族全員に匿われ、再び大沢家に戻ってきた。力を合わせて真犯人を探すことを決意する五人。
そこへ不動産屋の相楽が現れ、買い手がつかなくなる前に後2日で引っ越してほしいと立ち退きを迫る。家の代金はすでに払われているため、言いなりになるしかない武。しかし武はグランドピアノだけは引っ越し先に持っていきたいと考える。信一は小さなアパートでは、とても無理だし、練習もできないと言う。敏夫はピアノすらあきらめさせている申し訳なさから落ち込むが、武は、家は狭くなっても家族五人が一緒に暮らせれば、こんなに幸せなことはないと励ます。
宮島家では、学長の具合が悪く、床を上げられない状態だった。華江はベッドに横たわる学長の前でピアノを弾き、学長は、その音色を聞いていると、事件など忘れられると幸せそうだった。菊子はとてもそんな心境にはなれないと部屋を出て行く。そこへ武が訪問してきた。菊子は、父が寝たきりなので、自分と正彦が話を聞くと対応する。武は家を出てアパートで暮らすため、自分のピアノを一時預かってほしいと頼みに来たのだ。菊子はアパート暮らしになる大沢家を嘲り、正彦は大沢家とは付き合いたくないと、高圧的に断る。武のピアノは、自分の命のように大事にしてきたもの、しかもこれから武の技術と精神を受け継いだ敏夫が一生弾き続ける大事なものだ。「あなたもピアニストなら、私の気持ちが解るはず」と、頭を下げるが、馬鹿にされるだけで聞き入れられなかった。
武は家に戻り、ピアノは倉庫にでも預けると敏夫に話す。武は、最後のレッスンだと思って、力いっぱい弾いてくれと頼む。曲は、このピアノで練習しぬいた、コンクール第一次予選1位通過の英雄ポロネーズ。力いっぱい弾き始める敏夫だが、途中で悲しみのあまり弾けなくなってしまった。そこへ武の弟、実が入ってくる。武が引越しのことを言おうとするが、実はすでに不動産屋の相楽と会い、知っていた。しかも、大沢家を購入したと言う。武は実が自分のマンションを売って金を作ったことを知って、激怒する。弟に甘え、迷惑をかけてまでこの家に暮らすことなどできない、そこまで落ちぶれてはいないと言って実を叱る武。しかし実は言った。「勘違いするな。俺は兄貴のためにこの家を買ったわけじゃない。この家は、俺が気に入って、俺が住むために買ったんだ」「そ、そうなのか」と拍子抜けする武に実は続けた。「しかし俺は演奏旅行などでいつも留守にしがちだ。留守になると不用心だし、家も荒れる。だから、兄貴には留守番を頼みたい」「実・・・お前ってやつは・・・」「由美子さんと二人で、この家を守ってくれ」男・大沢実、一世一代の花道であった。
「分かった・・・。留守番を引き受ける」「敏夫!ピアノは兄貴のものだ。好きに練習しろ」「叔父さん、俺、一流ピアニストになったら、すごい家をプレゼントするよ」「たいした自信だな。それでこそ芸術家だ」そう言って実は笑った。
家の心配がなくなり、改めて真犯人さがしに没頭しようと話し合う武、信一、敏夫。武はやはり西条医師が最後に言った「Rの女」の線を調べようと提案する。敏夫は同じ香水をつけていたことから、菊子が怪しいと言う。しかし証拠がない。敏夫は明彦に電話をし、東山夫妻を食事に連れ出すよう依頼する。家から忍び出ようとする敏夫を信一が止めた。敏夫一人ではつかまってしまうので自分も一緒に行くと言う。警察の見張りを何とかごまかし、敏夫を連れた信一は、宮島家に、華江に会いたいと言う口実で訪れる。華江も警察に指名手配されているため、外には出られないが、慰めてあげたいと言うのだ。あやは快く信一を招き入れる。あやが部屋を出て行くと、すぐに敏夫が姿を現し、華江に手引きさせて東山夫妻の部屋を調べだした。あやは、まだ信一が華江を愛していると学長に話し、いずれ婚約を復活させようかと相談していた。学長がベートーベンの交響曲「英雄」を聞き始める。明彦はできるだけ食事を長引かせたが、東山夫妻は帰ってきてしまう。夫妻に見つかる信一と敏夫。結局発見できたのは香水だけだった。怒り狂う東山夫妻は、到着した由美子と武に怒鳴りつける。敏夫はRの女と同じ香水だと菊子を問い詰めるが、菊子は高級なものだが、こんな香水など誰でも買えると相手にしない。武は恐縮しながらも、菊子のアリバイを聞く。田代清司は、10時30分に殺された。菊子はあの晩10時頃家に戻り、明彦を相手に酒を飲んでいたのだ。明彦も認めた。これ以上ここにいると警察に突き出すと言う正彦に、敏夫は怒りをぶつける。「先生は、野良犬のような俺のピアノを育てることに命を懸けている、本物の音楽の教師だ。冷たいあんたとは違う」とののしる。正彦は、武が音楽大学を乗っ取るために、敏夫と信一を使って自分を真犯人に仕立てようとしていると言って責めた。武は否定するが、正彦は聞かない。正彦は自分が将来大学をしょって立つ人間だから、下らん言いがかりをつけるなと言う。そこへあやと学長が入ってきた。いい機会だから、後継者のことを話すと学長は言う。理想では華江とその婿に継いでもらうことだったが、学長の病気が重いため、その前に大学と宮島家を任せられる人間は一人しかいないと、あやと話し合ったと言う。
「それは、武君、君だ」
「そんなこと急に言われても・・・」
武は戸惑うばかりだった。
敏夫という殺人犯がいるのに、武が大学の学長になれるわけがないと反対する正彦だが、学長は「敏夫君は父親を殺していない。私もあやも信じている」ときっぱりと言う。正彦は自分に任せてほしいと申し出るが、「それこそ非常識だ。君は教育が出来る人間ではない」と一喝される。裏口入学のことだけで判断しないでほしいと正彦は言うが、あやに「それがすべてです。大学と宮島家のことは一切あきらめてください」と断られる。
部屋に戻った正彦は菊子にどうするかと怒鳴りつけるが、菊子は警察に敏夫のことを通報して、自分たち以外逮捕させると言う。すぐに警察は駆けつけ、敏夫は華江に導かれ、部屋に隠れる。勝ち誇る正彦に、あやは静かに言った。警察に、裏口入学のことを話すと。証拠がないと笑う正彦だが、あやは清司に会っていろいろ話して、証拠になるものもすべて知っていると告げた。あなたも捕まりたいのかと聞くあや。
警察が到着したが、正彦は自分の勘違いだったと謝り、信一も何も異常はないと証言したため、警察はすぐに引き返した。
遠ざかるサイレンの音に、安心する敏夫と華江だが、隠れ場所から出ようとすると、その部屋にあやが入ってきた。暖炉の火が燃えている前で1枚の写真を取り出し、悲しげに見つめると、写真を火にくべ、燃やし始めた。敏夫が見ていると、顔の部分はすでに燃えたが、確かにRの女が来ていたセーターを身に着けた女性の写真だった。やがてあやは部屋を出た。敏夫と華江は写真を確かめるが、すでにすべて燃えてしまった。そのことを武に報告する二人。おばあ様がRの女なのか?と言う武に、華江は優しいおばあ様は絶対に違うと反対する。あやは皆が愛し、尊敬する素晴らしい女性だ。しかし、本当のことを聞き出さなければならないと、武は華江をなだめて、あやに尋ねることにする。
学長の部屋にいるあやに、武と由美子、敏夫と華江がRの女のことを尋ねる。あやは、自分がRの女の写真を持っていたこと、それが誰だか知っていることを告げる。しかし、いまはそれ以上話せないと告げる。だが、清司を殺していないことだけは宣言する。Rの女が誰だかわからなければ、敏夫は死刑になる。そう言って教えてほしいと頼む4人。
学長が口を開く。「実は私も全てを知っている。いつか必ず何もかも話すから、待って欲しい。いつか話すから、その代り宮島家と大学を任せる。私は癌だ。もう治らない」絶句する武。「死ぬ覚悟はできている。しかし大学は武君の力で守ってほしい」
「分かりました。考えておきます」学長は、コンクール本選までは生きると言う。宮島音楽大学の卒業生で世界的バイオリニストの木元光子に会うまでは死ねないと言う。光子は、コンクールの審査員として、日本に来る予定だった。病気のため、本選に出られないかもしれないと、敏夫にテンペストを弾くように頼む学長。敏夫の実力を見ると言う。
弾き始める敏夫。あやは涙を流して聞き入る。学長に敏夫の力を尋ねる武。学長は「私は安心して死ねる。敏夫君は私のあと数等上だ。大物になる。老いたピアニストは死に、若いピアニストが生まれて育っていく。いいもんだな音楽は・・・ピアノは・・・」と、感動に震えながらつぶやいた。


感想。

今回はハラハラし通し。息つく間もない回だった。
ものすごいスピード感&詰め込み具合だ。
しかし、面白かった。

スピードと言えば、由美子はもう退院している。あれからどれほど時間が経ったのだ?コンクールまであと2週間と言っている事から、1週間以上は入院していたはずだ。しかし、肋骨を折って肺まで手術しているのだ。リハビリだってあるだろうに、今回引越し準備までしている。すごい回復力だ。

そして住宅問題で実に完敗&乾杯。
実最高だよ。もう、二度目だけど花道を歩かせたよ。
ほんと、実るが出てくると幸せな気持ちになる。
ありがとう。実・・・。

それにしても、住宅問題に信一は一言も口を挟まない。
武が、一家全員で暮らすなら小さなアパートでも幸せだ。と言っているが、信一もアパートで暮らすつもりだったのだろうか。それとも寮生活に戻るつもり?そして、引っ越すとして、敏夫はどうやって移動するつもりだったの?
まぁ、いいけど。
そして信一は着実に敏夫に毒されつつある。
今回ついに犯罪に手を染めた。
正彦たちに見つかった時の後ろ姿が、ガックリし過ぎて笑える。
信一はまだ華江の事を引きずっているらしい。そりゃそうだろう。何しろ、ずっと好きだったと父に宣言するくらいだ。しかも根暗だから、そうそう華江にだって吹っ切れた顔を見せられないだろう。

そして、学長の後継者問題にも決着が付きそうだ。
学長は後継者に武を指名した。
今までの流れを見ていれば、視聴射的にはさもありなんといったところだが、ちょっと待って欲しい。学長とあやって、途中で死刑囚と親戚にはなれないとかって強硬に言っていたのに、この変わり身は何だろう。彼らに何が起こったのか?
敏夫が犯人でないと信じた根拠は?

正彦&菊子はコテンパンにやられてしまった。本当に胸がスーっとした。
この回の夫妻の憎たらしさは言語を絶している。前田吟の演技は必見だ。前田吟がしゃべるだけで胸がムカムカするのだからすごい。
これが寅さんの常識的な義理の弟と同じ役者なのだから、驚くばかりだ。

敏夫のピアノの才能はいよいよ本物らしい。
学長のお墨付きをいただいた。今回はラ・カンパネラと比べて、練習時間はどうなんだろう。宮島家に滞在してた時はかなり練習していたようだが、コンクールに出るためにはやはり少ない。しかし学長夫妻を感動させる何かは持っているようだ。

いよいよ次回、岸恵子登場の回である。
それにしても、武の娘、紀子(山口百恵)に対するパリへの仕送りは、滞りなく済んでいるのだろうか。
知らぬは紀子ばかりなり。
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Comments

hirorin ... 2011/09/29 11:48 PM
>キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命さんへ。

ありがとうございます。
確かに・・・。分からないことだらけです・・・。しかし勢いは素晴らしい。
キャンディキャンディ赤い激流岸辺のアルバム命 ... 2011/09/28 07:22 PM
最後までわからずじまいのことがこのドラマは多すぎ(笑

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