SWEET SWEET SWEET

手作りのお菓子やパン、料理など美味しいもの、
そして大好きな本など紹介します♪

サリーせんべい。

物語の食卓です。

今回、新たに物語の食卓というカテゴリーを作りました。
ミステリークッキングのように、物語の中で、想像もつかないような食べ物の名前や、ものすごく美味しそうな描写に行き当たったことってあると思います。そんな思い出の食べ物の再現が出来ればなと思います。

私にとって、長年何のことだか分からなくて悩まされてきた食べ物が一つありました。

その食べ物とは。
サリーせんべい

この単語(?)を聞いて、ピンと来る人は、絶対的に少ないと思いますが、あえて書きます。
出典はかの有名な、
あしながおじさん」の、続編「Dear Enemy」、
日本語題では「続あしながおじさん」です。
この物語は、私、はっきり言って「あしながおじさん」よりよっぽど好きです。
主人公は、「あしながおじさん」のジュディの親友・サリー・マクブライドです。超大金持ちの奥様になったジュディから、孤児院の経営と建て直しを任された(というか、押し付けられた)サリーが、最初はイヤイヤながら、しかしだんだんと仕事と子供に対する愛に目覚め、最終的に高い理想を持って孤児院をより良いものにしていく成長記なんです。
こう書くと、味も素っ気もないんですが、その内容たるや、滅茶苦茶おもろいです

とは言っても、この本は、精神疾患や遺伝子疾患に対する思想として、現代の常識には全く当てはまらないことが非常に多く出てきますので、子供には読ませられない部類の本です。
実はその私も子供の頃に読んだのですけどね・・・(笑)。
その思想というのが、なんと言いますか、言い方が過激かも知れませんが、ナチスドイツのユダヤ人への政策とか、日本における以前のハンセン氏病政策を彷彿とさせるようなものが平気でかいてあるのです。しかし、これは1915年のアメリカで普通に出版された内容なのです。書いたのは当時のアメリカで大学教育を受けた女性で、しかも福祉の勉強などをした女性です。
なので、そういう歴史を知らない子供に読ませるのは非常に危険であることは確かです。
かくいう私は、どうだったでしょうね。とりあえず、サリーの主張がなんだか変だと思ったことは覚えています。

そのようなことを分かった上で、1900年代初頭の思想を元に書かれた事を理解して、現代と合わないところに目を瞑って読むならば、相当愉快な本で、そこさえなければ、超お勧め本だと思います。
で、ここからはそういうことに目を瞑る前提で書いていきます。

お話は、「あしながおじさん」と同じく、孤児院を任されたサリーによる書簡集という形で進むのですが、その手紙が、ジュディの手紙なんかより、よっぽどユーモアがあって、絶対いいのです。
私には、ジュディは、どこか暗くて、引け目を感じ、でもプライドは人一倍で・・・という感じでどうも好きになれないのですが、サリーは本当に明るくて素直であけっぴろげで、手紙で上品に(笑)ずけずけと本心を書くのですが、それを上手くユーモアに包んであるので、全く厭味でないんですよねー。
怒っていても、悲しんでいても、どこか一つは笑える文章が出てくるのです。
最初は周囲に対して不満タラタラで(というか、不満しかない)、早く仕事をやめたい!とジュディに訴えるのですが、それだけで終わらないのがサリーです。だんだん周囲を上手く動かすことを覚えて、もちろん自分でも人一倍働き、それに対して手ごたえと喜びを感じ始めます。
そう、周囲に変わってもらうことを望むのではなく、自分が変わることで、自分を幸せにしているんですよね。
なんだかこれって、現代の働く女性にも通じることじゃないかなぁって思います。最初は、何もかもうまくいかなくて、周囲が全て敵のように感じるけれど、時間が経つと、そうじゃない、自分にも悪いところがあったと気付いたり、そう気付いた途端、どうすればいいか分かってきたり・・・。
しかも、サリーは妙齢の女性ということで、恋愛模様も華やかです。
その恋愛も、かーなーり、ロマンチックです[:ラブ:]
私は「あしながおじさん」より、断然感動しました。

・・・
てか、全然サリーせんべいに到達しない!

ここからが本題。
サリーには敵が沢山います。自分でも敵を作る天才だと言っております。
最初、お嬢様で贅沢に慣れ、楽しいことばかりの生活をしていたサリーにしてみれば、無知で言うことを聞かない孤児院の職員や、あら捜しばかりする評議委員たちは、全く敵にしか見えないのです。
そんな中でも最強の敵は、
「ドクター ロビン・マックレイ」
近所に住む、新しく孤児院の嘱託医となった先生ですが、サリーとドクトルは、ことあるごとに大衝突を繰り返します。
その衝突が、お互い孤児のことを思うあまりというのが、また笑えるのですが。
そして、サリーが最終的にドクターに捧げたあだ名が
「敵様」
これを面と向かって言ってしまうのだから、サリーの開けっぴろげさは推して知るべしです。しかし、こう言っても深刻な事態にはならないところが、サリーの上手い(というか、可愛い)ところなんでしょうね。
そういうわけで、原題の「Dear Enemy」とは、サリーがドクトルに対して手紙を書くときの呼びかけの文なんです。
それに対して、ドクトルがサリーに捧げたあだ名こそ、
サリーせんべい
です。
あー、やっとここまで来た・・・。

で、サリーせんべいって、なんなんや、というのが、長年の謎で・・・。

てか、この文が長すぎや!
すみません!
続きは次回に・・・。
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