SWEET SWEET SWEET

手作りのお菓子やパン、料理など美味しいもの、
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聖痕ちょっぴり感想。

第60回。

登希夫はいい感じに深みに嵌っている。

相変わらず貴夫にだけ便宜を図る祖父母に腹を立て、かといって母の優しさも拒絶している。
全て貴夫という基準を元に自分への反応が成り立っているのが、気に入らないんだろう。母の優しさにでさえ、貴夫に比べて可哀相だからという同情をかぎつけている。
でもなぁ、人って、人生って、そういうことの繰り返しなんだ。人だけじゃない。生き物は比べ、比べられて成り立っているんだ。同情を得られるだけまだましなんだ。
登希夫だって、兄と自分を比べることをやめられないんだ。自分が出来ないことを人に望んだって、それは無理ってもんなんだ。

それにしても登希夫が生まれた経緯を考えると、気の毒としか言いようがない。
それを知ったとき、登希夫はどうするのだろう。

しかし葉月家(じいじとばあば)にはかなりの問題があると言える。
いくらなんでも、正月に叔母の家に兄弟の片方しか連れて行かないというのはやりすぎだ。確かに、ひどいもんだ。(登希夫の口調もひどいもんだ)
これではどんなに妬まない信念を持つものであろうと、無理だ。
思い出して欲しい。温泉に連れて行ったとき、初めのうち登希夫がどんなにいい子になったかを。

そんなに力が有り余っているなら、いっそ武道でも習わせたらどうなんだ。礼儀なんかも身につくんじゃないの?
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