SWEET SWEET SWEET

手作りのお菓子やパン、料理など美味しいもの、
そして大好きな本など紹介します♪

天の梯・葛の水せん。

みをつくし料理帖です。

みをつくし料理帖の最終巻「天の梯」が発売されました!
いやー、ついに最終巻が来てしまいましたよ!
前の巻「美雪晴れ」でははっきり言ってまだまだ終われないんじゃない?と思っていたのですが、この巻では見事に「にくいねぇ!」って感じにすっきりとまとまって終わりを迎えました。(なんじゃそれ)

澪が鼈甲玉でかなえたい夢、ご寮さんの夢、佐兵衛さんのわだかまり、一柳の旦那様の夢、源斉先生は最後までいい人で終わるのか?美緒さんはどうなるの?ふきちゃんと建坊は?つる家と登龍楼の因縁対決は?つる家を継ぐのは誰?あのお武家様ってどうなったの?などなど、読者の興味は尽きぬのですが、この最終巻では、全てに決着をつけてくださいますよ〜。
何と言いますか、この作者、一つの設定も無駄がないというか、とことん使い倒す!ってところが読者にとっては気持ちいいですよね。
伏線と思えないところも伏線だった!っていうのが。
あ、ここらへんは読まないとわかりません!

ここから完全ネタバレです

そして…。
私は最後の最後で泣かされてしまいました。
りうさんの最後の瓦版も終わって、作者様が最後に残しておいてくれたお楽しみ。
最後の料理番付。

いやね、大関位がどこの店かっていうのは、もう言わずもがななんですよ。
それより私が泣いてしまったのは。
番付行司役の元勧進の店名を見たとき。
ああ〜、完全にやられました。
ご寮さん、佐兵衛さんの笑顔が見えるようで…。

それに、西の小結、「寒天尽くし」の井川屋!
ああ〜、井川屋が〜!って。
銀二貫の井川屋ですよ!
井川屋が二号店で料理屋さんを出したのかなぁとか、もういろいろ考えてしまいましたよ。

もちろん本編でも泣きました。
いっぱい泣かされたのは「親父泣かせ」の章。
あれほど種市さんがこだわっていた料理番付。でもつる家を退く澪はもう料理番付を目標とはしていない。それならば誰がそれを実現するの?
その答えも、このお話は鮮やかに決着をつけています。
でもそう、私もその決着が一番だと思うの。
もうそれは澪の役目じゃなくなった。それでいい。
真剣に今の、これからのつる家を背負っている人、その人に取ってもらうのが一番だよって。
それに、その人のうれしさが一番伝わってくるのって、料理番付に載った日じゃないもんね。
初めてあの料理がお客に認められた日、その日の政吉さんの様子が本当に感動しましたよ。


さて、感想はいろいろありますがまた料理を再現するときなどにおいおい語っていくとして、ひとまず澪のお料理を作っていきましょう!
今回作るのは「天の梯」の第一章結び草より、

葛の水せん」です。

前の巻で、家が火事に遭い、財産を失ってしまった澪の友達である美緒。
何とか両替商を再開できるのですが、以前の贅沢な暮らしは望むべくもなく、慣れない家事に疲れ切ってしまう美緒です。
それでも、わがままなお嬢様時代からは考えられないくらい健気に働く姿に、澪は心を打たれ、料理を届けて励まします。
今回の料理は、美緒に何とか元気になってもらいたいと葛尽くしの料理を作った中の一品。
贅沢で雅な食べ物に慣れた美緒に何を食べさせたらいいか、澪は悩むのですが、源斉先生からも葛の料理を教えてもらったりして、料理を決めていきます。
葛料理の中でも苦労したのがこの水せん・つまり葛きりです。
あの透明で綺麗で柔らかな葛きりをどうやって作るのか?
料理書を見ても今一つ実践してもいいのか悩む澪。
確かに、私はテレビで和菓子屋さんが作っているのを見たことがありましたが、何とも乱暴というか、思い切ったやり方だなぁと感心した覚えがあります。

澪は水せんに柚子の香りをつけていましたが、今の季節柚子は手に入らないので、試作の段階で澪が作った味付けでやっていきたいと思います。

まず葛を水に溶かします。

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こし器でこしてから流し缶に薄く入れて、沸かした鍋のお湯に浮かべる。
これ、レシピでは布巾で持ちながらと書いてありますが、場合によってはやけどする恐れがあります。はい、やけどしそうになりました(笑)。
ここはひとつ、和菓子屋さんがやるようにやっとこで挟んで持ったほうが安全ですね。
やっとこがなければ、工具箱に入っている大き目のペンチとかがいいと思います。
さて、葛の表面が白いながらも乾いて動かないようになります。
そうしたらすかさず鍋のに流し缶を深く沈めて(というか、鍋のお湯を流し缶に入れて)しばらく置きます。
するとあら不思議。白かった葛が完全に透明になりまする〜。

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透明になったら今度は水を張ったボウルに沈めて葛を冷やします。
流し缶から葛をはがして、細く切れば出来上がり!

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熱くて危険だけど(笑)、こんなに簡単にできました〜。
あとは残りの葛を何回かに分けて繰り返し作ればいいのです。

今回は清右衛門先生たちが召し上がったように

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きな粉と黒蜜で食べました。

食む。

う〜ん!
おいしい〜!
葛きりが本当になめらかで柔らかでつるんとのど越しさわやか〜。
でもところてんとはまた違った歯ごたえで楽しめます。
本当に簡単!
でも和菓子屋さんみたいに本格的〜。
思いついたらすぐできますのでお勧めです!

柚子の季節になったら、美緒さんが食べたように柚子葛きりにして食べたいです!
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パンプキンクリームフロマージュ。

いやぁ〜、暑いですね。
ここ杜の都も驚きの気温を毎日記録しています(笑)。
七夕祭りに来た観光客の方も、「関東と変わりない」とおっしゃっているとか(汗)。
まぁ、天気の悪いことが多い七夕ですが、これだけ快晴なのも珍しいのでうれしい悲鳴なのでは?

そんなわけで、かき氷。

今回は先日梵くらに行ってきましたので!
こちら。

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はい、なんといいますか、びっくりのビジュアル。
上に乗っかっている天然氷の白さでようやく「かき氷だ」と認識できる感じかと(笑)。

こちらのかき氷、その名も
パンプキンクリームフロマージュ。
もうね、
名前からしてかき氷とは程遠いんですが。
でも季節限定と聞いては注文しなくては女がすたるわけですよ。

ではひと口。

食む。

おおお…。
これは…。
すごく濃厚。

もはやかき氷とは呼べない。
全く新しいデザートだよ。

中の氷は練乳でまろやかに味付けされており、その表面は濃厚でまろやかなかぼちゃのソースが覆っています。
しかしかき氷のさわやかさを求める真夏の気温にそぐわないかというとそうではなく、ひと口食べると、そのまったりぽってりとした舌触りの隙を縫って粉雪のように淡く溶けていく練乳氷のはかない、しかし確かな冷たさを感じます。
そして時たま舌を刺す削ったパルメザンチーズ(?)の塩気。
その塩気は、かぼちゃというともすれば単調になりがちな安定した味わいに、楽しい変化を与えます。

うーん。
人を選ぶかもしれませんが、さすが梵くらです。
全く新しい美味を提供してくれました。

でもしばらく呼気がチーズっぽくなってしまうので注意です(笑)。
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