「聖痕」筒井康隆
昨夜、ついに聖痕の夢を見てしまった。
なんか、日を置いての更新なのに、こんな感想ですみません。
ええと、現在朝日新聞で連載中の筒井康隆氏の「聖痕」の話です。
久しぶりにというか、ここまで毎日読み始めるのにドキドキする新聞連載も初めてかもという感じで、楽しみに(?)読んでいます。
あらすじというか、本当に導入部ですが…。
1960年代の終わり近く、東京に生まれた主人公の男の子は、たぐいまれな美しさに恵まれ、周囲を騒がせる。だがその美しさゆえに、ある事件を招く――。
というお話で、とりあえず絶世の美男子が主人公です。
いやー、私、こういうお話が実に苦手なんですよね〜。
読み始める前から、不穏な予感を禁じ得ないお話。絶対悪いことが起きるに決まってるお話。幸せにはならんだろうなぁって読んでて分かるお話。
そういう意味では、前回の「沈黙の町で」もそうなんですけど。
もう、だめ。
でも、読み始めちゃった。
単行本で一冊にまとまっていれば、まだ一気に読み進められて気が楽なんですけど、新聞連載なので、細切れでしか読めない!毎日毎日、不吉なことが起こるのをただじりじりと待つしかない気分。
もうひどいです。
でも面白い。
主人公・貴夫の生まれながらの特別性が際立っているせいもあるんですが、貴夫に起こってしまった事件の異常性には、否が応でもひきつけられる感じ。
事件の詳細はちょっと書かない方がいいかもしれませんが。
ところで、主人公の貴夫、美しいことは明らかなのですが、その美しさについて、筒井氏は、具体的には書いていません。肌が白皙であることは描写していますが、それ以外はただ「美しい」「綺麗」「苦み走った」というふうにしか書いていないんですよねー。なので、読者がいかようにも想像できるんです。読者がそれぞれに思う最も美しい顔、姿を想像できるようにしてあります。
それはさておき、導入部の事件が起こった辺りの暗さは、これ、朝から読むのは辛いなぁって感じだったんですけど、それが最近ちょっと弛緩されていたんですよね。
弛緩と言っても、昨日辛いお話だったら、今日はちょっと明るい、でも明日またちょっと辛い…という風に、小さな波は毎日あるんです。
でも!大きな緊張がまた来ました!
貴夫に登希夫という弟が生まれて、少し成長してからの話で、また一気に不安に身がすくむ思いをさせられました。(笑)
で、恐怖のあまり、昨夜夢にまで見てしまったのです。(バカ)
というのも、昨日のお話は、成長した登希夫が父に訴えるところで終わるからです。不器量な自分に比べて、美しく出来のいい貴夫が明らかにひいきされていると。
それは貴夫の子供部屋になぜか風呂とトイレまでついていることからも明らかであると。
ここまで読んで、登希夫が貴夫に起こったことを知っているのかどうかは分かりませんが、私は、困った父親が、登希夫をなだめるために、貴夫の秘密を喋ってしまうのではないかと、予想してしまったのです。
そのために、登希夫が貴夫を散々痛めつけるのではないかと。
それを夢に見るほど怖くなってしまったんです。
昨日の回を読んでから今日の回を読むまで、本当にドキドキしてしまいました(爆)。
今回、幸いにも私が予想した展開にはなりませんでした。
でも、いつかは通るべき試練の道であることは間違いないです。
あー、いやだいやだ。でも読んじゃう(笑)。
それにしても、今日の回を読んで強く思ったのですが、貴夫の母親に関して、どうも印象がぼやけたなぁという感じ。
初め母親が出てきたとき、弱弱しい馬鹿女かなぁと思ったんですよね。でも言うべきことははっきり意見したり、ひくべきところは引くことをきっちりわきまえているなかなか頭のいい人だと描写されていたんです。しかし、今日、登希夫の苦悩を知りながら登希夫を慰める描写がなかった。今までの賢母のイメージならば、ここで登希夫へ母の愛情を表現して、登希夫を安心させるべきなのに。登希夫が生まれてからの母親の描写はなんだかぼんやりしています。
貴夫が登希夫のいたずらを母に訴えたとしても、母は困るだけだろうと貴夫は考えます。これはどうしたことでしょう。
祖父母が粗暴な登希夫を嫌っていることから、もしかして登希夫を生んだ母親の立場が、葉月家の中で弱いものになってしまったのかなぁと勘ぐってしまいました。
貴夫は11歳くらい、登希夫は5歳くらいだと思います。
カインとアベル的に、兄弟の葛藤があるのかなぁ…。
いやー、怖いなぁ。不吉だなぁ…。
もういや…。でも読んじゃう(笑)。
なんか、日を置いての更新なのに、こんな感想ですみません。
ええと、現在朝日新聞で連載中の筒井康隆氏の「聖痕」の話です。
久しぶりにというか、ここまで毎日読み始めるのにドキドキする新聞連載も初めてかもという感じで、楽しみに(?)読んでいます。
あらすじというか、本当に導入部ですが…。
1960年代の終わり近く、東京に生まれた主人公の男の子は、たぐいまれな美しさに恵まれ、周囲を騒がせる。だがその美しさゆえに、ある事件を招く――。
というお話で、とりあえず絶世の美男子が主人公です。
いやー、私、こういうお話が実に苦手なんですよね〜。
読み始める前から、不穏な予感を禁じ得ないお話。絶対悪いことが起きるに決まってるお話。幸せにはならんだろうなぁって読んでて分かるお話。
そういう意味では、前回の「沈黙の町で」もそうなんですけど。
もう、だめ。
でも、読み始めちゃった。
単行本で一冊にまとまっていれば、まだ一気に読み進められて気が楽なんですけど、新聞連載なので、細切れでしか読めない!毎日毎日、不吉なことが起こるのをただじりじりと待つしかない気分。
もうひどいです。
でも面白い。
主人公・貴夫の生まれながらの特別性が際立っているせいもあるんですが、貴夫に起こってしまった事件の異常性には、否が応でもひきつけられる感じ。
事件の詳細はちょっと書かない方がいいかもしれませんが。
ところで、主人公の貴夫、美しいことは明らかなのですが、その美しさについて、筒井氏は、具体的には書いていません。肌が白皙であることは描写していますが、それ以外はただ「美しい」「綺麗」「苦み走った」というふうにしか書いていないんですよねー。なので、読者がいかようにも想像できるんです。読者がそれぞれに思う最も美しい顔、姿を想像できるようにしてあります。
それはさておき、導入部の事件が起こった辺りの暗さは、これ、朝から読むのは辛いなぁって感じだったんですけど、それが最近ちょっと弛緩されていたんですよね。
弛緩と言っても、昨日辛いお話だったら、今日はちょっと明るい、でも明日またちょっと辛い…という風に、小さな波は毎日あるんです。
でも!大きな緊張がまた来ました!
貴夫に登希夫という弟が生まれて、少し成長してからの話で、また一気に不安に身がすくむ思いをさせられました。(笑)
で、恐怖のあまり、昨夜夢にまで見てしまったのです。(バカ)
というのも、昨日のお話は、成長した登希夫が父に訴えるところで終わるからです。不器量な自分に比べて、美しく出来のいい貴夫が明らかにひいきされていると。
それは貴夫の子供部屋になぜか風呂とトイレまでついていることからも明らかであると。
ここまで読んで、登希夫が貴夫に起こったことを知っているのかどうかは分かりませんが、私は、困った父親が、登希夫をなだめるために、貴夫の秘密を喋ってしまうのではないかと、予想してしまったのです。
そのために、登希夫が貴夫を散々痛めつけるのではないかと。
それを夢に見るほど怖くなってしまったんです。
昨日の回を読んでから今日の回を読むまで、本当にドキドキしてしまいました(爆)。
今回、幸いにも私が予想した展開にはなりませんでした。
でも、いつかは通るべき試練の道であることは間違いないです。
あー、いやだいやだ。でも読んじゃう(笑)。
それにしても、今日の回を読んで強く思ったのですが、貴夫の母親に関して、どうも印象がぼやけたなぁという感じ。
初め母親が出てきたとき、弱弱しい馬鹿女かなぁと思ったんですよね。でも言うべきことははっきり意見したり、ひくべきところは引くことをきっちりわきまえているなかなか頭のいい人だと描写されていたんです。しかし、今日、登希夫の苦悩を知りながら登希夫を慰める描写がなかった。今までの賢母のイメージならば、ここで登希夫へ母の愛情を表現して、登希夫を安心させるべきなのに。登希夫が生まれてからの母親の描写はなんだかぼんやりしています。
貴夫が登希夫のいたずらを母に訴えたとしても、母は困るだけだろうと貴夫は考えます。これはどうしたことでしょう。
祖父母が粗暴な登希夫を嫌っていることから、もしかして登希夫を生んだ母親の立場が、葉月家の中で弱いものになってしまったのかなぁと勘ぐってしまいました。
貴夫は11歳くらい、登希夫は5歳くらいだと思います。
カインとアベル的に、兄弟の葛藤があるのかなぁ…。
いやー、怖いなぁ。不吉だなぁ…。
もういや…。でも読んじゃう(笑)。