赤い激流・第十一回 レビュー
第十回レビューはコチラ
いい加減レビューが遅れているので、本日二回目のアップ。
「家族を守るために殺す!」
あらすじ
毎朝音楽コンクールまであと二週間。
敏夫と武は、寝る間も惜しんでレッスンを続けた。しかし武の腕は容赦なく痛む。武は大学病院の友人、西条医師に頼んで、あと二週間腕が動くようにしてほしいと頼む。
西条医師は、100%ではないが、神経や血管を圧迫している筋肉を切り取れば治る確率があると診断する。そこで武は喜んで手術を受けることにする。
敏夫は喜んで有頂天になるが、清司は、そんな敏夫の喜びに、「腕が治ればへし折ってやる」と、水を差すのだった。
手術は終わった。しかし、結果は良くない。大事な神経が傷ついており、中指が麻痺したまま動かないのだ。清司は病院に入り込み、その医師の会話を聞いて、暗い喜びに笑いをもらした。西条医師は、直接告知をせず、リハビリを続けろと武に言い、大沢家を喜ばせるのだった。
武は敏夫に、英雄ポロネーズだけでなく、ショパンの曲をできるだけマスターさせる。それが英雄ポロネーズの理解に役立つのだと言う。
そんな時清司が大沢家に現れる。清司は武に、中指が動かないことを教えに来た。それを聞いていた弟の実は、清司に怒りをぶつけ、殴りつけて出て行けと叫ぶ。笑う清司に、敏夫は「俺がぶっ殺す」と宣言した。
武は弟の実に「ピアノは俺のすべてだった。何の生きがいもない」と漏らす。
「泣きたいんだったら泣け」と兄弟は悲しみを共にする。悲しみに暮れる大沢家だった。
清司は東山夫妻をマンションに呼び出し、武の指のことを話し、大学を辞めさせ、代わりに自分を助教授にすることを要求する。
武の見舞いに来た宮島学長と妻のあやは、ピアノ科の助教授について相談に来る。言いにくそうな二人を制して、武は辞職を申し出る。
信一は再就職について心配するが、武は希望をもって仕事を探すと宣言する。妙子は大学を辞めることを申し出るが、武は勉強して親孝行しろと話した。由美子はパートでもお手伝いさんでも、仕事を探すと話すが、武は家を守ってほしいと話す。
敏夫は友人の三郎と良介とともにジャズ演奏のバイトに精を出すが、やりすぎで友人二人は疲れてしまう。
武の退院祝いに大沢家に訪れる親戚一同。実は宮島家に、武の大学辞職について問いただし、自分も指揮科の講師を辞めると言うが、宮島家は引き留める。実が大学の教職に就いたのは、武に頼まれたからだった。実は、武の音楽の知識をもってすれば、楽理の教授になれるはずと学長を説得し、本物の教育者を捨てるのは大学のために良くないと話す。
あやも華江も明彦もその言葉を支持する。学長は武を楽理の教授にすることを認めた。
清司が宮島家に訪れ、正彦を無視して、学長とあやに、不倫をばらす。不倫くらいで動じるあやではないが、裏口入学のことを聞くと顔色を変える。スキャンダルをばらされたくなかったら、武を辞めさせ、自分を助教授にしろとゆする。
学長とあやはこの場は清司の言うことを飲むことにする。
正彦は、清司を殺してやりたいと漏らす。
華江は、武がまた大学を辞めさせられることを聞いて大沢家に来る。由美子はそれを聞いて、血相を変えて家を出て行く。華江は信一の誘いを断り、敏夫を探して続いて家を出て行く。敏夫は、三郎・良介とともにコンクールの予行練習をしていた。華江はその場に乗り込み、敏夫に武のことを伝えた。怒った信一は華江を追いかけて来ると、無理やりキスをした。
清司は自宅でピアノの練習をするが、指がまともに動かない。由美子は清司に「武さんをこれ以上苦しめないで」と土下座して頼む。清司は「由美子が戻ってくるなら武を助教授に戻してもいい」と由美子に襲い掛かる。由美子は「殺してやる」と叫んで逃げ出すが、そこへ敏夫が駆けつけ助ける。「俺には才能も天分もある」という清司に、「父さんにはもう天分も才能もない。人を憎むだけの汚い人間だ。先生とは比べ物にならない」と敏夫は笑う。「先生に何かしたら、父さんを殺す」と言うが、清司は聞かない。清司は「俺を止めたかったら俺を殺せ」と、敏夫を殴って挑発する。敏夫はついに我慢の限界に達し、清司の首を絞める。そこへ隣の部屋の主婦が乗り込んで、三人を止める。
心配していた武に、敏夫は何も聞かないで休ませてほしいと由美子を寝室に帰らせる。敏夫はピアノを弾き始めるが、心が乱れて全くうまくいかない。
「俺にはピアノは弾けない。コンクールもあきらめる」と敏夫は言う。「父さんを殺そうとしている人間にピアノは弾けない」と。
「殺すより仕方ない」という敏夫を武は止める。「どんな父親でも父親だ。子供が父親を殺すなんて絶対にいかん。人を憎んではだめだ。俺は田代君を信じている。いつか立ち直ると信じている。間抜けと言われようが、構わない。人間は何のために生きている?人を憎んで暗い一生を送るためか?人を愛して、明るい一生を送るためか?敏夫君は、愛情をいっぱい持っている。殺したいと言う気持ちは俺のために忘れてほしい。俺なんかどうなってもいい。大事なのは君だ。君のピアノだ。君のピアノが完成したら、俺は満足だ。この右腕に代わってピアノを弾くのは君だ。頼む。人を愛してくれ。ピアノを捨てないでくれ」静かに弟子を諭す武に、敏夫は答えた。
「わかったよ。先生。わかった」
「ありがとう。敏夫君」
武の愛情によって、敏夫の心は美しさを取り戻した。
感想
おお・・・(ToT)
ちょっと・・・
感動の師弟の対話。
泣いた。
最後の、武と敏夫の対話が最高。
今までの絶叫調の説得とは打って変わって、静かな説得だ。
説得というより、諭しですよ。
人を憎む意味。人を愛する意味。人が生きる意味。
そして、弟子が生きる意味。
師が静かに、弟子を導く。
無理やり聞かせるのではない。一つ一つの疑問、弟子の求めに応じて、師が静かに、確信を持って導いている。
あらすじでは、セリフを書き出すと膨大なので、あえてはしょって書いてしまったが、武のセリフの合間に、敏夫の合いの手というか、自分はだめだー的なセリフが入るので、本編を見るとさらに感動できる。
視聴者は敏夫に完全に同化し、武の教え子となって、清司を憎むのは間違いだという気持ちになってしまうのだ。
これも名場面だ。
良かった。
それにしても、武が大学を辞職するくだりであるが、なんとなく腑に落ちないものを感じた。ピアノ科の助教授って、そんなに簡単にクビになったりするのだろうか。まぁ、ピアノが弾けないのだから、仕方ないといえばそこまでだが、それこそ娘婿なのだから、再就職を斡旋するとか、事務方に回すとか、いろいろ手はあると思うのだが、宮島音楽大学ではあっさりクビ。その疑問については、石立鉄男の実が解決してくれるが、やっぱり、おいしいところは石立鉄男なのねー、と感じたところだ。
さらに突っ込むと、今回の話で辞職しなくてはならないのは、武ではなく、明らかに正彦だ。これだけの不祥事をしでかしたのだ。まだ表には出ていないとはいえ、そのまま助教授に居座るとは、並の神経ではないし、学長とあやも、なぜ辞職させないのかが不思議としか言いようがない。
そして、今回時系列が妙なことになっていないだろうか。
武の手術の時点で、コンクールまであと二週間だったはずだ。退院するまでの日数について言及されていないので何とも言えないが、退院祝いをすることからして、一日で帰ってきたとは考えにくい。さらに二週間前だと言うのに、敏夫はジャズバンドのバイトに一日以上を消費してしまった。どう考えても一週間は無駄に過ごしているはずである。
さらに乱闘が本日も例にもれず起こってしまった。
ピアノコンクールに出る直前のピアニストが、大事な手を使って男の首を絞めるとは・・・。
それだけ追い詰められているのだろうと、好意的に考えてみる。
緒方拳の清司が、武の指のことを知って笑う場面は、心胆寒からしめる演技だった。本当に殺してやりたいくらいの笑いだ。
このままでは彼は無事に済まないのではないか!?いったいどうなるの!?・・・なんて、わざとらしく心配してみる。
第十二回につづく・・・
いい加減レビューが遅れているので、本日二回目のアップ。
「家族を守るために殺す!」
あらすじ
毎朝音楽コンクールまであと二週間。
敏夫と武は、寝る間も惜しんでレッスンを続けた。しかし武の腕は容赦なく痛む。武は大学病院の友人、西条医師に頼んで、あと二週間腕が動くようにしてほしいと頼む。
西条医師は、100%ではないが、神経や血管を圧迫している筋肉を切り取れば治る確率があると診断する。そこで武は喜んで手術を受けることにする。
敏夫は喜んで有頂天になるが、清司は、そんな敏夫の喜びに、「腕が治ればへし折ってやる」と、水を差すのだった。
手術は終わった。しかし、結果は良くない。大事な神経が傷ついており、中指が麻痺したまま動かないのだ。清司は病院に入り込み、その医師の会話を聞いて、暗い喜びに笑いをもらした。西条医師は、直接告知をせず、リハビリを続けろと武に言い、大沢家を喜ばせるのだった。
武は敏夫に、英雄ポロネーズだけでなく、ショパンの曲をできるだけマスターさせる。それが英雄ポロネーズの理解に役立つのだと言う。
そんな時清司が大沢家に現れる。清司は武に、中指が動かないことを教えに来た。それを聞いていた弟の実は、清司に怒りをぶつけ、殴りつけて出て行けと叫ぶ。笑う清司に、敏夫は「俺がぶっ殺す」と宣言した。
武は弟の実に「ピアノは俺のすべてだった。何の生きがいもない」と漏らす。
「泣きたいんだったら泣け」と兄弟は悲しみを共にする。悲しみに暮れる大沢家だった。
清司は東山夫妻をマンションに呼び出し、武の指のことを話し、大学を辞めさせ、代わりに自分を助教授にすることを要求する。
武の見舞いに来た宮島学長と妻のあやは、ピアノ科の助教授について相談に来る。言いにくそうな二人を制して、武は辞職を申し出る。
信一は再就職について心配するが、武は希望をもって仕事を探すと宣言する。妙子は大学を辞めることを申し出るが、武は勉強して親孝行しろと話した。由美子はパートでもお手伝いさんでも、仕事を探すと話すが、武は家を守ってほしいと話す。
敏夫は友人の三郎と良介とともにジャズ演奏のバイトに精を出すが、やりすぎで友人二人は疲れてしまう。
武の退院祝いに大沢家に訪れる親戚一同。実は宮島家に、武の大学辞職について問いただし、自分も指揮科の講師を辞めると言うが、宮島家は引き留める。実が大学の教職に就いたのは、武に頼まれたからだった。実は、武の音楽の知識をもってすれば、楽理の教授になれるはずと学長を説得し、本物の教育者を捨てるのは大学のために良くないと話す。
あやも華江も明彦もその言葉を支持する。学長は武を楽理の教授にすることを認めた。
清司が宮島家に訪れ、正彦を無視して、学長とあやに、不倫をばらす。不倫くらいで動じるあやではないが、裏口入学のことを聞くと顔色を変える。スキャンダルをばらされたくなかったら、武を辞めさせ、自分を助教授にしろとゆする。
学長とあやはこの場は清司の言うことを飲むことにする。
正彦は、清司を殺してやりたいと漏らす。
華江は、武がまた大学を辞めさせられることを聞いて大沢家に来る。由美子はそれを聞いて、血相を変えて家を出て行く。華江は信一の誘いを断り、敏夫を探して続いて家を出て行く。敏夫は、三郎・良介とともにコンクールの予行練習をしていた。華江はその場に乗り込み、敏夫に武のことを伝えた。怒った信一は華江を追いかけて来ると、無理やりキスをした。
清司は自宅でピアノの練習をするが、指がまともに動かない。由美子は清司に「武さんをこれ以上苦しめないで」と土下座して頼む。清司は「由美子が戻ってくるなら武を助教授に戻してもいい」と由美子に襲い掛かる。由美子は「殺してやる」と叫んで逃げ出すが、そこへ敏夫が駆けつけ助ける。「俺には才能も天分もある」という清司に、「父さんにはもう天分も才能もない。人を憎むだけの汚い人間だ。先生とは比べ物にならない」と敏夫は笑う。「先生に何かしたら、父さんを殺す」と言うが、清司は聞かない。清司は「俺を止めたかったら俺を殺せ」と、敏夫を殴って挑発する。敏夫はついに我慢の限界に達し、清司の首を絞める。そこへ隣の部屋の主婦が乗り込んで、三人を止める。
心配していた武に、敏夫は何も聞かないで休ませてほしいと由美子を寝室に帰らせる。敏夫はピアノを弾き始めるが、心が乱れて全くうまくいかない。
「俺にはピアノは弾けない。コンクールもあきらめる」と敏夫は言う。「父さんを殺そうとしている人間にピアノは弾けない」と。
「殺すより仕方ない」という敏夫を武は止める。「どんな父親でも父親だ。子供が父親を殺すなんて絶対にいかん。人を憎んではだめだ。俺は田代君を信じている。いつか立ち直ると信じている。間抜けと言われようが、構わない。人間は何のために生きている?人を憎んで暗い一生を送るためか?人を愛して、明るい一生を送るためか?敏夫君は、愛情をいっぱい持っている。殺したいと言う気持ちは俺のために忘れてほしい。俺なんかどうなってもいい。大事なのは君だ。君のピアノだ。君のピアノが完成したら、俺は満足だ。この右腕に代わってピアノを弾くのは君だ。頼む。人を愛してくれ。ピアノを捨てないでくれ」静かに弟子を諭す武に、敏夫は答えた。
「わかったよ。先生。わかった」
「ありがとう。敏夫君」
武の愛情によって、敏夫の心は美しさを取り戻した。
感想
おお・・・(ToT)
ちょっと・・・
感動の師弟の対話。
泣いた。
最後の、武と敏夫の対話が最高。
今までの絶叫調の説得とは打って変わって、静かな説得だ。
説得というより、諭しですよ。
人を憎む意味。人を愛する意味。人が生きる意味。
そして、弟子が生きる意味。
師が静かに、弟子を導く。
無理やり聞かせるのではない。一つ一つの疑問、弟子の求めに応じて、師が静かに、確信を持って導いている。
あらすじでは、セリフを書き出すと膨大なので、あえてはしょって書いてしまったが、武のセリフの合間に、敏夫の合いの手というか、自分はだめだー的なセリフが入るので、本編を見るとさらに感動できる。
視聴者は敏夫に完全に同化し、武の教え子となって、清司を憎むのは間違いだという気持ちになってしまうのだ。
これも名場面だ。
良かった。
それにしても、武が大学を辞職するくだりであるが、なんとなく腑に落ちないものを感じた。ピアノ科の助教授って、そんなに簡単にクビになったりするのだろうか。まぁ、ピアノが弾けないのだから、仕方ないといえばそこまでだが、それこそ娘婿なのだから、再就職を斡旋するとか、事務方に回すとか、いろいろ手はあると思うのだが、宮島音楽大学ではあっさりクビ。その疑問については、石立鉄男の実が解決してくれるが、やっぱり、おいしいところは石立鉄男なのねー、と感じたところだ。
さらに突っ込むと、今回の話で辞職しなくてはならないのは、武ではなく、明らかに正彦だ。これだけの不祥事をしでかしたのだ。まだ表には出ていないとはいえ、そのまま助教授に居座るとは、並の神経ではないし、学長とあやも、なぜ辞職させないのかが不思議としか言いようがない。
そして、今回時系列が妙なことになっていないだろうか。
武の手術の時点で、コンクールまであと二週間だったはずだ。退院するまでの日数について言及されていないので何とも言えないが、退院祝いをすることからして、一日で帰ってきたとは考えにくい。さらに二週間前だと言うのに、敏夫はジャズバンドのバイトに一日以上を消費してしまった。どう考えても一週間は無駄に過ごしているはずである。
さらに乱闘が本日も例にもれず起こってしまった。
ピアノコンクールに出る直前のピアニストが、大事な手を使って男の首を絞めるとは・・・。
それだけ追い詰められているのだろうと、好意的に考えてみる。
緒方拳の清司が、武の指のことを知って笑う場面は、心胆寒からしめる演技だった。本当に殺してやりたいくらいの笑いだ。
このままでは彼は無事に済まないのではないか!?いったいどうなるの!?・・・なんて、わざとらしく心配してみる。
第十二回につづく・・・
Comments
ありがとうございます!
赤いシリーズは、あと赤い運命を見ただけですね。運命はとにかく三国廉太郎の演技がすごかったのを覚えています。
あれはなかなか話が進まずにイライラ系かもしれないですね。
ありがとうございます。
私は韓国ドラマには全くはまれませんが、そういうものでしょうか。
時系列はちょっと気になってしまいますね・・・。ま、勢いでどうにかなりますが。
あれ、私のURLが・・・記憶されている!文字も大きくなっている!
私の為に・・・(爆)そんな訳無いのは承知です!このレビューは精魂尽き果てちゃいますね!ちなみに・・・他の赤いシリーズはお好きですか?赤い激流に限って?
私も赤いシリーズはほとんど見て
きましたが・・・けっこう・・・
じれったくてね!(笑)
何で・・・そうなるかな・・・って
早くハッピーエンドになろうよって
・・・それがはまるのかな!?
あまり、疲れないようにね!