筒井康隆、小説「聖痕」連載を終えて。の感想。
いやー、あんまり目立たない記事で、見逃すところでした(汗)。
13日に連載を終えた朝日新聞・筒井康隆氏の「聖痕」ですが、恒例の作者によるあとがきが18日に出ました。
連載小説のあとがきは、大抵1週間くらいを目安に出ると思います。
やはり実験的要素を多分に含んだ小説だったんですね。
それにしても、昔に比べて一回分の文字数が原稿3枚から2枚に減っているとは・・・。確かに改行の多い小説だと、全く読み応えのないうちに「つづく」になってしまって、気が抜けますよね。その点はかぎ括弧や濁点などが少ないほうが読みごたえはありました。そして次回への「ひき」は本当に見事だったと思います。このひきのおかげで、どれほどやきもきさせられたことか・・・(笑)。本当に冒頭部分は文句なしにひきつけられ、新聞連載小説として大傑作の誕生に立ち会っているのかも!?なんて興奮していました。
そして、そのひきのおかげで、途中からですが、毎日感想文なんて、無謀なことをはじめてしまったんですよね〜。そして、その後についての感想は、最終回に述べたとおりです(汗)。
でも、まぁ後悔はしていません。
なんだか、作者様の文章が意外にも(?)あっさりと素直な感じで(汗)、こちらも素直にありがとうっていう気持ちになりました。単純なの。私・・・。
で、古語による実験ということでしたが、私の感想は・・・。
うーん。連載中の感想にもちょっと書いたんですが、貴夫が大学に入る頃までは古語の使用も良かったと思うんですよね。本文の薄暗い印象というか、あの事件によって落とされ続ける影と昭和な時代背景、それに貴夫の美しさに引っ張られて違和感なく読めていたいと思います。
けれど、大学中期以降はどうも浮いている印象でした。
はっきり強烈に違和感を覚えたのは、貴夫と結婚した嫁に弟が言い寄って云々という回でしょうか。あの回は、すごく古語が多かったんですけど、なんというか、嫁と弟の下世話な感じと古語の格調高さが最高にマッチしなくて、もったいないと感じたんですよね。具体的にどんな言葉が使われていたのかは、ちょっと思い出せませんが。
いやね、古語が格調高いなんていうのも実は幻想で、それが普通の時代はいろんな場面で使われていたのだろうと思うのですが・・・。
でも、美しい言葉は美しい場面で使って欲しいっていう読者のわがままかなぁ・・・(笑)。とにかく、そこら辺以降からは、現代により近づいていたこともあり、貴夫の言動に受け入れがたいところありで、どうも浮いているなぁって思う場面が多かったので、そういう点でも実験だったのでしょうか。みんなが古語に慣れてきた所で、内容も実験的にしていくみたいな。
いやー、でも全国紙でファンじゃない人も読むのに、実験って堂々と言っちゃうのも挑戦的というか、大御所的というか・・・。頭が下がります。
こうなってくると、書評などもいやおうなく気になってきますね。もうしばらくこの作品の行く末を気にしていこうかと思いました。
繰り返しになりますが、筒井先生、お疲れ様です。ありがとうございました!
13日に連載を終えた朝日新聞・筒井康隆氏の「聖痕」ですが、恒例の作者によるあとがきが18日に出ました。
連載小説のあとがきは、大抵1週間くらいを目安に出ると思います。
やはり実験的要素を多分に含んだ小説だったんですね。
それにしても、昔に比べて一回分の文字数が原稿3枚から2枚に減っているとは・・・。確かに改行の多い小説だと、全く読み応えのないうちに「つづく」になってしまって、気が抜けますよね。その点はかぎ括弧や濁点などが少ないほうが読みごたえはありました。そして次回への「ひき」は本当に見事だったと思います。このひきのおかげで、どれほどやきもきさせられたことか・・・(笑)。本当に冒頭部分は文句なしにひきつけられ、新聞連載小説として大傑作の誕生に立ち会っているのかも!?なんて興奮していました。
そして、そのひきのおかげで、途中からですが、毎日感想文なんて、無謀なことをはじめてしまったんですよね〜。そして、その後についての感想は、最終回に述べたとおりです(汗)。
でも、まぁ後悔はしていません。
なんだか、作者様の文章が意外にも(?)あっさりと素直な感じで(汗)、こちらも素直にありがとうっていう気持ちになりました。単純なの。私・・・。
で、古語による実験ということでしたが、私の感想は・・・。
うーん。連載中の感想にもちょっと書いたんですが、貴夫が大学に入る頃までは古語の使用も良かったと思うんですよね。本文の薄暗い印象というか、あの事件によって落とされ続ける影と昭和な時代背景、それに貴夫の美しさに引っ張られて違和感なく読めていたいと思います。
けれど、大学中期以降はどうも浮いている印象でした。
はっきり強烈に違和感を覚えたのは、貴夫と結婚した嫁に弟が言い寄って云々という回でしょうか。あの回は、すごく古語が多かったんですけど、なんというか、嫁と弟の下世話な感じと古語の格調高さが最高にマッチしなくて、もったいないと感じたんですよね。具体的にどんな言葉が使われていたのかは、ちょっと思い出せませんが。
いやね、古語が格調高いなんていうのも実は幻想で、それが普通の時代はいろんな場面で使われていたのだろうと思うのですが・・・。
でも、美しい言葉は美しい場面で使って欲しいっていう読者のわがままかなぁ・・・(笑)。とにかく、そこら辺以降からは、現代により近づいていたこともあり、貴夫の言動に受け入れがたいところありで、どうも浮いているなぁって思う場面が多かったので、そういう点でも実験だったのでしょうか。みんなが古語に慣れてきた所で、内容も実験的にしていくみたいな。
いやー、でも全国紙でファンじゃない人も読むのに、実験って堂々と言っちゃうのも挑戦的というか、大御所的というか・・・。頭が下がります。
こうなってくると、書評などもいやおうなく気になってきますね。もうしばらくこの作品の行く末を気にしていこうかと思いました。
繰り返しになりますが、筒井先生、お疲れ様です。ありがとうございました!
Comments
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ありがとうございます!
やっぱり気づきませんよねあれは(笑)。
>ぶつ切り
確かに。私は割と注釈見ながら読むのって好きなんですが、やっぱり内容とのマッチングが気になりましたねぇ・・・。
あと、途中から登場人物の造型があまりにも薄くて、弟は弟、嫁は嫁って、記号にしか感じられなくなったのは残念だなぁって今頃思いました。
>読者に感謝
されると、やっぱりこちらからも感謝します(汗)。
私も、本の内容で誰かと考えを述べ合ったのなんて、本当に久しぶりで楽しかったです。
>ご縁
こちらこそ!どうぞこんなブログで、食べ物のことばっかりですが(汗)、よろしければコメントいただければと思います!よろしくお願いいたします〜。
慌てて探しました。hirorinさん有難う(笑)
ふむふむ。埋もれてしまった言葉や復活させたい言葉を、あえて使ってみたいって連載前にも仰っていましたね。
それがピリッとスパイスのように効いている場面もあったけど、どの単語にも注釈がついていて何だかブツ切りのようにしか文章が読めない日もありました。
それはこちらの力不足なのでしょうけど、注釈がついているとどうしても私はそこで立ち止まってしまうんですよー。
そんな日は話にものめり込みにくかったです・・・。
でも筒井先生、それも分かった上で読者に感謝しますって仰ってましたね(笑)
なんだかんだ言っても全部読みましたし、こうして感想を交わすのも楽しかったですし、私も先生に有難うございましたって言いたいです。
私も単純なのかな?(笑)
せっかくご縁ができましたので、これからもこちらに顔出しても良いですか(^-^)
ありがとうございます!
私も!写真つきで来ると思っていましたので(笑)。完全に見落としましたです。
>最後の長編で実験
最後になるかもしれないのに、あえて実験っていうのもすごく勇気がいりますよね…。こちらのように賛否両論になるのは目に見えていますし…。でも読者を楽しませるだけじゃなくて、あえて文学に一石を投じる気概は素直にすごいなぁって思いました。
でもやっぱりもったいないっていう思いはありますよね。あれだけ面白かった最初なのに、最後がこれって…って。
>尻すぼみ
そうなんですよね…。レストランでももっとすごいことが行われるのか?って思ったらそうでもないし…。貴夫の心情が大人になればなるほど謎になっていったのももやもやがたまる原因だし!あれ、最後は妹兼娘に対しても3人娘と同じようなことをする可能性があったっことも暗示しているような気もする…。
何にしても土屋が最後出てこなかったのが悲しいですわ(笑)。彼にもちょっと幸せになってほしかったです。
>獅子頭
あはは…。あの話は、私もなんとなく読んでいました。大体がなんじゃそれ?っていうか、あらすじ…って感じで、あの話は何にも考えないで読んでいたなぁ…。でも主人公の流され具合が悲しかったですね…。
まぁ、確かにこのお話とは比べ物になりませんね。
>いつ読むのやら・・・
そのうち単行本になってからのほうが読みやすいでしょうか…。発売になったら、図書館で予約してみようかなぁ…。筒井先生のファンの方の感想も楽しみです〜!
せつこさんも、感想ありがとうございました!
てっきり筒井さんの写真入りで載るとばかり思ってたので・・・。
で、そう、実験だったんですよね。
でも筒井さんの最後の長編で実験って・・・。
まあ読者からの投書欄で、あの難しい言葉をノートに書き写して勉強しているという人もいたので、役に立っていた面もあるようですね。
でも確かに後半は違和感があったのは、言われてみるとそうですね。なんか納得。
あ、獅子頭と比べてですが・・・私は獅子頭はそんなに面白いとか思って読んでたわけではないんですよね。
ただ何となく読んでて、何かもひとつかも〜このまま面白くないまま終わるかも〜と思いつつ、それでも一応どう決着がつくのか気になったのと、私は普段あまり読書をしてなかったので、ここまで読んだんだから・・・と途中で辞めるに辞められずに(ギャンブルする人の心理ですね)読み終えた感じなんです。
聖痕はいくつか山がありつつ尻すぼみな感じだったので、最初から大きく期待してなかった獅子頭とは全然違いますね〜。
さて、うちの相方には切り抜き渡しましたが、今は試験受ける勉強で忙しいようで、いつ読むのやら・・・でも感想聞けたらここに書きに来ます!!