SWEET SWEET SWEET

手作りのお菓子やパン、料理など美味しいもの、
そして大好きな本など紹介します♪

大根の油焼き。

久しぶりに再現料理です。
みおつくし料理帖シリーズの第6作「心星ひとつ」より。

第三話の時ならぬ花―お手軽割籠

大根の油焼き。

何よりも火事を怖れた江戸の町。ボヤ騒ぎが続いたことを重く見た町年寄のお達しで、澪が商売をする町内では、商いに限って、火を扱う時間が限られてしまいます。
食べ物屋さんなのに、ほんの2時間ほどしか火を使えない。
2時間の間に、できる限り料理をしたとしても、お客さんには、冷めたものを出さなくてはならず、そんな料理に不満が続出。
そんな危機に、澪が練った秘策とは・・・?

澪が働く料理屋つる屋に限らず、江戸時代の料理屋さんは、どのようにご飯を温めていたのかな?と、この本を読んでいると考えてしまいます。
電子レンジのある現代では、ご飯を温めるのは簡単ですが、一旦おひつに入れたごはんは、冷める一方ですよね。ましてや、保温機能のある炊飯器もないんですもんねぇ・・・。料理屋さんでも、炊き立てでない限り、冷めたごはんを出されていたのでしょうかね?
そんな細かいことを考えてしまうほど、第三話のお話は切実でした。
私も震災の時は、電気やガスが使えず、ようやく電気が通って温かいご飯が食べられた時は感動しましたもんね・・・。
でも、電子レンジが使われるようになってから、まだそれほど年月は立っていないはずなんですよね。それなのに、もうなかったときのことは忘れ去られているなんて、ちょっと怖い気がします。本当に全てがなくなってしまったら、私はどうすればいいいんだろう・・・なんて。

で、大根の油焼き。
この時代油で焼いたものなんてあったのかねぇ・・・と思いつつ。
まず大根、半月切りにしたものを朝から夕方まで干します。

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干してみた。
母が近所の人に言われて、さんまのみりん干しを作ってみたくなり、干しかごを買ってきていたので、便乗して干してみた。
・・・干したけど・・・。
湿気の多い日だったのか、あんまり違いが分からず。
干したものを濡れ布巾できれいに拭き、ごま油を熱したフライパンで強火で焼き色を付け、裏返して弱火にしてじっくりを通す。
醤油とみりんを回しかけて味付けし、粉山椒をかけて出来上がり。

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大根にじっくり火を通したおかげで、柔らかくできました。
ごま油に醤油の風味が香ばしく、みりんでほのかに甘くとってもおいしかったです。

お話は、第六巻になって急展開。
読んでて胃が痛くなるような巻でした。
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ひょっとこ温寿司。

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今回は、第四巻「今朝の春」より、
ひょっとこ温寿司(ぬくずし)です。

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寒い夜に、身も心も温まるように澪が作った夜食がこれ。
蒸した寿司ということで、皆恐る恐る口にしたのですが・・・?

蒸し寿司って、やはり関西の料理らしいですね。
蒸している間に酢が抜けてしまうのではないかなぁ?と疑問だったので作ってみました。
本のレシピでは、具がしいたけ、かんぴょう、にんじん、エビとシンプルだったのですが、具はいつものばら寿司の我が家流に、高野豆腐や竹の子を甘く煮たのも加えました。
ただ、寿司酢は、本のレシピに忠実に作りました。やはり蒸すという工程が入るので。
我が家の寿司酢は、砂糖や塩を加えてからひと煮立ちさせるのですが、レシピでは、ただ混ぜただけのものをご飯に加えています。
準備が出来たら、ご飯を茶碗によそって、上から錦糸玉子をふんわりとかけ、蓋をして蒸します。
私は、御茶碗の蓋をしてしまうと、蒸し器に高さがおさまりきらないので、ラップをしました。
お味は・・・。

美味しい!
蓋をしているので、酢が蒸している間に飛んでしまうことはないようです。
蒸している間も酢の匂いがすることはありませんでした。
温かいのですが、ちゃんと酢が効いて、とても美味しい!
冬にはとてもいい料理だと思います。

なぜひょっとこ温寿司という名前なのかは、読んで確かめてください(笑)。

ただ、非常に器が熱くなるので、蒸し器から取り出すときに注意が必要です!

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ばら寿司が余ったので、お稲荷さんにして、これも蒸しました。
温かいけど、ちゃんと酢飯のお稲荷さん、美味しいですよ♪

召し上がれ!
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里の白雪。

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今回は、シリーズ第4巻の「今朝の春」より、

里の白雪です。

蕪好きの戯作者・清右衛門先生から、美味い蕪料理を作ったら褒美をやるといわれ、色々事情があって、それに挑戦することにした澪。
色々な蕪料理を食べている清右衛門を唸らせた料理とは・・・?

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はい。
見た目は真っ白で、何かはよく分からないと思いますが、この白いものが蕪。
蕪をすりおろして卵白と混ぜて下に隠したひらめと共に蒸しています。
上から出汁で作った餡をかけて、わさびをちょこんと載せて出来上がり。
清右衛門先生は、ひらめではなく、鯛を使えと言っていましたが、ちょうど鯛がひらめより安かったので、私は鯛を使いました。
これが・・・。
ものすごく美味しいです!!
蕪の甘味と、鯛の甘味が優しく口の中で広がって本当に上品で美味しい!
わさびの風味がまた食欲をそそるんですよね。
これは本当にお勧めです。

私、この4巻の中で、この料理名を名づけた時の清右衛門先生のセリフに、本当に泣けてしまいました。
かっこよくて、時代劇って、こうでなくては!って感じだったんですよねー。
あ、海原雄山みたいなんですよ(笑)。
実は、清右衛門先生は、あの有名人なんですね・・・。

蕪をおろして使うちょっと珍しい料理。
どうぞ、召し上がれ!
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ふわり菊花雪。

みおつくし料理帖シリーズです♪
えーと、ミステリークッキングとは別に、みおつくし料理帖シリーズの再現料理のカテゴリーを追加しました。

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はい。
今回は、第三作目の「想い雲」より。

ふわり菊花雪 です。

ネタバレになるので、何も書けないのですが、主人公澪が勤める「つるや」のピンチの後に思いついた料理がこれ。
てか、この小説、大体ピンチの後に料理ができるのですが・・・。
山芋を細かく千切りにしてから、ふきんで包み、すりこ木でさらに細かく叩き、サッと湯がいた菊の花を混ぜ、塩で味付け。
うま酢をかけた白身魚(ひらめがなかったので鯛で)にかけて出来上がり。

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私は、山芋を千切りにする自信がないので、大根のけんを作るスライサーで細切りにし、すこし叩きました。
「ただ美味しいだけじゃなく、口の中に菊の香りが残って、とても雅(みやび)な気持ちになる」
という、澪と同じ名前の美緒お嬢様の感想にとても惹かれて作ってみました。
(私、美緒お嬢様が好きなんですよねー。澪とは別の意味で健気で可愛い。)
ふんわりとした山芋とうま酢が白身魚の旨みを引き立ててとても美味しいです。
菊を扱ったことなんて、初めてです。
でも、この時期菊がとても安くてお買い得でした。

菊花雪の名にふさわしい美しい料理です。
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こんがり焼き柿。

今回は、ミステリークッキング番外編です。
近頃評判の、みおつくし料理帖シリーズから、気になったものを作ってみました。
作ったと言うより、焼いただけなんですが・・・(笑)

その前に、みおつくし料理帖とは?
時代小説なんですが、小難しいことは抜きにして、すごく優しい気持ちになれるお話です。
江戸時代、上方(大坂)からある事情により、江戸に来た澪。
彼女は、江戸時代には珍しい女料理人です。
もともと上方の料理人なので、江戸の人の味覚を満足させる料理を作る苦労、その前に、江戸の料理を理解する苦労を味わいつつ、でも周囲の人々の温かさに励まされつつ、料理の道で精進を重ねるお話。
現在4巻まで出ています。(「八朔の雪」「花散らしの雨」「想い雲」「今朝の春」の四冊)
これがねぇ・・・。

もともと、私の両親は関西の人間なんですが、上方の料理人、澪が作る料理、またこれが上方本来の味!と主張する味が、正に母の味と言うか、母が大好きなものばかりなんですよねぇ。
私は、もはや母を通してしか大坂の味を知ることは難しいのですが、それでも澪が作る料理、澪が美味しいと思う味の数々は、母の料理を通して思い出深いものばかりなのです。
なので、このお話は、とっても感情移入が出来ました。
母に勧めて読んでもらったのですが、
「あ〜、食べたい!」
って、言ってましたよ。

この本の巻末には、小説の中に出てきた料理のレシピが付いているので、再現が可能。上方の料理を江戸風にアレンジしてあるものもあるので、完全に上方風ではないのですが、そこは万人の為に書いてある小説ですもんね。

それにしても、これを読んでいると、江戸時代でも、こんなに豊かな食生活があったのねぇ・・・って、感心します。
江戸時代の女料理人って、設定がかなりぶっ飛んでいるというか、すごいものがありますけど、優しい気持ちになれるお勧め本です。

さて、今回作ってみたのは・・・。
こんがり焼き柿。
みおつくし料理帖の中でも、想い雲という、3巻にあたるお話の中の一品。
少し渋みのある柿を美味しく食べるために澪がしたこととは・・・。
なんと、柿を焼いてしまうのです。
火鉢で柿の皮から焼き始めて、焦げ目がついたら実のほうも。
結果は、スッと皮が外れて、熟柿のようにとろとろと柔らかくそして甘くなる・・・。
ほんとかな?
コンロでやってみました。

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まず柿。
今年の柿は、かなり遅れているそうで、いつも奈良から取り寄せているのですが、まだ時期ではないそうな。
そこでスーパーで買ってきたのですが、どうも甘くないのですよ。
ちょうど試してみるのによかったのです。

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切ってみて、少し味見。
やっぱり渋みがあって、あまり甘くなかったです。
実はすごく硬くて、私好みなのですが。

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コンロであぶる。

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結果・・・。
小説のように、とろとろとまでは柔らかくなりませんでした。
皮は、ちょっと強くつまんで、やっとズルっと所々剥けるという感じ。
でも確かに、少し柔らかく、ほんわりと甘味が増しています。
何より、ほかほか温かいので、お腹から温まりますよ。
冷めると美味しくないので、温かいうちに・・・と作者の注意書きがあります。(笑)

簡単なので、甘くない柿にあたったときに試してみると楽しいです。
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