SWEET SWEET SWEET

手作りのお菓子やパン、料理など美味しいもの、
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浅利の御神酒蒸し。

みをつくし料理帖です。

今回は、第5巻「小夜しぐれ」より。

浅利の御神酒蒸し です。

澪が料理人を務める「つる家」の店主種市。彼にはかつて一人娘がいました。
娘の名前は「おつる」。つる家の屋号は、種市の娘の名前から取ったものだったのです。
いつもは陽気で優しい種市さんですが、今回は彼とおつるさんのの哀しい過去が明らかになります。

今まで封じ込めていた種市さんの悲しみと怒りが、ある人物の登場によって一気にあふれだし、衝撃的な事件が起こってしまいます。
人は、大切な人のためなら鬼にもなれる。
優しい種市さんしか知らなかったふきちゃんは、そんな人の業に触れてショックを受けますが、ご寮さんは彼女を厳しく諭すのでした。
人にはいろんな面があって当然。恐ろしい激しい一面を見たと言っても、その行動の裏にある真の心に気づけるようになりなさいと。
そうですよね。怖い面を見たと言っても、今まで長い間受けてきた優しさ、本当の種市さんが消えるわけではないですもんね。
ふきちゃんが又次さんをやたらと怖がらないようになったのも、この一件の影響があるかもしれません。
事件が起こった後、ご寮さんが種市さんの様子を見に行ったとき、もしかしたらみんな、とりわけふきちゃんに恐ろしい姿を見せて傷つけたと、悲しんでいたのかなぁと思いました。だからご寮さんは、あえてこの時に諭したのかも。

事件が起こってしばらく、つる家の空気にくらい影が落ちますが、澪は少しでも種市さんに元気になってほしいと、好物の浅利を使って気が晴れるような、それでいて元気を取り戻せるような料理を作ります。
それが今回の浅利の御神酒蒸しです。

余談ですが、このお話で澪とふきちゃんがお店の大掃除をしていた時に、坂村堂さんが大福を差し入れてくれるのですが、その時の描写がとっても美味しそうで好きなんですよね〜。私、おもちは苦手なんですが、「たねや」の大福だけはびっくりするくらい美味しくて夢中で食べてしまった覚えがあるんです。あの時の美味しい思い出が甦って、また食べたいなぁって、いつも思います(杜の都では、残念ながら手に入りません)。はぁ〜、美味しそう。
さらに差し出してくれる坂村堂さんがいかにものんきそうで、気が利いていて、うれしくなってしまうんですよね〜。昼餉を食べようとつる家の前を通りかかったけれど、大掃除をしている澪たちを見て、何も言わずに大福を買ってきてくれたのかなぁって思います。

閑話休題。

作り方は、ごま油で生姜と鷹の爪を炒めて香りを移した所に浅利をざざっと加え、軽く炒めてから酒をとくとくと流しいれてすかさず蓋をし、浅利が口を開けるまで熱すれば出来上がり。
とても簡単ですが、浅利の砂だしは、澪も抜かりなくやっています。

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画像では目立ちませんが、お汁もたっぷりよそっていますよ。
では早速…。

辛いのはあまり得意でないので、生姜と鷹の爪は少な目に入れました。
でも!
ごま油と生姜、鷹の爪の風味が浅利に十分に移って美味しい!
酒蒸しをさらに豪華にした感じですね。
ごま油っていうのが目新しいです。
塩味は全く入れていませんが、浅利から出たうまみと塩分で十分に塩味は効いています。逆に塩辛いくらいかも(笑)。
みをつくしシリーズのレシピは、優しい味が多いのですが、この浅利の御神酒蒸しはそのイメージを覆す、ガツンとパンチ力のある味です。
美味しかったですよ♪
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