SWEET SWEET SWEET

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4 この発酵が終われば、パンドーロが焼ける。

タイトル、何のパロディかお分かりでしょうか。
国語の教科書にあったやつですが、私、この内容がなんていうか、好きでなくて・・・授業に集中できなかったことを思い出します。

注)この記事は、一連のパンドーロの記事(1,2,3)を参照してから読んでいただくことで、パンドーロに関する認識が深まり、また、私の狂おしいまでのパンドーロへの情熱を理解していただけると存じます。

さて前回、致命的な過発酵状態に陥ってしまった発酵種3でありますが。

pan9.jpg


どうしようねー。

ここでパンドーロの弱点と申しますか、面倒な点が浮き彫りになりました。
それは、途中で何か失敗を犯したとしても、全く取り返しがつかないということですね。
つまり、何度も中種法で発酵を繰り返しその度に長時間が経過してしまう為、一度何かが起こっても、ちょっとやり直そうかという気には、簡単にはならないってことです。
非可逆的なんですよ。(当たり前だが)
ましてや、この発酵種3は、もう最終段階に近づいているわけですよ。
ここまで来ると、全か無か。
継続するか全てを諦めるかしか選択肢はありません。
というわけで。

やるべし!

はい。
続行です。
この過発酵が、どう考えてもいい方向に働かないとは分かっていますが、もう引き返せないところまできてしまったのです。

で、最終段階。
発酵を終えた(笑)発酵種に、最後の試練が待っています。
ここからがいよいよメインイベント。
すなわち、パンドーロの命、風味と甘み、黄金色を与えるための大量のバターと砂糖、そして卵黄を混ぜたものを加えていきます。
これらが、全量の約33%を占めるのですから、かなりのものでしょう?
この混ぜは、バターが大量なので、ホームベーカリーに任せます。
少しずつ加えていくのですが、あまりにゆっくり加えていたったためか、全部入りきらないうちに、捏ね時間が終了してしまいました。
もう一度捏ねに設定して、バターの混合物を混ぜきります。
これって、つまりこねすぎでしょうかね。
オーバーニーディングってやつ。
まぁ、気にしない!

で、ようやくここまでこぎつけましたよ。
見て!
この黄金色を!

pan10.jpg


・・・あれ?
肉眼では、もっと濃い黄色に見えたんですよ。
本当ですよ。
表面がぶつぶつしているのは、加えたスキムミルクがなぜか滑らかに混ざらず、ぶつぶつに残ってしまったからさ。
もう、細かいことは気にしないのさ。

ここで、発酵2時間。
16時間に比べたら、全く埒もないと言えましょう。

・・・。
・・・。

ふ、膨らまない!!
しかし、私は早まらなかった。

もう少し待った。
時計の針は、発酵時間が3時間経過したことを伝えている。
しかし!
膨らまず。
なんなんだこれ。
生地の表面は、私の10分置きのフィンガーチェックにより、穴ぼこだらけだよ。
焦って焦って、画像を残すどころではない。
ここまで来て。
なぜだ。

焦りのあまり、私の心のよりどころ、辻料理学校に電話しようかという考えが、ふと脳裏をよぎる。
学校のレシピとして公開しているのだ。
問い合わせに応える用意くらいはあるだろう。
そう考えた。
しかし。
思い出して欲しい。
私は、勝手にレシピに改変を加えた。
すなわち、ヨーグルト天然酵母ではなく、ホシノ天然酵母を使っている。
この改変により、辻料理学校は、私の質問に答える義務がなくなったと言える。
そう。

正確な手順を踏んだものだけが、正しい答えを得る権利を持つのだ。

私は負けた。
自分の心の弱さに。

そんなこんなを、もっと低レベルな言葉でだらだら考えながら、これ以上待っていられなくなって、無理矢理続行することにする。

全体から450gを切り取って、いよいよパンドーロ型に生地を入れた。
待ちに待ったこの瞬間。
生地が非常にべたついている。
しかもダレている。
これでいいのだろうか。
全く分からない。

ここからいよいよ最終発酵、1時間。

画像が残っていない。
ここら辺になると、心が非常に乱れていて、しかも、手のべたつきも酷く、画像を残すどころではなかった。

ごめんなさい。

1時間が経過した。
先ほどよりは、明らかに発酵しているように見えて、ひとまず安堵。
いよいよ焼きに入る。

ここで、またミスを犯す。
霧吹きで水を生地表面に振るのを、忘れた。

もういい。
水くらいなんだ。
そうだ。
ここまでやれば、誰かが許してくれる。

そう、思っていた。


次回。

本当に最終章です。
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