SWEET SWEET SWEET

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エミイのジェリーとメグのジェリーその2

物語の食卓です。

前回に続いて、今回は「続・若草物語」のメグのジェリーについてです。

大変な自信を持って、ジェリー作りをはじめたメグ。しかし、材料を煮て、濾して・・・何度やってもうまく固まらず、とうとう泣き出してしまいます。
このジェリーって、どういうものだったのでしょうか。
ここで大事なのが、メグが作るジェリーとは、おなじみのゼラチンで作るゼリーではないという事です。
ここで言うジェリーは、果物のジャムの一種なんです。

言葉で言っても良く分からないと思いますので、画像を上げますね。

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はい。
メグが作ったのは、カレンツのジェリーなのですが、材料がなかったので、私はアップルジェリーにしてみました。
ジャムといっても、透明で綺麗ですよね。
そして、ちゃんと固まっています。
作り方は、りんごを水とレモン汁で煮たものを、ガーゼで濾して液を取り、砂糖を加えて”jellying point"(ジェリーが固まる温度)まで煮詰めます。それを容器に移して冷ますと、固まったジェリーが出来るというわけです。
このジェリー作りに大事なのは、果汁を固める、元から果物に含まれるペクチンももちろんなのですが、何よりも”jellying point"になるまで煮詰めることが重要です。
これがなかなか難しい!
jellying pointとは、摂氏約104.4度以上のことで、現代では温度計があるので見極めは簡単ですが、温度計がない場合は、つめたく冷やしたスプーンを煮汁に浸して、スプーンから垂れる汁状態を見るとか、冷やした小皿に煮汁を垂らして、しばらく置き、指をつけて膜ができて、さらに動かすと皺が出来る・・・など、もうはっきり言って、経験がものを言う職人技の域なんですよね。

では、なぜメグのジェリーは固まらなかったのでしょう?

これは、作者のオルコットがさりげなくヒントを教えてくれているようです。
と言うのは、メグは「ハンナ(マーチ家のお手伝いさん)が100ぺんもやるのをみてきた」と言うのです。
つまり、見ていただけで、実際作ったことはなかったんですね。
私は今回作って、本を見ただけで作るのは、かなり難しいと感じました。
大体、メグは100度以上の温度計を持っていないでしょうし、ジェリーを作ったのは暑い日でした。そんな日につめたく冷やしたスプーンや、お皿を用意するのは難しく、jellying pointを見極めるのは至難の業だったのではないでしょうか。
しかも初心者のクセに、大量に仕込んだようですから、煮詰めるのにも時間がかかるでしょうしね。
仮に煮詰まったとしても、容器に移して冷ますにはまた時間がかかり、言うまでもなく、冷めないことには固まらないのです。
かくいう私も、なかなか固まらず、辛い思いをしました。一晩たって、ようやく固まったと確信した時は、ホッとしましたよ。
そんな風ですから、暑い日にメグが「固まらない」と思い込んだのは無理ないと思います。

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それにしても、固まったジェリーは、とても綺麗です。
私のジェリーは、かなり甘くなってしまいましたが、リンゴのエキスがギュッとつまっているのに、透明感のある味は、普通のジャムとは全く違っていますよ。

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パンにつけると、さらに綺麗。
紅玉などで作ると、色が真っ赤に染まって、まるでルビーのようになるんですよ。
今回のリンゴは、色が薄かったです。

以前私が赤毛のアンで作った木苺水は、煮詰めすぎて、偶然にもジェリーになってしまっていたんですよね(笑)。

いかがでしょう?
エミイのジェリーとメグのジェリー。
エミイのジェリーは、単にゼリーのことをジェリーと書いてあるだけなのに、いつも食べているゼリーではなく、なんとなく特別なもののように感じられます。
きっと、透明で、甘くて柔らかくて、宝石のようなな食べ物なんじゃないかと・・・。
イメージとしては、まさにメグのジェリーのような感じを想像していました。
まぁ、どちらもジェリーには変わりないのですが・・・。
言葉って、本当に不思議ですね。
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