SWEET SWEET SWEET

手作りのお菓子やパン、料理など美味しいもの、
そして大好きな本など紹介します♪
<< アルパジョンのケーキ。 :: main :: 初勝利! >>

人にススメたくなるけれど絶対ススメめられない漫画「覚悟のススメ」を読んだ。

今回はマンガ。

注!!私のことだから、感想を書いたからと言って、全然人にはお薦めしませんので、まるっきりスルーしてくださって結構です。
というか、完全に人を選ぶマンガだと思うのですよね〜。
私は面白いと思いましたが。

漫画の題名は「覚悟のススメ
とりあえず、全5巻のうちの1,2巻を読みました。どうも復刻版(完全版?)のようですね。(ふつうのコミックスだと11巻ある)

41.jpg



ざっくりとあらすじをウィキから引用すると…。
核戦争と環境汚染によって荒廃した近未来の東京を舞台に、旧日本軍で編み出された最強の格闘技「零式防衛術」、そして人体実験の犠牲となった英霊の宿る意思を持つ鎧、強化外骨格「零」を武器に人々を守る為に戦う主人公「葉隠覚悟」と、人類を襲う怪物「戦術鬼」とその背後で人類を滅亡させんと企む覚悟の兄「現人鬼・散」との戦いを描く。


えーと、非常に人を選ぶマンガだと思いますし、完全にネタバレを含みますので、続きを見たい方は、↓をクリック!にしておきます…。
あと、もともと少年漫画とはいえ、はっきり言って小学生とか中学生に読ませるのはどうかと思う漫画です…。グロとか下ネタが激しいので。(たぶん、小中だと、トラウマになるレベル)

それでもいいって方は、↓をクリック!(一応、グロ&下ネタの部分は省いて紹介しています)


絵柄が割と昔めなので、少女漫画とかになれた人だと、ちょっとついていけない部分はあると思いますが。
私に関して言えば、表紙をめくって、第一ページの破壊力にまず大ダメージを受けたんですけど。
この一ページ目の破壊力に耐えられるかどうかで、読み通せるかどうかが決まると思いますね。
(てか、いきなり主人公の半裸ってさ…。)
で、あらすじだけ見ると、至極真面目で熱い漫画だと思われるのですが、

一ページ目の衝撃に耐えて、ページをめくっていくと…。

ちょっ・・・!!

なんでこんなに下品なの…。

当方に迎撃の用意なし!

そう潔く宣言しかねないほどのグロ&下ネタのオンパレード。

怯むな、私の心。
揺れるな、私の心。

怯懦はページを繰る手を鈍らせる。

いろいろなグロ&下ネタにページが占領されているとはいえ、漫画自体は超真面目。
そして主人公・葉隠覚悟(はがくれ かくご)も超真面目。
生真面目で世間ずれしておらず、清廉潔白・正義感あふれる優しい少年。
そうかと思うと、葉隠一族の特性として、感情を完全に抑制しているため、激情に駆られることもない。しかし、感情がないわけではなく、人一倍優しく、熱い心を持っている。
敵が下ネタであればあるほど、それに動じない高潔さがいや増すという存在で。
「ロックは聞きません」
という言葉からもわかるとおり素直で、反抗という2文字はこの男にはない。
まぁ、その超真面目さがギャグになっているという諸刃の剣なんであるが。
姿は、旧日本海軍の夏服を思わせる白い詰襟制服に身を包み、短髪に眼鏡と手袋。90kgの「強化外骨格・零(ぜろ)」は、携帯式なので、でっかい学生鞄でいつも持ち歩いている。途中から日本刀も佩くようになる。

k5.jpg


非常に礼儀正しい。
転入初日で校舎に敬礼するくらい。

しかし、戦いにおいて、必然性はある(?)とはいえ、すぐ全裸になる(笑)。
(ここにかなりの問題がある…)



と言っても、この漫画、葉隠覚悟だけが孤高を保っているわけではない。

k2.jpg


↑覚悟の愉快な仲間たち。
周囲の、覚悟の級友(笑)や、先生達も覚悟に引きずられてか、もともとそうなのか知らんが、だんだん高潔になっていく。

まぁ、覚悟があらゆる意味で別格なので、そうは見えないのだが。

そして、この漫画が熱い要因として、覚悟の敵方も、別の意味でなんだか素敵。
覚悟の最大のライバルで現人鬼(あらひとおに)の兄・散(はらら)がもう突き抜けてる。
散、なんか素敵。

k6.jpg


↑この鳳蘭みたいなまつ毛。
覚悟と兄弟らしいが…。1歳しか違わないことに衝撃を受ける。

てか、姉じゃないの?
兄なの?どっちなの?

下ネタなのは、戦術鬼(せんじゅつおに)と呼ばれる散の部下達なんだけど、大部分の変態を除けば、戦術鬼もなんだかかっこいい。戦術鬼・ライと覚悟の対決なんて、もう熱くて真面目すぎて、完全に別漫画ですよ。対決を見守る散の側近たち戦術鬼による実況・解説が、いちいち丁寧で熱くて燃える。
そして、真面目なのに、なぜかそこはかとなく笑いがこみあげてくる。
その次に相手した戦術鬼・血髑郎(誤字ではない)の外道さとライの潔さとのギャップが激しすぎて、もうライの方がめっちゃかっこいい対決のはずなのに、印象に残っているのは外道の血髑郎。

そしていいのが、覚悟と散の父・朧(おぼろ)ですよ〜。
もうね。
まるっきり海原雄山にしか見えないんですけど、息子の覚悟と散を最強の戦士にするべく強化外骨格を身につけさせるため、厳しい修行を二人に課す。
それは戦争のためではなく、牙をもたぬ人・人間を守るため。
それが朧と覚悟の正義なんですね。
虐待ってレベルじゃないめちゃくちゃな厳しさの中にかいま見える優しさが、熱すぎる。なんというか、葉隠の名が良く似合います。
そんな三人の修業時代がコチラ。

k7.jpg


↑「強化外骨格に敬礼」
左から散14歳・朧50歳・覚悟13歳。


なんか、敬礼の画像ばっかりだった…。

さて、お話は、2巻の最後らへんで、血髑郎の策略により、覚悟の、意思を持つ鎧である「強化外骨格・零」が動かなくなってしまう。零を背に担ぎながら走る覚悟の必死の呼びかけにもかかわらず、『心をつないだ鎧 応答なし!』というシーンでは、かなり胸に迫るものがあったことを告白する。
そのシーンを載せたいところだが、ちょっと事情があって載せられない。
(なぜなら、覚悟がやっぱり全裸だからだ)
ので、次に心に迫ったシーンを載せる。

k4.jpg


動かなくなった零。けれど覚悟は戦場へ重さ90kgの零を連れて行く。
そのシーン。
ここまで来ると、もう力技でこちらの胸も熱くさせられているのだ。

そしてこの漫画、結構いいなー。と思ったのが、なんだか、主人公のやることなすこと、すべてについて理由づけがしっかりしているのだ。
一見関係ないようなエピソードでも、すべてが覚悟が行動する理由としてあとから生きてくる。しかし、そのエピソードが明らかにそれだよって説明されない。
普通なら、回想シーンとかで、あぁ、そういうこともあったね。って読者に示されるものだが、この漫画の場合、読者が勝手にエピソードとして記憶を積み重ねていることを踏まえたうえでくどくどとした説明抜きに書かれている。そして、読者はそれと意識しないでも、なぜ覚悟がそこでそう言うのか、そういう行動を取るのかが、自然に理解でき、納得できるようになっている。台詞だけで上滑りするということがないのだ。
これは読んでみないと分からないと思うが、私としては、そんな作者のもくろみにまんまとはまっている時が、一番楽しく感じられるのだ。

たとえば、覚悟の決め台詞『覚悟完了』。
一見すると何のことやらわからないのだが、途中の大きなエピソードで主人公が経験する『覚悟』によって、その後出てくる『覚悟完了』というセリフにどれだけの信念や、死への『覚悟』が込められているか分かるようになる。
また、途中で戦う戦術鬼の偽りの献身を、覚悟は
「献愛は時に苦痛を伴うもの。だが お前の胸にあるのは手を差し伸べることの優越感のみ」として切って捨てる。痛みを伴う覚悟なしに、献愛などと言うなという説教である。
普通で考えて、なるほど、そういうもんかなと、思うかもしれない。
けれども、ここではその台詞を覚悟が言うことに意味があるのだ。
かつて零と運命の出会いを果たした覚悟は、それこそ命を賭した大激痛の献身を経て、零と一体化する。読者はそれを知っているからこそ、覚悟の言葉に納得させられるのだ。さらに、これについては、堀江罪子との覚悟のエピソードにつながっていく。

級友がチンピラに絡まれている時に、覚悟は級友を助けない。読者は覚悟の不思議な態度で、父朧との修行風景を否が応でも思い出し、なぜ助けないのかを理解する。そして、覚悟の中に、父朧の姿を見る。
また、ロックを愛し、没個性を怖れ反抗の精神を歌う戦術鬼に対して、覚悟は「キサマが一番無用なり」断ずる。(キテレツ大百科みたいだが、こういうしゃべり方なんだ)
覚悟はロックを聞かない。反抗もしない。けれども、そんなことしなくても、覚悟は誰よりも個性的なんだ。
(…いろんな意味で…)

このように、主人公の性格や行動理念が、すべて説明的でなく、漫画のエピソードとして、自然に積み重ねられているのが、読んでいる方にとっては気持ちいい。


…ほら。いつの間にか、この漫画を薦めるようなことを真面目に長々と書いてしまっている。しかし!薦めたくない。薦めたくないんだ。
だって、なんちゅうか、やっぱり、ちょっと変な漫画なんだもん!グロくて、下ネタすぎなところもあり!
なんか、…え?って思われるんだもん!(笑)


てか、2巻だというのに、もう最終決戦前夜みたいな悲愴感が漂っているのはどういうわけだ。
この漫画、一つ一つの戦闘が極限なんだ。覚悟がいちいち死を意識しているので、次の巻で終わってもおかしくないほどの盛り上がりを見せている。
さらに、ここで!?ってところで、主人公に自らの人間としての限界と悲劇を語らせる。
この覚悟の、自分の限界に対する自覚には、結構重いものがある。これで読者は明るくない未来と、そう遠くない物語の終末を予感してしまうのだ。

あと3巻は続くはずなんですけど。
これからどうなっていくんだろう。

いま気になっているのは。
散が強化外骨格を着装したときのエピソードと、罪子の友達の青木さんの包帯。
顔中を包帯で覆っている青木さん。大地震で受けた傷でしょうか。

つづく…かもしれない。
comments (2) : trackbacks (0) : Edit

Comments

hirorin ... 2012/03/31 08:20 PM
>みえさんへ。

ありがとうございます!
なんか、以前紹介した漫画もちょっとアレだったんで、変だって思われるかなぁって思って躊躇したんです…。でものっけましたが。
みえさんも漫画読まれるんですか?どんな種類を読むのかなぁ…。
歴史漫画、小学校にもおいてましたねぇ。確かに、あれだと頭に入りやすいですよね。みえさん、毅然とした先生なんですね!

この漫画、面白いことは面白いし、盛り上がるんですけど、本当に、変だって思われるので、全然おすすめしません(爆)
みえ ... 2012/03/30 11:06 PM
アハハ〜!変な記事って・・・
何だろう???って思いましたが・・・私も時々共感する本などの事も記事にしてますよ!
漫画から学べる事って多いですよね!生徒も先生が教えるより・・・ドラえもんの歴史の漫画などには
夢中になります!意地悪な先生は
それらを隠しちゃんですが!(私です)・・・(爆)
だって、それを見たくて・・・気になって気になってちゃんと
自習も出来ないんだもん!
私って鬼?(笑)気持ちはわかるけどさ・・・・それを読んで自習したって言われても、困っちゃうしねえ!
これっ!親御さんに説明しようが無いし・・・う〜ん???
私も漫画大好き!
これは読んだ事無いけど・・・面白そうですね!
阪神、負けちゃいましたか!
始まったばかり・・・頑張って
くれる事を祈って!また、そんな記事も楽しみにしています!

Comment Form


Trackbacks