いやー、浅田選手すごかったですね。ほんと、素晴らしい人ですよ。
オリンピックの感想はそのうちきちんと書きたいと思いますが、まだ興奮冷めやらぬって感じで、ビデオ見まくっています(笑)。
さて、今回はみをつくし料理帖です。
今回は、第九巻「
美雪晴れ」より
立春大吉もちです。
師走に入ってにわかにあわただしくなる世間。
今年一年の締めくくりとして、つる家の主人種市は、料理人の澪に「嫌なこと、哀しいことの多かったこの一年を締めくくる料理を考えて」と頼みます。
その注文に澪は、初春を寿ぐ言葉で縁起がいいとされる「立春大吉」という言葉を料理に用いたいと考え、それには「餅」が合うのでは、と思いつきます。
もちろん、澪が単純におもちを使うはずもなく、思いがけない食材で、餅のような味わいを作り出すのでした。
この料理は、一口で説明するのは難しく、食材の取り合わせの妙が光る料理になっています。
餅のような食感を生み出すのは蓮根。
卸して火を入れると、もちもちとした食感になるのです。
蓮根は「見通しが良くする」吉祥な食材。
でもそれだけでは物足りず、冬に美味しくなるものは風邪に効くという母の教えを思い出し、蕪と合わせることで甘味を増し、さらに「腰が曲がるまで元気に」という海老を使って、お腹いっぱいに福を詰め込んでもらう料理になりました。
蓮根、蕪をすりおろして海老をたたいたもの、卵白、上新粉を合わせて蒸し、表面をごま油でこんがりと焼いて醤油で香りをつけたら出来上がり。
もちろん坂村堂さんもご満悦の感想を述べていますが、正直言って、読んでいても味を想像するのが難しく、何となくさつま揚げみたいな物かなぁと思ったのですが、さてどうでしょうか。
早速作ってみました。
蓮根、蕪、海老、卵白、上新粉、塩が主な材料です。
材料を良く混ぜて蒸します。
蒸す作業が2回ありますので手間はかかりますね。
蒸すとおもちのようなるということですが、私の作ったものはかなり柔らかかったです。もちというか、クリームコロッケの種みたいな。手水をつけて小判型にまとめるとやりやすいです。
ごま油でこんがり両面を焼く。
醤油を鍋肌に回しかけて出来上がり!
すごくいい匂い。
実は焼いている間もフライ返しや箸に種がくっついてひっくり返すのはかなり難しかったです。そういう点で確かにおもちっぽいですね。
ではさっそく。
食む。
!おいしい!!
これは…。
すごく不思議な食感。
私おもちは苦手なんですが、確かにおもちみたいなねっとりもちもちした食感はあります。でも口の中でとろけていくような感じなのです。
そして表面のカリッとした香ばしさ、醤油とごま油のいい香りと本体のエビの美味しさ、蕪や蓮根の甘さが絶妙に口の中で混ざり合って美味しいです。
どこかで食べたことがあるような懐かしいような気がするのですが、その何かが思い出せず、でもすんなり美味しいと思える美味しさ。
海老真薯みたいな感じでしょうか。
語彙力が乏しく本当に申し訳ないことです(汗)。
うーん、不思議。
一つはそれほど大きくないのですが、結構お腹にたまりますよ。
見た目に派手さはないのですが、口の中では美味しさによってなんだか明るくなっておめでたい気分になる不思議な料理です。